走幅跳ランキング2026の女子・日本TOP30を、記録・風速・所属・大会名・会場・日付つきで全30行そろえました。走り幅跳びの今季日本最高は秦澄美鈴(住友電工)の6m44。自身が持つ日本記録6m97には53cm届いておらず、アジア大会の派遣設定記録6m53をクリアした選手は今季まだ1人もいません。順位づけはWorld Athleticsの日本トップリストを基盤にし、全30行を国内の主催団体の公式リザルトで照合しました。

この記事でわかること

  • 2026年の女子走幅跳 日本TOP30(記録・風速・所属・区分・大会・会場・日付の全30行)
  • 1位・秦澄美鈴の6m44が、日本記録・日本歴代・2026年の世界のどこに位置するか
  • 今季のランキングを動かした5つのポイント(6m44という数字の一致/高校生5人/追い風2.0mの壁/19大会への分散/日本インカレ)
  • アジア大会2026の女子走幅跳 日本代表2人と、派遣設定記録6m53の現在地
  • 中学・高校・大学それぞれの「記録の目盛り」と、公式リザルトの読み方

明るい競技場の走幅跳の踏切板と助走路

2026年 女子走幅跳 日本ランキングTOP30

2026年シーズンの女子走幅跳・日本人TOP30です。記録はすべて追い風2.0m以内の公認記録で、1人につき今季ベストの1本だけを載せています。

順選手所属区分記録風速大会(会場)日付
1秦 澄美鈴住友電工社6m440.0第13回木南道孝記念(ヤンマースタジアム長居・大阪)5/10
2髙良 彩花JAL社6m37+1.6第74回兵庫リレーカーニバル(ユニバー記念競技場・神戸)4/19
2橋本 詩音筑波大2年大6m37+1.2第81回静岡県選手権(草薙陸上競技場・静岡)7/11
4北田 莉亜メイスンワーク社6m32+1.6第68回東日本実業団選手権(NDソフトスタジアム山形)5/17
5石原 南菜白鴎大足利高3年高6m31+1.1インターハイ2026(平和堂HATOスタジアム・滋賀)8/1
6近藤 いおん日本大2年大6m29−0.3第110回日本選手権(パロマ瑞穂スタジアム・愛知)6/13
7木村 美海四国大AC社6m27+2.0第74回兵庫リレーカーニバル(ユニバー記念競技場・神戸)4/19
8馬場 彩香埼玉大 大学院1年大6m16+1.5第1回日本大学競技会(日本大学陸上競技場・東京)4/19
9宮本 里乃亜日本体育大3年大6m14+0.22026日本学生個人選手権(レモンガススタジアム平塚・神奈川)4/24
10前西 咲良筑波大3年大6m13−0.12026日本学生個人選手権(レモンガススタジアム平塚・神奈川)4/24
10秋葉 日愛山形大4年大6m13+0.6第79回山形県選手権(NDソフトスタジアム山形)7/11
12恒石 望乃福岡大3年大6m12+1.5第96回九州学生対校選手権(あましんスタジアム・熊本)5/9
13市原 琴乃旭油業NEXT社6m11+1.6第17回山田隆記念(鴻ノ池陸上競技場・奈良)3/21
13山田 きらりSUNPRIDE TC社6m11+1.3第1回日本大学競技会(日本大学陸上競技場・東京)4/19
15中野 瞳KAGOTANI社6m09+1.8ミッケリ(フィンランド)※大会名は未確認7/17
16加藤 優愛山形市立商高3年高6m08+1.1インターハイ2026(平和堂HATOスタジアム・滋賀)8/1
17村上 南帆HCS社6m07+1.8第69回九州実業団選手権(本城陸上競技場・北九州)5/24
18竹内 真弥ミズノ社6m06+1.2第74回兵庫リレーカーニバル(ユニバー記念競技場・神戸)4/19
19山本 渚長谷川体育施設社6m050.02025年度第3回宮崎県記録会(山之口陸上競技場・宮崎)3/20
20松村 琴都筑波大3年大6m04−0.6第110回日本選手権(パロマ瑞穂スタジアム・愛知)6/13
20権瓶 明日夏高清社6m04+0.6第8回富士北麓ワールドトライアル2026(富士山GXスタジアム・山梨)8/9
22松永 理沙ジェニファーAntonio社6m03+1.8第70回関西実業団選手権(たけびしスタジアム京都)5/23
22大西 海優新居浜東高2年高6m03+1.2インターハイ2026(平和堂HATOスタジアム・滋賀)8/1
24菅野 穂乃日本体育大1年大6m02+1.6第105回関東学生対校選手権(カンセキスタジアムとちぎ)5/22
24藤田 紗英福岡大1年大6m02−0.7第79回西日本学生対校選手権(ヤンマースタジアム長居・大阪)6/19
26古賀 穂希香八女工高3年高6m01+0.6全国高校総体 北九州地区予選(クラサスドーム大分)6/21
27小山 春香Haru Sprint KOBE社6m00+0.3第74回兵庫リレーカーニバル(ユニバー記念競技場・神戸)4/19
28明星 光山田商会社5m99+0.4第13回木南道孝記念(ヤンマースタジアム長居・大阪)5/10
28中尾 優花福岡大 大学院1年大5m99+0.6第79回西日本学生対校選手権(ヤンマースタジアム長居・大阪)6/19
30小畑 千愛和歌山北高1年高5m98+0.1インターハイ2026(平和堂HATOスタジアム・滋賀)8/1

