陸上女子100mの2026年日本ランキングを、TOP30まで表にまとめました。今季の日本最高は御家瀬緑(住友電工)の11秒33(6月12日・第110回日本選手権の準決勝)。11秒68以内に31人が並ぶ、層の厚いシーズンになっています。この記事では順位・記録・風速・所属に加えて、どの大会で出た記録なのかを全行に載せました。公式リザルトで1行ずつ突き合わせた、風速つきのランキングです(集計基準日9月6日。9月5日開幕の日本インカレは次回更新で反映)。男子は男子100mランキング2026にまとめています。

この記事でわかること

  • 2026年シーズンの女子100m日本ランキングTOP30(記録・風速・所属・大会・日付つき)
  • 今季どの大会で速いタイムが出ているのか(大会別の記録産出マップ)
  • 追い風ちょうど+2.0で公認された記録と、向かい風で出たTOP30入りの記録
  • 日本記録11秒21(福島千里)が16年破られていないこと、日本歴代10傑(12位タイまで13人)
  • 高校生5人がTOP30に入った今季の10代事情

2026年 女子100m 日本ランキングTOP30

赤茶色のトラックとレーンラインが並ぶ陸上競技場

集計基準日は2026年9月6日です。同記録は同順位とし、TOP30は29位まで(同記録により31人)を掲載しています。区分は「高=高校生/大=大学生/社=実業団・クラブ・陸協など」を表します。

順位記録風速選手名所属区分大会会場日付
111.33+0.6御家瀬 緑住友電工社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
211.37+0.5井戸 アビゲイル風果東邦銀行社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
311.38+0.7君嶋 愛梨沙土木管理総合社Athlete Night Games in FUKUI 2026福井県営陸上競技場8/15
411.40+1.3三浦 愛華愛媛競技力本部社第8回富士北麓ワールドトライアル富士山GXスタジアム(山梨)8/9
511.42+1.5青木 益未七十七銀行社第68回東日本実業団選手権NDソフトスタジアム山形5/16
611.44+0.7山形 愛羽福岡大大オルドス2026 U23アジア選手権オルドス(中国)7/9
711.47+1.5三浦 由奈セレスポ社第68回東日本実業団選手権NDソフトスタジアム山形5/16
711.47+1.7吉永 優衣長崎日本大学高第79回全国高校総体平和堂HATOスタジアム(滋賀)7/31
911.48+0.5壹岐 あいこ大阪ガス社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
1011.49+1.3青野 朱李NDソフト社第79回山形県選手権NDソフトスタジアム山形7/11
1111.50+0.6小針 陽葉駿河台大大第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
1211.52+0.6前田 さくら福岡大大第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
1311.53+1.5宮﨑 亜美香ジーケーライン社第68回東日本実業団選手権NDソフトスタジアム山形5/16
1311.53+0.6奥野 由萌スズキ社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
1511.58+0.6永石 小雪立命館大大第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
1511.58+0.7加藤 結衣龍谷大平安高第79回全国高校総体平和堂HATOスタジアム(滋賀)8/1
1711.59+2.0藏重 みう甲南大大吉岡隆徳記念第80回出雲陸上浜山公園(島根)4/12
1711.59+0.6佐藤 葵唯青学大大第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
1911.60+0.7小宮 璃音秋草学園高第79回全国高校総体平和堂HATOスタジアム(滋賀)8/1
2011.61-0.2山中 日菜美FAAS社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
2111.62+0.3世古 和NAC社THE GAME in OSAKAヤンマースタジアム長居(大阪)7/12
2211.63+1.2石堂 陽奈青森競技力本部社第70回関西実業団選手権たけびしスタジアム京都5/24
2311.64+1.8前田 美結子福岡大大第81回九州選手権山之口陸上競技場(宮崎)8/22
2311.64+1.8柴藤 凜福岡大大第81回九州選手権山之口陸上競技場(宮崎)8/22
2511.66+1.1薬師寺 愛葉京都光華高—平和堂HATOスタジアム(滋賀)6/19
2611.67-1.3本田 怜水戸信用金庫社第68回東日本実業団選手権NDソフトスタジアム山形5/16
2611.67+1.1石川 優北野建設社第70回関西実業団選手権たけびしスタジアム京都5/24
2611.67+1.2岡根 和奏ANAシステムズ社第8回富士北麓ワールドトライアル富士山GXスタジアム(山梨)8/9
2911.68+1.2佐藤 瑠歩大松運輸社第70回関西実業団選手権たけびしスタジアム京都5/24
2911.68-0.1鶴田 玲美南九州ファミリーマート社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
2911.68+0.7遠山 あん伊奈学園総合高第79回全国高校総体平和堂HATOスタジアム(滋賀)7/31

