2026年シーズンの男子1500m日本ランキングは、飯澤千翔選手(住友電工)の3分35秒90が最上位です。日本記録3分35秒42まで0秒48。この記事では、World Athleticsの日本トップリストを基盤に、国内で出た28行を主催者の公式リザルトと1行ずつ突き合わせたTOP30を、記録が出た大会名つきで掲載します。今季の男子1500mは第110回日本選手権の予選2組という1本のレースがランキングの形を決めており、その構造まで踏み込んで解説します。集計基準日は2026年9月25日です。

この記事でわかること

  • 2026年 男子1500m 日本TOP30(順位・記録・所属・記録が出た大会・日付)
  • 1位の飯澤千翔選手が日本記録に0秒48まで迫った5月30日のレース
  • 日本選手権の予選2組が、日本歴代30傑の記録を5本同時に生んでいたこと
  • アジア大会の派遣設定記録3分36秒53に到達した2人と、9月26日・28日の日程
  • 日本記録・U20日本記録・世界記録・アジア記録の数字と、その出どころ

夏の競技場のトラックを走る中距離ランナーの集団

男子1500m 日本ランキング2026 TOP30

集計基準日は2026年9月25日。World Athleticsの日本(JPN)トップリスト(屋外・1人1記録)を順位づけの基盤にしています。

順位記録選手所属記録が出た大会日付
13:35.90飯澤 千翔住友電工日本GPシリーズ MDC GP5月30日
23:36.53森 凪也Honda日本GPシリーズ MDC GP5月30日
33:37.53本田 桜二郎早稲田大第110回日本選手権 予選2組6月12日
43:37.62森田 佳祐SUBARU第110回日本選手権 予選2組6月12日
53:37.76中川 拓海順天堂大第110回日本選手権 予選2組6月12日
63:37.84クレイアーロン竜波—Larry Ellis Invitational(米国)5月1日
73:37.92中野 倫希トーエネック第110回日本選手権 予選2組6月12日
83:37.97塩原 匠富士山GX第110回日本選手権 予選2組6月12日
93:38.02寺田 向希中央大第110回日本選手権 予選2組6月12日
103:38.30佐藤 圭汰NIKE第110回日本選手権 予選2組6月12日
113:38.46川口 峻太朗順天堂大ホクレンDC 第5戦 士別大会7月18日
123:38.51山口 智規SGHセイコーGGP 20265月17日
133:38.58樋口 諒カンザス大Arkansas Twilight(米国)5月8日
143:38.86宮本 凪城西大ホクレンDC 第5戦 士別大会7月18日
153:38.98漆畑 徳輝トーエネックホクレンDC 第4戦 深川大会7月15日
163:39.08田村 亘之介城西大ホクレンDC 第5戦 士別大会7月18日
173:39.38河村 一輝トーエネックセイコーGGP 20265月17日
183:39.84鈴木 景仁富士山GXセイコーGGP 20265月17日
193:39.97青木 龍翔立教大セイコーGGP 20265月17日
203:40.08栗原 直央MABP Maverick第21回NITTAIDAI Challenge Games4月25日
213:40.15松枝 博輝富士通第21回NITTAIDAI Challenge Games4月25日
223:40.51兵藤 ジュダHonda第110回日本選手権 決勝6月13日
233:40.62山田 俊輝スズキ第110回日本選手権 予選2組6月12日
243:40.66森 亮太順天堂大ホクレンDC 第5戦 士別大会7月18日
253:40.69坂東 悠汰富士通第21回NITTAIDAI Challenge Games4月25日
263:40.77千守 倫央大塚製薬第60回織田幹雄記念国際4月29日
273:41.07遠藤 日向住友電工日本GPシリーズ MDC GP5月30日
283:41.36館澤 亨次SGH第60回織田幹雄記念国際4月29日
293:41.43鈴木 芽吹トヨタ自動車第110回日本選手権 予選2組6月12日
303:41.62後田 築順天堂大第110回日本選手権 決勝6月13日