区分は「高=高校生/大=大学生(大学院生を含む)/社=実業団・クラブ・陸協などの社会人」。所属は記録を出した日の公式リザルトの表記に、学年は学生大会の公式リザルトに記載された最新の表記に合わせています。日付はすべて2026年です。

このランキングの作り方と、照合に使った公式リザルト

順位の土台にしたのは、World Athleticsの2026年 女子走幅跳 日本トップリスト(屋外・1人1記録)を2026年9月8日に取得したデータです。集計基準日はこの9月8日になります。このリストには各国の連盟を通じて登録された公認記録だけが並ぶので、日本陸連の記録と同じ公認性を保ちながら、大会直後の反映が速いという利点があります。

そのうえで、TOP30の全30行を国内の主催団体の公式リザルトと1行ずつ突き合わせ、氏名の漢字・所属・学年・大会名・記録・風速を確認しました。照合に使ったのは、日本陸連のリザルトPDF(日本選手権/木南道孝記念/兵庫リレーカーニバル/富士北麓ワールドトライアル/日本学生個人/インターハイ)、関東・西日本・九州の各学生陸上競技連盟の速報、兵庫・静岡・山形・宮崎・京都の各陸協、東日本/九州/関西の実業団陸上競技連盟、九州高体連、日本大学の競技会リザルトです。

集計のルールは次のとおりです。

  • 1人1記録。同じ選手の複数の記録は今季ベストの1本だけを載せます
  • 公認記録のみ。日本陸連の競技会規則CR31.17.2により、跳躍方向への平均風速が秒速2mを超える記録は公認されません。+2.0mちょうどは公認され、+2.1m以上が追い風参考になります
  • 順位が同じ場合はWorld Athleticsのリストの並び順(記録が出た日付順)に従いました

裏取りで残した留保は2つです。

  • 15位・中野瞳…7月17日にフィンランドのミッケリで出た記録で、日本の主催団体の公式リザルトが存在しません。氏名・所属(KAGOTANI)・登録陸協・生年は第74回兵庫リレーカーニバルの公式リザルトで確認しましたが、大会名と6m09という記録そのものはWorld Athleticsのリスト以外で確認できていません
  • 20位・権瓶明日夏…所属欄の「高清」は富士北麓ワールドトライアルの公式リザルトの表記そのままです。正式な社名表記は公式資料で確認できなかったため、リザルトの表記を採用しています