このランキングの作り方(出典と集計ルール)

順位づけのもとにしたのは、**World Athletics(世界陸連)の2026年アウトドア・トップリスト(日本国籍・1人1記録)**です。各国連盟が公認した記録だけが登録され、風速も1件ずつ記録されています。

そのうえで、掲載した31人全員の記録を主催団体の公式リザルトと照合し、氏名の漢字表記・所属・記録・風速を確認しました。国内で出た30件は日本国内の主催団体が出した公式リザルト、国外の1件(6位・山形愛羽のU23アジア選手権)は同大会の公式記録によるものです。使ったのは日本陸連の第110回日本選手権 公式結果、日本グランプリシリーズ各大会の公式リザルトPDF、東日本・関西実業団陸上競技連盟、山形・滋賀・宮崎の各県陸協、九州陸上競技協会、全国高校総体の公式速報などです。もとになったランキングはWorld Athleticsの2026年 女子100m 日本トップリストで確認できます。

集計ルールは次の3点です。

  1. 追い風2.0m/sを超えた記録は含めない(競技規則で参考記録扱いとなるため。ちょうど+2.0は公認)
  2. 1人につき今季最高記録の1本だけを採用する
  3. 予選・準決勝・決勝を区別しない(ラウンドに関係なく、公認された最高記録を採る)

SNSの埋め込みは、1位・御家瀬緑の本人Instagram投稿と、上位選手で本人Xアカウントと今季の投稿を確認できた4位・三浦愛華の投稿の2件です(御家瀬はX未開設、2位・井戸は本人Xを確認できず、3位・君嶋はアカウントはあるものの今季の投稿を確認できませんでした)。

なお1件だけ、大会名を空欄にしています(25位・薬師寺愛葉/6月19日・平和堂HATOスタジアム)。記録・風速・日付はWorld Athleticsの公認トップリストに掲載された公認記録です。2026年の近畿高校総体は6月に同スタジアムで行われており条件は合致しますが、主催団体の公式リザルトで本人の行まで確認できなかったため、大会名の確定表記だけを避けました。裏が取れ次第、次回更新で補います。

**この記事が扱うのは100m(平地)です。**100mハードルは別種目で、今季は日本記録が2度動きました。8月9日の富士北麓ワールドトライアルで中島ひとみ(長谷川体育施設)が12秒62、同じレースで青木益未(七十七銀行/このランキングの5位)が12秒68と、2人そろって当時の日本記録を上回り、記録は中島のものに。中島はさらに8月15日のAthlete Night Games in FUKUI 2026で12秒60まで更新しています。検索するときは混同しないよう注意してください。

今季の女子100m、ここが動いたポイント

御家瀬緑が11秒33。日本選手権の準決勝が今季最速

今季のトップに立ったのは御家瀬緑(住友電工)です。6月12日、愛知・パロマ瑞穂スタジアムで行われた第110回日本選手権の準決勝1組で、追い風0.6mの条件で11秒33をマークしました。翌日の決勝は向かい風0.1mのなかで行われ、御家瀬は11秒50で2位。今季の日本最高は準決勝の記録として残りました。この11秒33は、御家瀬が2025年8月に福井で出した自己ベストと同タイムで、2季続けて同じ水準で走っていることになります。