この表の集計ルール

  • 順位づけの基盤は、World Athleticsの2026年・日本・男子1500m・屋外トップリスト(1人1記録)です。各国連盟の公認記録を収載する公式リストで、国内には種目横断で年間順位を追える公開リストがないため、1人1記録の年間ランキングを一箇所で確認できるのが利点です
  • 国内で出た28行は、記録・順位・日付を主催者の公式リザルト(日本陸連ライブ結果、日本グランプリシリーズ MDC GPの主催者速報、ホクレン・ディスタンスチャレンジの公式PDF、セイコーGGP公式リザルト、広島陸上競技協会、日本体育大学)と突き合わせました
  • 選手名の漢字と所属は、主催者リザルトの表記に合わせています
  • 6位のクレイアーロン竜波選手は、2026年に国内の主催団体リザルトで確認できるレースがなく、所属を一次情報で確定できませんでした。そのため所属欄は「—」としています。記録3分37秒84と大会名(Larry Ellis Invitational・5月1日・米国プリンストン)は、World Athleticsの選手ページで確認しました。同ページの出場歴は米国の大学対抗戦が中心ですが、所属校名までは一次情報で確定できていません。氏名の日本語表記は、日本陸連のU20日本記録一覧に載る表記に合わせています
  • 13位の樋口諒選手の記録(Arkansas Twilight・5月8日・米国フェイエットビル)も主催者リザルトを取得できていません。大会名はWorld Athleticsの選手ページ、所属は5月30日のMDC GP公式リザルトの表記によります
  • 1500mは風速の測定対象種目ではないため、列を設けていません
  • 次回の更新時期は未定です。更新するときは、タイトルと本文に新しい集計基準日を明記します

今季のトップ2 — 飯澤千翔と森凪也

今季の日本最高は、5月30日に世田谷区立大蔵運動公園陸上競技場で行われた日本グランプリシリーズ MDC GPで出ました。主催者の公式リザルトによれば、男子1500mはタイムレース2組制で、その2組を飯澤千翔選手が3分35秒90で制しています。2着は森凪也選手(Honda)の3分36秒53、日本人の3番手は本田桜二郎選手(早稲田大)の3分37秒72でした。1本のレースで今季の1位と2位が同時に出た形です。

飯澤千翔の3分35秒90は、日本記録まで0秒48

河村一輝選手(トーエネック)が2021年に出した日本記録3分35秒42との差は0秒48。日本陸連の日本記録一覧(2026年9月14日現在)の数字です。

日本陸連の選手プロフィールに載っている飯澤選手の年次ベストを並べると、ここ4シーズンの伸び方がわかります。

年1500mの年次ベスト
2023年3:42.83
2024年3:35.62
2025年3:36.81
2026年3:35.90

2024年の3分35秒62が自己ベストで、日本陸連は「2024年6月・東海大学長距離競技会」でのものと記載しています。つまり飯澤選手は3シーズン続けて3分36秒台以内で走り続けており、2026年の3分35秒90は自己ベストに0秒28まで近い数字です。

日本陸連のプロフィールに載る2026年の主要大会成績は、セイコーGGP東京1位、MDC1位、日本選手権1位。掲載されている3大会をすべて勝っています。日本選手権は2024年から3年続けての優勝です。神奈川県出身で、伊勢原中から山梨学院高、東海大学を経て住友電工に進んだ経歴もプロフィールに記載されています。

森凪也は5000mが本命。3分36秒53は日本歴代3位

森選手は1999年7月3日生まれ、福岡大附大濠高から中央大を経てHonda所属。日本陸連のプロフィールによれば自己ベストは5000mの13分14秒18(2026年5月・ゴールデンゲームズinのべおか)で、日本選手権5000mは2024年・2025年と2位が続いたあと、2026年に初優勝しています。

その5000mの選手が5月30日に出した3分36秒53は、World Athleticsの日本人オールタイムリストで日本歴代3位に相当します。1500mを主戦場にしていない選手が、いきなり歴代3位に入ったことになります。

派遣設定記録3分36秒53に到達したのは、この2人だけ

日本陸連が公表した愛知・名古屋2026アジア競技大会の派遣設定記録は、男子1500mが3分36秒53でした。TOP30でこの数字に到達したのは2人だけです。

選手記録設定記録との差
飯澤 千翔(住友電工)3:35.90−0.63
森 凪也(Honda)3:36.53ちょうど

森選手の3分36秒53は、派遣設定記録とぴたりと同じ数字です。そしてこの2人が、そのままアジア大会の男子1500m日本代表になりました。日本陸連のアジア大会特設サイトの日本代表一覧で確認できます。