なお、この記事にはX(旧Twitter)の投稿を埋め込んでいません。本サイトのランキング記事では1位の選手が写った投稿を本人・所属先公式・日本陸連公式・大会主催者公式のいずれかから探して埋め込む方針ですが、1位・秦澄美鈴についても、順位を下げて2位・髙良彩花についても、2026年シーズンの該当投稿を一次確認できませんでした。確認できないものは貼らない、という方針にしたがって省略しています。

1位・秦澄美鈴の6m44は、どんな記録なのか

今季の日本最高は、5月10日の第13回木南道孝記念陸上競技大会(ヤンマースタジアム長居)で秦澄美鈴(住友電工)がマークした6m44(0.0)です。公式リザルトによると、秦は1回目6m14、3回目6m38、4回目6m41と1本ずつ伸ばし、5回目に6m44(0.0)を跳んで優勝しました(2回目と6回目は無効試技)。2位は6m17の髙良彩花(JAL)でした。

秦は6月の第110回日本選手権も6m39(+0.5)で制しています。日本陸連が公開した試合後のコメントで、秦は「ここまでの調子はすごく良くて、行けるという感じはあったのだが、『ここで跳びたい!』と思えば思うほど、へんにのめり込んでしまい、バランスを崩して思うような結果を残せなかった」と振り返り、そのうえで「暑いコンディションだったり、風が難しかったりするなかでも、とにかく勝ちきれたということは、一つ、ギリ評価していいところかなと思う」と話しました。取り組みのテーマについては「ここ数年は、『助走をしっかり走る』ことをテーマに取り組んできている」と説明しています。

この6m44を4つのものさしに当てはめると、位置がはっきりします。

  • 日本記録6m97まで53cm。この日本記録は秦自身が2023年7月14日のアジア選手権(バンコク)で出したもので、出典は日本陸連の日本記録一覧・女子(2026年8月27日現在)です
  • 日本歴代の6人には1人も届いていない。後述のWorld Athletics日本人オールタイム・トップリストに載る6人は6m59〜6m97で、6m44はその全員の記録より下の数字です
  • アジア大会の派遣設定記録6m53に9cm届いていない。今季この記録をクリアした日本選手はまだいません
  • 2026年の世界では163位タイ。World Athleticsの2026年 世界トップリストで6m44には7人が並びます

跳躍そのものの組み立てに興味がある方は、走り幅跳びの助走の合わせ方で歩数と距離の決め方を解説していますので、こちらもあわせてどうぞ。

今季の女子走幅跳日本ランキング、ここが動いた5つのポイント

TOP30の30行を並べ直すと、数字だけを見ていては気づきにくい傾向が出てきます。

6m44という数字は、日本高校記録・U20・U18日本記録と同じ

今季の日本最高6m44は、実は日本高校記録・U20日本記録・U18日本記録とまったく同じ数字です。インターハイ2026の公式リザルトの記録欄には、日本高校記録(NHR)として6m44が中野瞳(兵庫・長田高/2007年)と髙良彩花(兵庫・園田学園高/2018年)の2人併記で載っており、日本陸連のU20日本記録一覧・U18日本記録一覧でも同じ6m44が同じ2人の名前で並んでいます。

面白いのは、その2人がどちらも今季のTOP30にいることです。2018年に6m44を跳んだ髙良彩花(JAL)は今季2位の6m37。2007年に兵庫県高校の舞台で6m44を跳んだ中野瞳(KAGOTANI)は、19年後の今季も6m09で15位に入っています。

TOP30の高校生5人|うち4人がインターハイ発

区分の内訳は、高校生5人・大学生11人・社会人14人です。高校生5人のうち4人が、インターハイ2026(8月1日・平和堂HATOスタジアム)の決勝で今季ベストを出しました。

TRACK HUB RESULTS

令和8年度全国高等学校総合体育大会 秩父宮賜杯第79回全国高等学校陸上競技対校選手権大会 女子走幅跳 決勝

2026-08-01 平和堂HATOスタジアム(滋賀)