御家瀬本人は日本選手権を終えた6月15日、Instagramに大会の記念写真を投稿しています。

{"url": "https://www.instagram.com/p/DZmoGQ7z2co/", "caption": "御家瀬緑選手の本人Instagram(2026年6月15日)。日本選手権を終えての投稿"}

決勝を制したのは井戸アビゲイル風果(東邦銀行)で11秒44。井戸は準決勝2組で11秒37を出しており、これが今季ランキング2位の記録になっています。日本選手権の女子100mは、決勝より準決勝のほうが速いタイムが並んだというのが今季の特徴でした。

3位は君嶋愛梨沙(土木管理総合)の11秒38。8月15日、Athlete Night Games in FUKUI 2026(日本グランプリシリーズ福井大会。副題はFUKUI 9.98CUP)の女子100m決勝を、追い風0.7mの条件で制したときの記録です。

4位の三浦愛華(愛媛競技力本部)の11秒40も見逃せません。8月9日の第8回富士北麓ワールドトライアル予選で出した自己新で、World Athleticsの日本人オールタイムリストで歴代10位に入る記録です。三浦本人もこの日、Xで喜びを発信しています。

三浦愛華@manaka_140214

今年やっとPB🌟 ありがとうございます!

5位の青木益未(七十七銀行)の11秒42も歴代12位タイに相当します。

TOP30に高校生が5人。男子との違いがはっきり出た

今季の女子ランキングでいちばん目を引くのが、TOP30に高校生が5人入っていることです。

順位選手名所属記録
7位タイ吉永 優衣長崎日本大学11.47
15位タイ加藤 結衣龍谷大平安11.58
19位小宮 璃音秋草学園11.60
25位薬師寺 愛葉京都光華11.66
29位タイ遠山 あん伊奈学園総合11.68

同じ基準(World Athleticsの2026年トップリスト+公式リザルト照合)で集計した男子100m日本ランキングTOP30に入った高校生は1人だけでした。2026年シーズンに限れば、TOP30の高校生は女子5人・男子1人という差がついています。

なかでも吉永優衣(長崎日本大学)は、7月31日の第79回全国高校総体(インターハイ/平和堂HATOスタジアム)の予選で11秒47を記録。翌8月1日の決勝も11秒57で制しています。加藤結衣(龍谷大平安)が11秒58で2位、小宮璃音(秋草学園)が11秒60で3位と、インターハイの表彰台3人がそのままTOP30入りしました。

吉永はさらに、8月5日の女子100mハードル決勝も13秒44(-2.1)で優勝しています。インターハイの100mと100mハードルの2冠という今季屈指の結果でした。

高校世代の大会結果はインターハイ・全中・日本選手権の優勝者をまとめた2026年夏の大会結果でも整理しています。

大学は福岡大が4人。所属別で最多

大学別に見ると、福岡大が4人でTOP30最多です。6位の山形愛羽(11秒44)、12位の前田さくら(11秒52)、23位タイの前田美結子と柴藤凜(ともに11秒64)が名を連ねました。前田美結子と柴藤凜は8月22日の第81回九州陸上競技選手権大会で1位・2位を分け合っています(1位が前田、2位が柴藤、ともに追い風1.8m)。

TOP30の区分内訳は、実業団・クラブ・陸協が18人、大学生が8人、高校生が5人。男子(実業団22人・大学7人・高校1人)と比べると、女子は学生年代の比率が高いという違いが出ています。

記録が出た大会を分解する|10人が日本選手権

31人がどの大会で今季最高記録を出したのかを集計しました。

大会会場時期TOP30入りした人数
第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/1210人
第68回東日本実業団選手権NDソフトスタジアム山形5/164人
第79回全国高校総体(インターハイ)平和堂HATOスタジアム(滋賀)7/31〜8/14人
第70回関西実業団選手権たけびしスタジアム京都5/243人
第8回富士北麓ワールドトライアル富士山GXスタジアム(山梨)8/92人
第81回九州選手権山之口陸上競技場(宮崎)8/222人
Athlete Night Games in FUKUI 2026福井県営陸上競技場8/151人
オルドス2026 U23アジア選手権オルドス(中国)7/91人
第79回山形県選手権NDソフトスタジアム山形7/111人
吉岡隆徳記念第80回出雲陸上浜山公園(島根)4/121人
THE GAME in OSAKAヤンマースタジアム長居(大阪)7/121人
(大会名未確認)平和堂HATOスタジアム(滋賀)6/191人

