高畠競歩2026こと第63回全日本競歩高畠大会は、2026年10月25日(日)に山形県高畠町の高畠まほろば競歩路で開かれます。男女マラソン競歩が午前8時にスタートし、ハーフマラソン競歩、高校男子10km、高校女子5kmまで6種目。今大会は北京2027世界陸上競技選手権大会の日本代表選手選考競技会を兼ねており、日本陸連のエントリーリストには187人が名を連ねました。そして男子マラソン競歩には、まだ誰のものでもない世界記録がかかっています。

この記事でわかること

  • 6種目のスタート時刻・制限時間・コースの構造(日本陸連の大会要項から)
  • 北京2027世界陸上の代表選考で、高畠競歩がどの位置にあるのか
  • 男子マラソン競歩の「世界記録認定基準 2時間56分30秒」が意味するもの
  • エントリー187人の種目別内訳と、前回・第62回大会の全6種目の結果
  • 高畠駅からのアクセスと無料シャトルバス(選手・役員向け)の時刻

高畠競歩2026の日程・会場・出場できる選手

大会の正式名称は「第63回全日本競歩高畠大会 兼 北京2027世界陸上競技選手権大会 日本代表選手選考競技会」です。日本陸連の大会ページによると、開催日は2026年10月25日(日)、会場は山形県東置賜郡高畠町の高畠まほろば競歩路・日本陸連公認競歩コース。主催は山形陸上競技協会・高畠町・高畠町教育委員会・高畠町スポーツ協会で、日本陸連は後援に入っています。

大会要項の表紙には、WAウォーキングツアーブロンズ大会、そしてWRk(世界ランキング)対象大会と記されています。一般の男女マラソン競歩・男女ハーフマラソン競歩の4種目は、ワールドアスレティックス(WA)レースウォーキングツアーとして実施されます。

秋の東北の町を貫く直線道路と遠景の山並み

6種目のスタート時刻と参加料

大会要項に掲載された招集時刻とスタート時刻は次のとおりです。

種目招集開始招集完了スタート参加料
一般男子マラソン競歩7:307:508:007,000円
一般女子マラソン競歩7:307:508:007,000円
一般男子ハーフマラソン競歩10:1010:3010:406,000円
一般女子ハーフマラソン競歩10:3010:5011:006,000円
高校男子10km競歩11:4012:0012:104,000円
高校女子5km競歩12:0012:2012:304,000円

男女のマラソン競歩が同時に8時スタート、約2時間40分後にハーフマラソン競歩、正午すぎに高校生の2種目という流れです。朝8時から午後まで、1本の周回路でレースが切れ目なく続きます。

1周1kmの周回コースと「0.195km+42周」

高畠まほろば競歩路は1周1kmの周回コースです。日本陸連が第62回大会のレポートで説明したところによると、このコースは2023年から使われており、距離がマラソン・ハーフマラソンに変わったときは、フィニッシュ地点を従来どおりにしたままスタート位置を動かして対応しました。つまりマラソン競歩は0.195km(195m)歩いてから42周、ハーフマラソン競歩は0.0975km(97.5m)歩いてから21周という設計です。

コースの起伏も数字で確かめられます。大会要項のコース断面図には、折返し点(ボントン化粧品店側)から順に225.4m、225.6m、226.1m、226.3m、226.1m、225.7m、225.3m、225.2mという標高値が書き込まれています。この断面図は折返し点から折返し点までの片道ぶんで、1周はこれを往復する形になります。最高点と最低点の差は1.1mです。

同じ要項の平面図を見ると、周回路は細長いループで、ボントン化粧品店側と国道399号側の2か所に折返し地点があります。フル(42.195km)スタートは山形第一信用組合・山形銀行の前、ハーフ(21.0975km)スタートはその先、5km・10kmスタートと全種目のゴールは高畠町総合交流プラザの前に置かれます。給水のスペシャルテーブルとゼネラルテーブルはゴール地点と山川商店の間です。

ペナルティゾーンは、平面図ではハーフスタートの地点付近、総合交流プラザのそばに記されています。大会要項には、今大会は男子・女子すべての種目でペナルティゾーンルールを採用すると明記されています。レッドカードが規定枚数に達した選手が一定時間ここに留め置かれる仕組みで、ルールの詳しい流れは競歩のルールと歩き方を解説した記事にまとめています。

制限時間は種目ごとに別々

大会要項は、交通事情と運営上の都合から次の制限時間を設けています。

種目制限時間最終周回の打ち切り
一般男子マラソン競歩4時間00分スタートから3時間50分を過ぎて最終周回に入らない選手
一般女子マラソン競歩4時間05分スタートから3時間55分を過ぎて最終周回に入らない選手
一般男子ハーフマラソン競歩2時間00分スタートから1時間50分を過ぎて最終周回に入らない選手
一般女子ハーフマラソン競歩2時間10分スタートから2時間00分を過ぎて最終周回に入らない選手
高校男子10km競歩1時間00分—
高校女子5km競歩35分—