女子走幅跳 決勝

順位選手所属記録備考
1石原 南菜(3)白鴎大足利(栃木)6m31+1.1
2加藤 優愛(3)山形市立商(山形)6m08+1.1
3大西 海優(2)新居浜東(愛媛)6m03+1.2
4小畑 千愛(1)和歌山北(和歌山)5m98+0.1
5松川 そら(3)那覇国際(沖縄)5m92+1.0
6瀬戸山 萌花(3)津西(三重)5m91+0.2
7吉岡 夢野(2)鳴門渦潮(徳島)5m87+0.3
8西山 春歩(2)四学香川西(香川)5m87+0.1

優勝した石原南菜(白鴎大足利3年)の6m31は、今季の日本ランキングで5位にあたります。3位の大西海優は2年生、4位の小畑千愛は1年生で、インターハイの表彰台とその次の順位までが、そのまま日本のTOP30に入ってくる構図です。5人目の高校生は26位の古賀穂希香(八女工3年)で、6月21日の全国高校総体・北九州地区予選(クラサスドーム大分)で6m01を跳んでいます。なおインターハイ本大会の女子走幅跳では、古賀の名前は欠場(DNS)として記載されています。

同じ日に集計した男子走幅跳ランキング2026ではTOP30の高校生は1人だけで、しかもインターハイで今季ベストを出した選手はいませんでした。女子の高校生層の厚さは、この記事の数字のなかでもはっきりした特徴です。

夏の陸上競技場の砂場と、ならすためのトンボ

追い風2.0mの壁|今季は「消えた6m台」がいくつもある

追い風が秒速2.0mを超えると記録は公認されません。今季の女子走幅跳では、この線を挟んで扱いが変わった跳躍がいくつも出ています。

  • 1位・秦澄美鈴…5月23日の第70回関西実業団選手権(たけびしスタジアム京都)では**6m54(+4.6)**で優勝しています。この記録が公認だったならアジア大会の派遣設定記録6m53を超えていましたが、風速が基準を超えているため記録としては残りません
  • 22位・松永理沙ジェニファー…同じ関西実業団選手権で6m19(+2.5)を跳んで2位に入りましたが、ランキングに残ったのは6回目の**6m03(+1.8)**です
  • 24位・菅野穂乃…5月22日の第105回関東学生対校選手権では6m05(+2.5)で4位。公認されたのは5回目の**6m02(+1.6)**でした
  • 7位・木村美海…4月19日の兵庫リレーカーニバルで6m27(+2.0)。ちょうど基準の風速で、あと0.1m強く吹いていたら消えていた記録です

TOP30のなかで風速がちょうど+2.0mだったのは木村の1行だけ。逆に向かい風や無風で跳ばれた記録は6行あります(1位・秦の0.0、6位・近藤いおんの−0.3、10位・前西咲良の−0.1、19位・山本渚の0.0、20位・松村琴都の−0.6、24位・藤田紗英の−0.7)。条件の差はそのまま「記録の重み」の差になります。

記録は19の大会に散らばった|最多は兵庫リレーカーニバルとインターハイの各4人

TOP30の30人が今季ベストを出した舞台は、19の大会に分かれています。

大会(会場)TOP30入りした人数該当する順位
第74回兵庫リレーカーニバル(ユニバー記念競技場)4人2・7・18・27位
インターハイ2026(平和堂HATOスタジアム)4人5・16・22・30位
第13回木南道孝記念(ヤンマースタジアム長居)2人1・28位
第110回日本選手権(パロマ瑞穂スタジアム)2人6・20位
第1回日本大学競技会(日本大学陸上競技場)2人8・13位
2026日本学生個人選手権(レモンガススタジアム平塚)2人9・10位
第79回西日本学生対校選手権(ヤンマースタジアム長居)2人24・28位
その他12大会各1人—

最多は4月19日の兵庫リレーカーニバル(日本グランプリシリーズ神戸大会)と、8月1日のインターハイで、それぞれ4人。シーズン序盤の招待大会と、夏の高校日本一決定戦という性格の異なる2つの大会が並ぶのが、女子走幅跳の今季の姿です。