男子がANG福井に集中したのに対し、女子は第110回日本選手権の10人が最多でした。日本選手権は予選・準決勝・決勝と3ラウンドあり、1人が3本走る機会があります。

海外での記録もひとつ入っています。6位の山形愛羽(福岡大)は7月9日、中国・オルドスで行われたオルドス2026 U23アジア陸上競技選手権大会の女子100m決勝で11秒44(+0.7)をマークし、2位に入りました。今季のTOP30で唯一の国外での記録です。

風速の読み方|+2.0ちょうどはセーフ、向かい風でもTOP30に入れる

ランキングを読むときにいちばん誤解されやすいのが風速です。

陸上競技場の風速計と風になびく吹き流し

競技規則では、追い風が毎秒2.0mを超えた記録は「追い風参考記録」となり、日本記録・公認記録として扱われません。ランキングにも載りません。ここで重要なのは、ちょうど+2.0はセーフだということ。アウトになるのは+2.1からです。

今季の女子100mには、その境界線上の記録が1本あります。17位タイの藏重みう(甲南大)が4月12日、吉岡隆徳記念第80回出雲陸上競技大会で出した11秒59。風速はちょうど**+2.0**でした。もし+2.1だったら、この記録はランキングから消えていたことになります。

逆に、向かい風で出したのにTOP30に入った記録も3本あります。

順位選手名記録風速大会
20位山中 日菜美11.61-0.2第110回日本選手権
26位タイ本田 怜11.67-1.3第68回東日本実業団選手権
29位タイ鶴田 玲美11.68-0.1第110回日本選手権

とくに本田怜(水戸信用金庫)の11秒67は向かい風1.3mでの記録です。100mでは風速1mあたり0秒05前後タイムが変わるとよく言われます(条件によって幅があります)。単純比較はできませんが、追い風の条件で走っていればもっと上の順位だった可能性は十分にあります。

**ランキングは記録の列だけでなく、必ず風速の列とセットで読む。**この記事が全行に風速を入れているのは、そのためです。

なお、記録が公認されるにはもうひとつ条件があります。電気計時(写真判定)で計測されていることです。手動計時の記録は日本記録やこのランキングの対象になりません。中学・高校の記録会では手動計時のこともあるので、自己ベストを比べるときは注意してください。

日本記録11秒21と日本歴代10傑|16年破られていない

日本陸連が公表している日本記録一覧によると、女子100mの日本記録は11秒21・福島千里(北海道ハイテクAC)。2010年4月29日、広島広域で行われた織田幹雄記念でマークしたものです(2026年8月27日現在)。

World Athleticsの日本人オールタイムリストの上位13人(12位タイまで)は次のとおりです。

順位記録風速選手名場所年月日
111.21+1.7福島 千里広島2010.4.29
211.24+1.3兒玉 芽生長良川(岐阜)2022.9.24
311.32+1.9高橋 萌木子鳥取2009.6.7
411.33+1.0御家瀬 緑福井2025.8.16
511.35+0.5井戸 アビゲイル風果国立競技場(東京)2025.7.4
611.36+1.8二瓶 秀子北上2001.7.14
611.36+0.6君嶋 愛梨沙ヤンマースタジアム長居(大阪)2022.6.10
811.39+1.1小島 初佳鳥取2004.6.4
811.39+1.1坂上 香織鳥取2004.6.4
1011.40+1.3三浦 愛華富士北麓2026.8.9
1111.41+1.7山形 愛羽レモンガススタジアム平塚2024.6.15
1211.42+1.7北風 沙織広島2008.4.29
1211.42+1.5青木 益未NDソフトスタジアム山形2026.5.16

今季5位の青木益未(七十七銀行)の11秒42も、この12位タイに入っています。今季生まれた記録で日本人オールタイムリスト入りしたのは、三浦愛華の11秒40(10位)と青木の11秒42(12位タイ)の2本です。