出場できるのは参加標準記録を突破した選手だけ

高畠競歩は誰でも申し込める市民レースではなく、種目ごとの参加標準記録を突破した選手だけが出場できる大会です。なおここで言う参加標準記録は、次章で扱う北京2027世界陸上の参加標準記録とはまったく別のもので、こちらは大会に申し込むための基準です。要求される水準が大きく違うので、読み分けてください。

大会要項によると、対象は2026年度の日本陸連登録競技者で、2025年1月1日から申込締切日前日までに下記の公認記録を突破していることが条件です。参加基準年齢は2008年4月1日以前に生まれた選手。

出場種目申込に必要な参加標準記録(いずれか1つ)
一般男子マラソン競歩マラソン競歩 3時間55分00秒/35km競歩 3時間10分00秒/ハーフマラソン競歩 1時間50分00秒/20km競歩 1時間45分00秒
一般女子マラソン競歩マラソン競歩 4時間00分00秒/35km競歩 3時間20分00秒/ハーフマラソン競歩 2時間01分00秒/20km競歩 1時間55分00秒
一般男子ハーフマラソン競歩ハーフマラソン競歩 1時間46分00秒/20km競歩 1時間40分00秒/10km競歩 45分00秒
一般女子ハーフマラソン競歩ハーフマラソン競歩 1時間57分00秒/20km競歩 1時間50分00秒/10km競歩 55分00秒

いずれも「以内」が条件です。一般4種目はどれも2008年4月1日以前に生まれた選手が対象なので、2026年度の高校生は年齢要件の時点で一般種目には出られません。高校時代に10km競歩を45分00秒以内で歩いておくと、大学1年目から一般男子ハーフマラソン競歩に申し込めるという意味の基準です。

高校生の2種目は「突破者」ではなく「下記の記録で完歩できる競技者」という書き方になっています。参加基準年齢は2008年4月2日から2011年4月1日までに生まれた選手です。

出場種目目安となる記録
高校男子10km競歩10km競歩(10,000m競歩)1時間00分00秒以内/5km競歩(5,000m競歩)30分00秒以内
高校女子5km競歩5km競歩(5,000m競歩)35分00秒以内/3km競歩(3,000m競歩)18分00秒以内

申込はインターネット(Moshicom)のみで、参加料のほかに手数料がかかります。第63回の申込は2026年8月23日(日)に締め切られました。完歩した選手には完歩記録がWeb上で発行され、オリジナルバスタオルが渡されます。表彰は各種目の優勝者に優勝杯、1位から3位にメダル、1位から8位に賞状。この表彰は全日本競歩高畠大会として行われ、WAレースウォーキングツアー対象種目については実施しないと要項に明記されています。

北京2027世界陸上の代表選考と高畠競歩の位置づけ

日本陸連が2026年7月22日に公表した「北京2027世界陸上競技選手権大会 競歩種目日本代表選手選考要項」が、この大会の性格を決めています。北京2027は2027年9月11日(土)から19日(日)までの開催。競歩の対象種目は男女のハーフマラソン競歩とマラソン競歩の4つです。

選考で最初に押さえるべきは、参加資格有効期間が2026年2月23日(月)から2027年8月22日(日)までという点です。この期間が始まる前に出した記録は、どれだけ速くても北京2027の選考には使えません。

高畠はマラソン競歩の選考競技会(ハーフは対象外)

選考要項は、種目ごとに選考競技会を分けて指定しています。

対象種目選考競技会
男女ハーフマラソン競歩愛知・名古屋2026アジア競技大会/第110回日本陸上競技選手権大会・ハーフマラソン競歩(2027/神戸)/第51回全日本競歩能美大会(2027/能美)
男女マラソン競歩愛知・名古屋2026アジア競技大会/第63回全日本競歩高畠大会(2026/高畠)/第111回日本陸上競技選手権大会・マラソン競歩(2027/能美)

つまり高畠競歩が選考競技会として機能するのは、朝8時にスタートするマラソン競歩の2種目だけです。10時40分と11時00分に始まるハーフマラソン競歩は、同じ日の同じコースで行われても北京2027の選考競技会ではありません。山西利和選手や藤井菜々子選手がハーフマラソン競歩で何位に入っても、選考要項上の「3位以内」にはあたらず、両選手の選考の舞台は2027年2月の日本選手権・ハーフマラソン競歩(神戸)と3月の全日本競歩能美大会になります。

日本陸連も10月7日のニュースで、「本大会は北京2027世界陸上競技選手権大会男女マラソン競歩の選考競技会であり」と明示したうえで、3位以内という条件を説明しています。