なお男子走幅跳では日本選手権の決勝から今季ベストが1つも生まれていませんでしたが、女子は6位・近藤いおん(6m29)と20位・松村琴都(6m04)の2人が日本選手権で今季ベストを出しています。この日の決勝は、入賞した8人のうち5人が向かい風での跳躍でした。

集計後の日本インカレ|TOP30は1行も動かない

このランキングの集計基準日は9月8日ですが、9月6日に日産スタジアムで行われた第95回日本学生対校選手権(日本インカレ)の記録は、9月8日時点のトップリストにまだ反映されていません。ただし今回は、反映されても順位が変わりません。

TRACK HUB RESULTS

天皇賜盃 第95回日本学生陸上競技対校選手権大会 女子走幅跳 決勝

2026-09-06 日産スタジアム(神奈川)

女子走幅跳 決勝

順位選手所属記録備考
1近藤 いおん(2)日本大6m28+1.1
2秋葉 日愛(4)山形大6m11+2.7=追い風参考
3馬場 彩香(M1)埼玉大6m08+1.2
4宮本 里乃亜(3)日本体育大6m06+1.3
5橋本 詩音(2)筑波大6m00+1.0
6中尾 優花(M1)福岡大5m95+1.4
7松村 琴都(3)筑波大5m93+0.1
8釣本 陽香(3)横浜国立大5m90+2.9=追い風参考

優勝は近藤いおん(日本大2年)の6m28(+1.1)。ただし近藤の今季ベストは日本選手権の6m29で、1cm届いていません。2位・秋葉日愛の6m11は+2.7で公認外、8位・釣本陽香の5m90も+2.9で公認外。3位以下の入賞者もそれぞれの今季ベストには届かず、この決勝はTOP30を1行も動かしません。ちなみにこの大会の女子走幅跳の参加標準記録はA5m95・B5m85で、8位の5m90はB標準を上回る記録です。学生日本一を決める舞台を経ても、9月8日時点のTOP30の並びはそのままということになります。

アジア大会2026の日本代表2人と、派遣設定記録6m53

愛知・名古屋2026アジア競技大会の陸上競技は、2026年9月23日から29日まで、日本選手権と同じパロマ瑞穂スタジアム(愛知)で行われます。日本陸連が公開した日本代表選手一覧(2026年8月31日現在)によると、女子走幅跳の日本代表は秦澄美鈴(住友電工)と髙良彩花(JAL)の2人です。

一方、この大会の女子走幅跳の派遣設定記録は6m53。日本陸連の派遣設定記録の資料には「派遣設定記録は、世界選手権派遣水準を基に設定した」と注記されています。今季この6m53をクリアした日本選手はまだ1人もいません。TOP30の1位・秦の6m44が最も近い記録で、差は9cmです。

同じ日に集計した男子走幅跳では、派遣設定記録7m93を6人がクリアしたうえで代表は2人でした。女子はクリア者ゼロで代表2人。設定記録は代表選考の材料のひとつで、それ自体が選出・非選出を決めるわけではないことが、男女の対比からもわかります。大会全体の日程と日本代表の顔ぶれはアジア大会2026陸上の日程×日本代表ガイドにまとめています。

走幅跳の日本歴代と、2026年の世界トップ7

World Athleticsの日本人オールタイム・トップリスト(1人1記録)に掲載されている女子走幅跳の日本選手は、次の6人です。このリストは一定の記録以上しか収載しないため、7位以下は表そのものに存在しません。

順記録風速選手場所年
16m97+0.5秦 澄美鈴バンコク(タイ)2023
26m86+1.6井村 久美子大阪2006
36m84+1.2甲斐 好美鴻巣(埼玉)2015
46m82+1.6花岡 麻帆東京2001
56m65+1.4桝見 咲智子広島2009
66m59−0.3岡山 沙英子東京2013

6人のうち今季のTOP30に名前があるのは、1位の秦澄美鈴だけです。6m59から6m97まで並ぶこの表に対し、今季の日本最高は6m44。歴代の6人全員より下という位置にあります。