福島千里の11秒21は、2010年から2026年まで16年間更新されていません。歴代2位の兒玉芽生(11秒24)でも0秒03届かず、2020年代に入って御家瀬緑(11秒33/2025年)、井戸アビゲイル風果(11秒35/2025年)が歴代4位・5位に入ってきましたが、11秒2台にはまだ距離があります。

今季の日本最高11秒33と日本記録11秒21の差は0秒12。100mの0秒12はおよそ1mの差にあたります。

男子と比べると「更新頻度の差」が見える

同じ100mでも、男子と女子では日本記録の動き方がまったく違います。

男子100m女子100m
日本記録9秒9511秒21
記録保持者山縣亮太(セイコー)福島千里(北海道ハイテクAC)
樹立年2021年2010年
日本記録の推移10秒00(1998)→9秒98(2017)→9秒97(2019)→9秒95(2021)と3回更新2010年以降 更新なし
今季日本最高との差0秒08(10秒03)0秒12(11秒33)

男子は1998年の伊東浩司の10秒00を、2017年に桐生祥秀が9秒98で塗り替え、2019年にサニブラウン アブデル ハキームが9秒97、2021年に山縣亮太が9秒95まで押し上げました。この10年ほどで3回動いているわけです。一方の女子は2010年から据え置き。この非対称が、女子100mのランキングを読むときの背景になっています。

もっとも、歴代10傑に入る現役4人——4位の御家瀬緑、5位の井戸アビゲイル風果、6位タイの君嶋愛梨沙、10位の三浦愛華——が、そのまま今季のTOP4を占めているのも事実です。しかもうち3人は2025年・2026年に自己ベストを更新しています。記録更新の下地としては悪くありません。

いっぽう、歴代2位の兒玉芽生(11秒24/2022年)は今季のTOP30に名前がありません。World Athleticsの2026年日本トップリストに公認記録が載っていないためで、11秒2台を出した2人のうち1人が今季の争いに加わっていない状態です。男子側の状況は男子100m日本ランキング2026の記事にまとめています。

世界の2026年ランキングと比べると

World Athleticsの2026年トップリスト(全世界)を見ると、女子100mの今季世界最高は10秒63。アダエジャ・ホッジ(イギリス領ヴァージン諸島)が6月11日、アメリカ・ユージーンで出した記録です。2位にはジュリアン・アルフレッド(セントルシア)とメリッサ・ジェファーソン=ウッデン(アメリカ)の10秒70が並びます。世界記録は1988年7月16日のフローレンス・ジョイナー(アメリカ)の10秒49で、World Athleticsが公認しています。

今季の日本最高11秒33と世界最高10秒63の差は0秒70。男子(今季世界最高9秒79・ノア・ライルズ/日本最高10秒03、差0秒24)と比べると、世界のトップとの距離は女子のほうが大きいのが現状です。

そのぶん、まずはアジアの舞台での戦いが目標になります。9月には愛知・名古屋でアジア大会2026が行われます。種目別の日程や日本代表の見どころはアジア大会2026の陸上競技の日程と日本代表ガイドにまとめています。

高校・U20の日本記録と、今季の10代

日本陸連が公表している女子100mのカテゴリ別日本記録は次のとおりです(2026年8月27日現在)。

カテゴリ記録選手名(当時の所属)大会・日付
日本記録11.21福島 千里(北海道ハイテクAC)織田幹雄記念/2010年4月29日
U20日本記録11.41山形 愛羽(福岡大)学生個人選手権/2024年6月15日
U18日本記録11.43土井 杏南(埼玉栄高)埼玉県高校/2012年5月13日

注目したいのは、U20日本記録を持つ山形愛羽が、今季ランキングでも6位(11秒44)につけていることです。2024年に11秒41でU20記録を樹立し、2026年はU23アジア選手権で銀メダル。世代の記録を持ったまま、シニアの上位に定着しつつあります。

U18日本記録の11秒43(土井杏南)は2012年の記録で、こちらも14年破られていません。今季の高校生最高は吉永優衣の11秒47なので、その差は0秒04。高校記録は射程圏内と言える位置に来ています。

高校・大学年代の国際舞台での戦いぶりは、U20世界陸上2026の日本代表の全成績まとめでも取り上げています。

タイムを縮めるうえで、10代のうちに固めておきたいのがスタート局面です。ブロックの押し方や1歩目の作り方は短距離のスタートダッシュのコツを構え方から解説した記事にまとめました。

よくある質問

「日本ランキング1位」と「日本選手権優勝」は違うのですか?