3位の本田桜二郎選手の3分37秒53は設定記録に1秒00届かず、ここから下は差が開きます。2026年の男子1500mは、代表ラインが上位2人で切れた年でした。

日本選手権の予選2組が、今季ランキングの30%を作った

TOP30のうち9行が、2026年6月12日に行われた第110回日本選手権(パロマ瑞穂スタジアム・名古屋)の男子1500m予選2組で出た記録です。1本のレースが、ランキングの30%を占めています。

日本陸連のライブ結果による予選2組の上位8着は次の通りです。

TRACK HUB RESULTS

第110回日本陸上競技選手権大会 男子1500m 予選2組

2026-06-12 パロマ瑞穂スタジアム(名古屋)

男子1500m 予選2組

順位選手所属記録
1本田 桜二郎早稲田大3:37.53
2森田 佳祐SUBARU3:37.62
3中川 拓海順天堂大3:37.76
4中野 倫希トーエネック3:37.92
5塩原 匠富士山GX3:37.97
6寺田 向希中央大3:38.02
7佐藤 圭汰NIKE3:38.30
8山田 俊輝スズキ3:40.62

翌13日の決勝はこうなりました。

TRACK HUB RESULTS

第110回日本陸上競技選手権大会 男子1500m 決勝

2026-06-13 パロマ瑞穂スタジアム(名古屋)

男子1500m 決勝

順位選手所属記録
1飯澤 千翔住友電工3:40.11
2本田 桜二郎早稲田大3:40.49
3兵藤 ジュダHonda3:40.51
4中野 倫希トーエネック3:40.52
5中川 拓海順天堂大3:40.92
6後田 築順天堂大3:41.62
7森田 佳祐SUBARU3:41.65
8大場 崇義城西大3:42.31

決勝の優勝タイムより速い記録が、予選2組で7本

決勝の優勝タイムは3分40秒11。予選2組では1着から7着までの7人がこれより速く走っており、7着の佐藤圭汰選手の3分38秒30ですら、決勝の優勝タイムを1秒81上回っていました。

日本陸連のライブ結果は、決勝出場者の「前ラウンドの記録」も持っています。決勝を走った12人について予選と決勝を並べると、差はさらにはっきりします。

決勝順位選手予選の記録決勝の記録差
1飯澤 千翔3:41.483:40.11−1.37
2本田 桜二郎3:37.533:40.49+2.96
3兵藤 ジュダ3:41.583:40.51−1.07
4中野 倫希3:37.923:40.52+2.60
5中川 拓海3:37.763:40.92+3.16
6後田 築3:42.433:41.62−0.81
7森田 佳祐3:37.623:41.65+4.03
8大場 崇義3:41.653:42.31+0.66
9寺田 向希3:38.023:43.17+5.15
10塩原 匠3:37.973:46.58+8.61
11樋口 諒3:42.133:48.17+6.04
12青木 龍翔3:42.193:50.95+8.76

予選より決勝で速く走ったのは12人中3人(飯澤・兵藤・後田)で、3人とも予選1組の出身です。決勝に進んだ予選2組の6人は、全員が決勝でタイムを落としました。落ち幅は最小の中野選手でも2秒60、最大の塩原選手は8秒61です。

日本陸連が公開した優勝コメントで、飯澤選手は決勝の狙いを「桜二郎くん(本田、早稲田大)が(レースを)動かすところを、ビタビタにくっついて、ラストで差す」という1点だったと説明しています。予選は思ったように脚の回転が出せず、コーチの荒井七海さん(Honda)から「バーンと加速して引き離したら、その動きを維持しろ。回転数を落とすな」という指示を受け、決勝はその通りに走ったとのこと。決勝がタイムではなく対人のプランで組み立てられていたことがわかる一次資料です。

日本陸上競技連盟@jaaf_official

// 【#日本選手権】 📸男子1500m予選2組✨ \\ 1着 #飯澤千翔(住友電工) 3分48秒71 Q 2着 #高橋佑輔(山陽特殊製鋼) 3分49秒03 Q 3着 #荒井七海(Honda) 3分49秒04 Q ✅速報はこちら ══════════════════ ✨当日券販売中✨…

上の投稿は、日本陸連公式が2025年・第109回日本選手権の男子1500m予選2組を伝えたものです。このときの予選2組は1着が3分48秒71で、2026年の予選2組(1着3分37秒53)とはまったく違う流れでした。同じ「予選2組」でも、その年のメンバーとペース次第で11秒も変わるのが1500mです。なお2026年大会の写真つき公式投稿は一次確認できなかったため、1位の選手が写っている直近の公式投稿として掲載しています。