世界に目を移すと、2026年の世界トップリスト(1人1記録)の上位7人はこうなります。

順記録風速選手(国)場所日付
17m20+1.2タラ・デービス・ウッドホール(アメリカ)ロサンゼルス(アメリカ)6/14
27m12+1.8ラリッサ・イアピケーノ(イタリア)ユージン(アメリカ)7/4
37m09−0.2アリッサ・ジョーンズ(アメリカ)フェイエットビル(アメリカ)5/28
47m07+1.4アレクシス・ブラウン(アメリカ)ゲインズビル(アメリカ)4/17
57m05+1.2マライカ・ミハンボ(ドイツ)ロンドン(イギリス)7/18
67m00+1.7アガテ・デソウザ(ポルトガル)バーミンガム(イギリス)8/15
76m98+0.9イラリー・クパチャ(フランス)アルビ(フランス)7/24

2026年の世界リストは8位が6m96、10位が6m94です。秦の日本記録6m97ならこの表の7位と8位の間、つまり世界8位相当にあたりますが、今季の6m44は世界163位タイ。日本記録と今季の日本最高の間にある53cmの差が、そのまま世界での位置づけの差になっています。なお、走幅跳の女子世界記録は7m52です。World Athleticsの走幅跳の種目ページでは、1988年にガリナ・チスチャコワがレニングラードでこの記録を跳んだと説明されています。第110回日本選手権のリザルトにも、世界記録として同じ数字と名前が記載されています。

女子走幅跳の記録の目盛り|中学・高校・大学の基準

「自分の記録がどのくらいなのか」を測るために、公式に確認できる目盛りを1つの表にまとめました。すべて公式リザルトまたは日本陸連の記録一覧で確認した数値です。

区分記録選手(所属)年出典
日本記録6m97秦 澄美鈴(シバタ工業=記録樹立時の所属。現在は住友電工)2023日本陸連 日本記録一覧・女子(2026年8月27日現在)
日本学生記録6m78池田 久美子(福島大)2001日本インカレ2026 公式速報の記録欄
U20日本記録/U18日本記録/日本高校記録6m44中野 瞳(長田高)/髙良 彩花(園田学園高)2007/2018日本陸連 U20・U18日本記録一覧、インターハイ2026 公式リザルトの記録欄
日本中学記録6m20藤山 有希(足柄台中・神奈川)2016全中2026 公式リザルトの記録欄(JH)
インターハイ2026 優勝6m31(+1.1)石原 南菜(白鴎大足利・栃木)2026インターハイ2026 公式リザルト
インターハイ2026 8位5m87(+0.1)西山 春歩(四学香川西・香川)2026インターハイ2026 公式リザルト
全中2026 優勝5m75(+0.7)竹部 颯華(三朝中・鳥取)2026全中2026 公式リザルト
全中2026 8位5m47(+0.4)柴田 叶実(厚真スロー・北海道)2026全中2026 公式リザルト
日本インカレ2026 参加標準A5m95—2026日本インカレ2026 公式速報の記録欄
日本インカレ2026 参加標準B5m85—2026日本インカレ2026 公式速報の記録欄
アジア大会2026 派遣設定記録6m53—2026日本陸連 派遣設定記録

年代別の記録と全国大会の入賞ライン

中学生の全国レベルは、全日本中学校選手権2026の決勝で優勝5m75・8位5m47。高校生になると、インターハイ2026で優勝6m31・8位5m87と、8位のラインが中学の優勝記録を上回ります。大学生の全国大会(日本インカレ)に出るための参加標準記録はA5m95・B5m85で、インターハイの入賞ラインとほぼ同じ水準です。

全中2026の女子走幅跳の記録欄には、大会記録として「6m12 池田久美子(山形・酒田三中)1995」が載っています。31年前に中学生が跳んだ6m12は、今季の日本ランキングに当てはめると12位タイに相当する記録です。