参加標準記録と派遣設定記録

選考要項が示す2つの記録は次のとおりです。参加標準記録はWAが定めるもの、派遣設定記録は日本陸連が独自に定める、より速い基準です。どちらも世界ランキングカテゴリーC以上の競技会が対象になります。

種目参加標準記録(男子)派遣設定記録(男子)参加標準記録(女子)派遣設定記録(女子)
ハーフマラソン競歩1時間23分00秒1時間22分00秒1時間33分10秒1時間32分10秒
マラソン競歩3時間01分00秒2時間58分00秒3時間28分00秒3時間25分00秒

この表を、エントリーリストに記載された日本最高記録と並べると、種目ごとの難易度の差がはっきりします。

  • 男子マラソン競歩の日本最高記録は2時間55分28秒。派遣設定記録より2分32秒速い
  • 女子マラソン競歩の日本最高記録は3時間33分47秒で、参加標準記録に5分47秒、派遣設定記録には8分47秒届いていない
  • 男子ハーフマラソン競歩の日本最高記録は1時間20分34秒。派遣設定記録より1分26秒速い
  • 女子ハーフマラソン競歩の日本最高記録は1時間33分27秒で、参加標準記録まであと17秒

女子マラソン競歩は、日本最高記録そのものがまだ参加標準記録に届いていない種目です。前回大会の優勝記録3時間47分51秒と参加標準記録の差は19分51秒。この種目で北京の舞台に立つには、記録を一段引き上げる必要があります。

選考条件②と④の読み方

選考要項の9(2)2)は、マラソン競歩の選考条件を7項目にわたって並べています。高畠競歩に直接かかわるのは②と④です。

項目条件
②高畠競歩で3位以内に入り、かつ参加資格有効期間開始日から全選考競技会終了時点までに、世界ランキングカテゴリーC以上の競技会で派遣設定記録を満たすこと。優先順位は高畠競歩の順位で決める
④高畠競歩で3位以内に入り、かつ同じ期間に参加標準記録を満たすこと。優先順位は高畠競歩の順位で決める

記録を満たす期限が「参加資格有効期間の終わり」ではなく「全選考競技会終了時点」である点に注意してください。マラソン競歩の選考競技会で最後に行われるのは2027年3月21日の日本選手権・マラソン競歩なので、参加資格有効期間の終わり(2027年8月22日)とは5か月のずれがあります。

①と③はその日本選手権(能美)が対象で、項目の数字が若いほど優先されます。つまり同じ「3位以内+派遣設定記録」でも、日本選手権での①が高畠での②より先に扱われる構造です。高畠競歩の3位以内は代表決定そのものではなく、①③に次ぐ②④という選考カテゴリーに入るための条件、ということになります。なお選考条件には⑤として、参加標準記録を満たした選手または基準ワールドランキングで出場権を得た選手という経路も残されており、3位以内がすべてではありません。

もうひとつ、選考要項を読むだけでは決まらない論点があります。大会要項では外国籍選手は原則オープン参加で順位がつきませんが、WAレースウォーキングツアー対象種目では外国籍選手を含めた順位がつきます。マラソン競歩はその対象種目で、男子に5人、女子に3人の外国籍選手がエントリーしています。選考要項の「3位以内」が外国籍選手を含めた総合順位なのか、日本人選手だけの順位なのかについて、選考要項にも大会要項にも記載はありません。表彰(優勝杯・メダル・賞状)は全日本競歩高畠大会として別に行われるため、当日は2種類の順位が並ぶ可能性があります。

内定条件のほうも押さえておきましょう。マラソン競歩の内定条件②は「愛知・名古屋2026アジア競技大会で金メダルを獲得し、かつ参加資格有効期間開始日から全選考競技会終了時点までに世界ランキングカテゴリーC以上の競技会において派遣設定記録を満たした競技者」です。

男子マラソン競歩にかかる「世界記録第1号」

エントリーリストを開くと、男子マラソン競歩のページだけ、他の3種目と書き方が違うことに気づきます。

種目エントリーリストの記載
一般男子マラソン競歩世界記録ではなく世界記録認定基準として 2°56'30"
一般女子マラソン競歩世界記録 3°15'11"(Sofia FIORINI/イタリア)
一般男子ハーフマラソン競歩世界記録 1°20'34"(山西利和/愛知製鋼)
一般女子ハーフマラソン競歩世界記録 1°30'06"(María PÉREZ/スペイン)

ほかの3種目には世界記録保持者の名前が入っているのに、男子マラソン競歩だけが「世界記録認定基準」という数字になっています。記載漏れではなく、まだ世界記録が誕生していないという意味です。