予選2組の1〜7着は、全員が日本歴代30傑

World Athleticsの日本人オールタイム・トップリスト(屋外・1人1記録)と突き合わせると、予選2組の上位7人は全員が日本歴代30位以内に自己ベストを持つ選手でした。

予選2組の着順選手日本歴代歴代入りの記録と年
1本田 桜二郎11位3:37.53(2026年・この予選2組)
2森田 佳祐9位3:37.36(2022年)
3中川 拓海12位3:37.76(2026年・この予選2組)
4中野 倫希15位3:37.92(2026年・この予選2組)
5塩原 匠16位3:37.97(2026年・この予選2組)
6寺田 向希18位3:38.02(2026年・この予選2組)
7佐藤 圭汰8位3:37.18(2021年・U20日本記録)

つまりこの1本の予選は、日本歴代30傑の記録を5本同時に生んだレースでもありました。1着の本田桜二郎選手は2007年4月6日生まれの19歳で、この日が歴代11位への登場です。

日本歴代30傑のうち9本が、2026年の記録

オールタイムリストの上位12人を並べると、2026年の記録がどの位置に入ったかがわかります。

日本歴代記録選手年月日会場
13:35.42河村 一輝2021年7月17日千歳
23:35.62飯澤 千翔2024年6月8日平塚(東海大)
33:36.53森 凪也2026年5月30日東京(大蔵)
43:36.58荒井 七海2025年7月16日北見
53:36.59三浦 龍司2022年4月9日熊本
63:36.68館澤 亨次2024年6月9日ポートランド(米国)
73:36.69遠藤 日向2022年4月9日熊本
83:37.18佐藤 圭汰2021年7月17日千歳
93:37.36森田 佳祐2022年7月16日千歳
103:37.42小林 史和2004年7月31日ヒュースデン・ゾルダー(ベルギー)
113:37.53本田 桜二郎2026年6月12日名古屋
123:37.76中川 拓海2026年6月12日名古屋

歴代30位のラインは3分38秒69、31位は宮本凪選手の3分38秒86です。この30位までの中に、2026年にマークされた記録が9本あります。内訳は森凪也(3位)、本田桜二郎(11位)、中川拓海(12位)、クレイアーロン竜波(13位)、中野倫希(15位)、塩原匠(16位)、寺田向希(18位)、川口峻太朗(24位)、樋口諒(27位)。このうち5本が、6月12日の予選2組という同じレースで出たものです。

歴代1位の河村一輝選手の3分35秒42と、歴代8位の佐藤圭汰選手の3分37秒18は、どちらも2021年7月17日・千歳での記録です。前者は日本記録、後者は日本陸連のU20日本記録一覧に載る記録で、当時の佐藤選手の所属は洛南高と記載されています。同じ日の同じレースが、シニアとU20の日本記録を同時に更新したことになります。

その佐藤選手はいまNIKE所属で、2026年のTOP30では10位(3分38秒30)。オールタイムリストは1人1記録なので、歴代8位に載る3分37秒18が今も自己ベストのままだと読み取れます。高校時代の記録を5年間更新していない、ということです。

そして日本記録保持者の河村選手は、第110回日本選手権の予選1組にエントリーしながら、公式リザルトの備考が「欠」、つまり出場していません。今季は5月17日のセイコーGGPで6位に入った3分39秒38がベストで、ランキングは17位でした。

記録が生まれたのは9大会・10レース

TOP30の30行を、記録が出たレースごとに整理すると次のようになります(日本選手権は予選と決勝で分けています)。

レース会場日付TOP30の行数
第110回日本選手権 予選2組パロマ瑞穂スタジアム(名古屋)6月12日9
ホクレンDC 第5戦 士別大会士別市陸上競技場7月18日4
セイコーGGP 2026国立競技場(東京)5月17日4
日本GPシリーズ MDC GP世田谷区立大蔵運動公園陸上競技場5月30日3
第21回NITTAIDAI Challenge Games日本体育大学(横浜)4月25日3
第110回日本選手権 決勝パロマ瑞穂スタジアム(名古屋)6月13日2
第60回織田幹雄記念国際広島広域公園陸上競技場4月29日2
ホクレンDC 第4戦 深川大会深川市陸上競技場7月15日1
Larry Ellis Invitationalプリンストン(米国)5月1日1
Arkansas Twilightフェイエットビル(米国)5月8日1