別ものです。日本ランキングはシーズン中の最高記録で並べたもの、日本選手権はその日のレースの着順で決まります。2026年はランキング1位が御家瀬緑(11秒33)、日本選手権の優勝者は井戸アビゲイル風果(11秒44)と、実際に分かれました。御家瀬は日本選手権の決勝では2位です。

日本記録が16年更新されていないのはなぜですか?

理由を断定できるデータはありません。事実として言えるのは、11秒2台を出した日本人が福島千里と兒玉芽生の2人しかいないこと、その一方で歴代4位〜10位のうち4人が現役で、うち3人が2025年以降に自己ベストを更新していることです。層は確実に厚くなっており、11秒3台前半の争いが続いています。

記録が「公認」されるには何が必要ですか?

風速が追い風2.0m/s以内であることに加えて、日本陸連の公認競技会であること、公認トラックで行われること、電気計時(写真判定)で計測されていることなどが必要です。手動計時の記録はランキングや日本記録の対象になりません。校内記録会などで出たタイムが公式ランキングに載らないのは、この条件を満たしていないためです。

風速はどうやって測っているのですか?

競技規則では、第1レーンのフィニッシュラインの手前50m、トラックから2m以内、高さ1.22mの位置に風向風速計を設置し、100mではスタートの号砲から10秒間の平均値を測ることになっています。レース中ずっとその風が吹いていたという意味ではなく、10秒間をならした値です。

過去の年の日本ランキングはどこで見られますか?

World Athleticsのトップリストは年とカントリーを切り替えることで過去シーズンも表示できます。日本陸連の公式サイトでは日本記録・U20日本記録・U18日本記録が公開されており、シーズンごとの順位表は掲載されていません。この記事は同じURLで更新しながら2026年シーズンぶんを積み上げていきます。

このランキングはいつ更新されますか?

更新時期は編集部が判断します。この版の集計基準日は2026年9月6日で、次回の更新時期は未定です(更新時に集計基準日を記事冒頭に記載します)。同じURLを更新していくので、ブックマークしておけば最新の順位が確認できます。9月は日本インカレ、全日本実業団、アジア大会と主要大会が続くため、順位は大きく動く見込みです。

まとめ

2026年の女子100m日本ランキングを振り返ると、ポイントは次の5つです。

  • 今季日本最高は御家瀬緑(住友電工)の11秒33(6月12日・日本選手権準決勝、+0.6)
  • TOP30は11秒33〜11秒68の0秒35に31人。日本選手権で10人がこの大会での今季最高を記録
  • 高校生が5人TOP30入り。インターハイの表彰台3人がそのままランクイン
  • 大学別では福岡大が4人で最多。実業団18人・大学8人・高校5人という構成
  • 日本記録11秒21(福島千里・2010年)は16年更新なし。今季トップとの差は0秒12

9月は日本インカレ(9月5〜7日)、全日本実業団(9月11〜13日)、そしてアジア大会と主要大会が続きます。このランキングは同じURLで更新していきますので、順位の動きを追いかけてみてください。

トップ選手の記録を眺めていると、自分のタイムがどのくらいの位置なのか気になってくるはずです。陸上練習ノートアプリ「TRACK HUB」なら、レースごとの記録と風速、その日の練習内容をまとめて残せます。風速まで記録しておくと「向かい風の日に11秒台後半で走れた」といった、タイムだけではわからない成長が見えるようになります。まずは今シーズンの自分のランキングを作るところから始めてみてください。