風速と公認記録のルール

走幅跳の風速は、跳んだ瞬間の風ではありません。日本陸連の競技規則 第3部 フィールド競技(TR29.10〜29.12)では、風向風速計を踏切線から20mの地点・高さ1m220に置き、踏切線から40mの地点のマークを競技者が通過した時から5秒間を計測すると定められています。つまり表示される数値は助走後半5秒間の平均です。記録は1cm未満を切り捨てて0.01m単位で表示され(TR29.8)、計測は砂に残った痕跡のうち踏切線に最も近い箇所から踏切線までを直角に測ります(TR29.9)。跳躍・投てきを含むフィールド種目全体の練習の考え方はフィールド種目ガイドにまとめてあります。

よくある質問

公式リザルトの略号は何を意味していますか

跳躍種目のリザルトは、見出し部分に「その大会時点の各記録」、選手の行に「試技ごとの記録と風速」、いちばん右に「その選手の記録とコメント欄」が並びます。コメント欄や記録欄によく出てくる略号は、NR=日本記録、JR/NJR/NU20R=U20日本記録(大会によって表記が違います)、NU18R=U18日本記録、NHR=日本高校記録、UR=日本学生記録、JH=日本中学記録、GR/CR=大会記録、ICA=日本インカレ参加標準記録A、SB=シーズンベスト、PB=自己ベスト、DNS=欠場、NM=記録なし、×=無効試技です。試技欄の「−」は跳ばずにパスしたことを示します。

追い風参考記録はランキングに載らないのですか

載りません。日本陸連の競技会規則CR31.17.2により、跳躍方向への平均風速が秒速2mを超える記録は公認されないためです。ただし試合の順位は参考記録も含めて決まるので、「順位を決めた記録」と「ランキングに残る記録」が食い違うことがあります。今季でいえば、関西実業団選手権で6m19(+2.5)を跳んで2位に入った松永理沙ジェニファーがその例で、ランキングには同じ試合の6m03(+1.8)が載っています。

高校生でもTOP30に入れるのですか

今季は入っています。TOP30の30人のうち5人が高校生で、うち4人はインターハイ2026の決勝で今季ベストを出しました。最上位は5位の石原南菜(白鴎大足利3年)の6m31です。1年生の小畑千愛(和歌山北)も5m98で30位に入っており、6m00前後が「全国のTOP30が見えてくるライン」の目安になります。

このランキングはいつ更新されますか

この記事は同じURLのまま、編集部が更新時期を判断して中身を更新します(更新のたびに集計基準日を記事冒頭に記載します)。次回の更新で反映する予定なのは、9月6日の日本インカレ、9月11〜13日の第74回全日本実業団対抗選手権(たけびしスタジアム京都)、そして9月23〜29日のアジア大会2026です。秦澄美鈴・髙良彩花の2人が地元でどんな記録を出すかで、TOP30の上位は大きく変わる可能性があります。次回からは前月からの変動も載せます。

まとめ

  • 2026年の女子走幅跳・日本最高は秦澄美鈴(住友電工)の6m44(0.0/5月10日・木南道孝記念)。自身が持つ日本記録6m97までは53cmあり、2026年の世界では163位タイ
  • 今季の6m44は、日本高校記録・U20日本記録・U18日本記録と同じ数字。その記録を持つ髙良彩花と中野瞳は、今季も2位と15位でTOP30に入っている
  • TOP30の高校生は5人で、うち4人がインターハイ2026発。男子(高校生1人・インターハイ発ゼロ)と対照的で、下の世代が厚い
  • アジア大会2026の派遣設定記録6m53を今季クリアした日本選手はゼロ。代表は秦澄美鈴・髙良彩花の2人で、9月23〜29日にパロマ瑞穂スタジアムで跳ぶ

この30行を眺めていると、6m00前後にどれだけ多くの選手がひしめいているかがわかります。26位から30位までの5人はわずか3cmのなかにいて、1本の跳躍で順位が入れ替わる世界です。陸上練習ノートアプリ「TRACK HUB」なら、練習と試合の記録を風速つきで残せるので、「どの条件でどこまで跳べたか」を積み上げて自分の現在地を確かめられます。短距離側の日本ランキングは女子100mランキング2026にまとめているので、あわせてご覧ください。