大会の数で数えれば9大会。月別では4月が5行、5月が9行、6月が11行、7月が5行で、8月以降はゼロです。

秋の全国大会はランキングを動かしていない

TOP30でいちばん新しい記録は、7月18日のホクレンDC士別大会のものです。秋の2つの全国大会は、いずれも順位表を1行も動かしていません。

  • 天皇賜盃 第95回日本学生陸上競技対校選手権大会の男子1500m決勝(9月5日・日産スタジアム)は、公式リザルトによれば優勝が川口峻太朗選手(順天堂大2年)の3分45秒15。TOP30の30位(3分41秒62)より3秒53遅い記録でした
  • 第74回全日本実業団対抗陸上競技選手権大会(9月11日〜13日・たけびしスタジアム京都)の男子1500mは、9月12日のタイムレース2組を塩原匠選手(富士山GX)が3分41秒20で制しています。30位の記録より速いものの、塩原選手はすでに今季ベスト3分37秒97で8位に入っているため、1人1記録のリストは変わりません

少なくとも2026年の男子1500mは、シーズン後半の全国大会ではなく、春から盛夏の記録会・グランプリで記録が決まったシーズンでした。

ホクレンDCは公式リザルトに通過タイムが載る

ホクレン・ディスタンスチャレンジの公式リザルトPDFには、先頭の通過タイムが記載されています。TOP30に4行を送り込んだ第5戦・士別大会の男子1500mは、400m 58秒761、800m 1分57秒392、1200m 2分56秒432という通過でした。優勝した川口峻太朗選手のフィニッシュが3分38秒46なので、単純に引けば最後の300mはおよそ42秒。前半をやや抑えて後半で押し切る展開だったことがわかります。

第4戦・深川大会は400m 56秒6、800m 1分54秒0、1200m 2分54秒0と、より速い入り。ここで漆畑徳輝選手(トーエネック)が3分38秒98の自己ベストを出しています。ホクレンDCのように通過タイムまで載るリザルトは、レースの組み立てを振り返る材料として貴重です。

なお士別大会の公式リザルトを見ると、上位10人のうち8人に自己新記録(PB)の表示が付いています。ペースメーカー2人が入った設定で、記録を狙う選手が集まる場になっていることがわかります。1500mの練習の組み立てそのものについては、中距離の考え方を整理した800mの練習メニューの記事も参考にしてください。中距離全体の記事は中距離ガイドからたどれます。

所属別では順天堂大が4人で最多

TOP30を所属で数えると、順天堂大が4人(中川拓海・川口峻太朗・森亮太・後田築)で最多です。次いでトーエネックが3人(中野倫希・漆畑徳輝・河村一輝)。城西大、富士山GX、住友電工、Honda、富士通、SGHが各2人で続きます。

学生(大学に所属する選手)は30人中10人。残る19人が実業団・クラブの所属で、1人は所属を確認できていません。所属を確認できた上位10人のうち、学生は3人(本田桜二郎・中川拓海・寺田向希)です。男子800mの今季の勢力図は男子800mランキング2026にまとめています。

アジア大会2026 男子1500m — 金メダルなら40年ぶり

愛知・名古屋2026アジア競技大会の陸上競技は9月23日(水)から29日(火)まで。日本陸連の競技日程ページ(ページ上の表記は「9月24日現在」)によれば、男子1500mは9月26日20時51分に予選、9月28日20時05分に決勝が行われます。大会期間中に日程が改訂されることがあるため、観戦前に公式ページで最新の時刻を確認してください。大会全体の日程や日本代表の顔ぶれはアジア大会2026 陸上競技の観戦ガイドにまとめています。

日本陸連が公開している大会展望の資料には、この種目の歴史が数字で整理されています。

項目内容
アジア大会記録3:36.49 M・シャハウェーン(サウジアラビア)2010年11月23日・広州
日本の金メダル4個(1966・1970・1978・1986年)
日本の銀メダル5個(1951・1954・1958・1974・1982年)
日本の銅メダル6個(1951・1954・1962・1966・1990・1994年)

日本陸連はこの状況を、金メダルなら40年ぶり、メダルそのものでも32年ぶりと表現しています。1966年に金メダルを獲得した澤木啓祐さんは5000mとの2冠でした。

同じ資料によれば、2025年と2026年の持ち記録で比べると、アジアのトップは飯澤選手の3分35秒90。2位が3分36秒01の韓国記録を持つ選手で、3位が森選手の3分36秒53という並びです。上位3人が0秒63の中にひしめいており、記録だけを見れば日本勢に十分な勝機がある構図です。

その3分36秒01という資格記録を持つ韓国代表のLEE JAE UNG選手は、7月15日のホクレンDC深川大会の男子1500mに出場して3分37秒75で優勝しています(公式リザルトの資格記録欄が3:36.01)。7月18日の士別大会にもエントリーしていましたが欠場でした。アジアのライバルが日本の記録会を走っていた、というのも今季の男子1500mらしい風景です。

飯澤選手は2023年のアジア室内選手権、2025年のアジア選手権をいずれも制しており、アジアの主要大会では勝ち慣れた選手です。日本陸連の展望記事によれば、森選手は1500mと5000mの2種目にエントリーし、29日に5000m決勝が控えるタイトな日程になります。中距離のもう1種目、女子800mの日本記録保持者については久保凛選手の選手ページにまとめています。

よくある質問

男子1500mの日本記録は何分ですか

3分35秒42です。河村一輝選手(トーエネック)が2021年7月17日、千歳でのホクレン・ディスタンスチャレンジでマークしました。日本陸連の日本記録一覧(2026年9月14日現在)の記載です。2026年シーズンにこの記録に最も近づいたのは、飯澤千翔選手の3分35秒90(0秒48差)でした。

世界記録とアジア記録はどのくらいですか

セイコーゴールデングランプリ2026の公式リザルトに併記された数字では、世界記録が3分26秒00(ヒシャム・エルゲルージ/モロッコ・1998年)、アジア記録が3分29秒14(ラシド・ラムジ/バーレーン・2006年)です。日本記録3分35秒42との差は、世界記録に対して9秒42になります。

高校生のトップはどのくらいのタイムですか

日本陸連が運営する2026年の全国高等学校リモート陸上競技大会の男子1500mランキングでは、1位が吉田星選手(東海大札幌・3年)の3分46秒65、2位が稲垣翔馴選手(洛南・2年)の3分46秒85でした(いずれも記録の日付は6月)。なおU20日本記録は3分37秒18で、佐藤圭汰選手が洛南高在学中の2021年に出したものです。

日本選手権に出るにはどのくらいの記録が必要ですか

2026年の男子1500mの日本選手権参加標準記録は3分40秒50でした。第60回織田幹雄記念国際陸上競技大会の公式リザルトに記載されています。本記事のTOP30でいえば21位までがこのラインの内側で、22位の3分40秒51とは0秒01差です。

このランキングはいつ更新されますか

次回の更新時期は未定です。更新する際は、記事タイトルの版表記と本文の集計基準日を書き換え、World Athleticsのトップリストと国内主催団体の公式リザルトの照合をやり直します。

まとめ

  • 2026年の男子1500m日本最高は飯澤千翔選手(住友電工)の3分35秒90。日本記録3分35秒42まで0秒48
  • アジア大会の派遣設定記録3分36秒53に到達したのは飯澤選手と森凪也選手(Honda)の2人で、そのまま日本代表になった
  • TOP30の9行は第110回日本選手権の予選2組で出た記録。この1本のレースが日本歴代30傑の記録を5本同時に生み、上位7着は全員が歴代30傑の記録保持者だった
  • 歴代30傑のうち9本が2026年の記録。一方で日本記録保持者の河村一輝選手は日本選手権を欠場し、今季は17位だった
  • TOP30の最新記録は7月18日のホクレンDC士別大会。日本インカレも全日本実業団も順位表を動かしていない
  • アジア大会の男子1500mは9月26日に予選、28日に決勝。金メダルなら40年ぶりになる

1500mは、同じ選手が同じ週に3分37秒台と3分46秒台の両方を出す種目です。予選と決勝、記録狙いのレースと勝負のレース、その使い分けが記録に直結します。だからこそ、自分のレースがどちらの型だったのかを、通過タイムとセットで残しておく価値があります。陸上練習ノートアプリ「TRACK HUB」なら、レースごとの400m・800m・1200mの通過と着順、そのときの調子を1画面に記録できます。今季の自分のベストがどのレース設定で出たのかが見えると、来季どの試合に照準を合わせるかの判断が変わってきます。