「世界記録認定基準」とは何か

マラソン競歩とハーフマラソン競歩は、WAが2026年から国際大会の実施距離を従来の35km・20kmに代えて42.195km・21.0975kmとしたことで生まれた、できたばかりの種目です。新しい種目では最初の記録を無条件に世界記録とはせず、WAが「このタイムを上回ったら世界記録として認定する」という基準タイムをあらかじめ設定します。男子マラソン競歩のその基準が2時間56分30秒です。

先例は2024年の高畠だった

この仕組みが実際に働いた場面を、高畠競歩は2年前に経験しています。

2024年10月27日、第61回全日本35km競歩高畠大会(第108回日本選手権・35km競歩を兼ねる)で、川野将虎選手(旭化成)が2時間21分47秒で優勝しました。日本陸連のレポートによると、WAは35km競歩が2022年から世界選手権の実施種目になったことに対応し、2023年1月1日以降に2時間22分00秒を上回るタイムが出た場合に世界記録として認定すると公表していました。該当者が出ないまま時間が過ぎ、川野選手が初めて2時間22分を切ったことで条件が満たされ、この記録が世界記録として公認されています。

日本陸上競技連盟@jaaf_official

【#日本選手権35km競歩 #高畠競歩】 ⚡ライブ配信アーカイブ⇒ // ◆日本選手権 男子35km競歩✨表彰式✨ \\ 1位🥇#川野将虎(旭化成)2時間21分47秒※日本新、アジア新、世界記録、#東京世界陸上 内定 2位🥈#丸尾知司(愛知製鋼) 2時間24分24秒※#東京世界陸上…

2024年10月27日Xで投稿を見る →

そしてその川野選手は、今年の男子マラソン競歩にエントリーしています。

勝木隼人の2時間55分28秒が置かれている位置

ここで、現在の日本最高記録を見てみましょう。エントリーリストによると、男子マラソン競歩の日本最高記録とアジア最高記録はいずれも2時間55分28秒。勝木隼人選手(自衛隊体育学校)が2025年10月26日の全日本競歩高畠大会でマークしたものです。

このタイムは、世界記録認定基準の2時間56分30秒を1分02秒上回っています。それでも世界記録になっていないのは、日本陸連が第62回大会のレポートに書いたとおり、WAが公認の対象を2026年1月1日以降にマークされた記録としたためです。2025年10月の記録は「世界最高記録」の扱いにとどまります。

同じレポートはもうひとつ条件を示しています。最初の世界記録として認定されるのは、2026年12月31日までに出た最速タイムだという点です。つまり10月25日に認定基準を破るタイムが出ても、それが年内に更新されれば、世界記録第1号の座は入れ替わります。日本記録にあたる扱いも同様で、2026年12月31日までの最速タイムが最初の記録として認定されることになっています。

つまり世界記録を上回る速さのタイムは、すでに同じコースで出ているのに、日付の都合で世界記録になっていない。そしてそのタイムを出した本人が、同じコースに戻ってくるということです。

選考の側から見ても、勝木選手の状況は特殊です。日本陸連のアジア大会2026特設サイトによると、勝木選手は男子マラソン競歩で金メダルを獲得しています。内定条件②の前半、アジア競技大会での金メダルという要件はすでに満たしている計算です。残るのは参加資格有効期間の開始後、つまり2026年2月23日以降の対象大会で派遣設定記録2時間58分00秒を満たすこと。昨年の高畠で出した2時間55分28秒はその2分32秒速い記録ですが、2025年10月26日という日付が有効期間の前にあるため、この選考には使えません。

10月25日の朝8時に見るべき数字は、したがって3つあります。1周1kmの周回コースなので、それぞれを1kmあたりの平均ラップに直すと指標として使えます。

基準タイム1kmあたりの平均ラップ
世界記録認定基準2時間56分30秒約4分11秒
北京2027の派遣設定記録2時間58分00秒約4分13秒
北京2027の参加標準記録3時間01分00秒約4分17秒

前回大会の勝木選手は、最初の1周を4分17秒で入ったあと4分15秒、4分10秒、4分08秒と段階的に上げ、中盤で4分05秒まで引き上げています。今年も序盤のラップがこの表のどこに乗っているかで、レースの行方はかなり読めるはずです。

エントリー187人の顔ぶれと注目選手

日本陸連が10月7日に公開したエントリーリストを全ページ数えると、6種目の合計は187人でした。うち正式参加が165人、順位のつかないオープン参加が22人です。

種目別エントリー数

種目合計うち正式参加うちオープン参加
一般男子マラソン競歩33285
一般女子マラソン競歩13103
一般男子ハーフマラソン競歩71638
一般女子ハーフマラソン競歩38326
高校男子10km競歩20200
高校女子5km競歩12120
合計18716522

最も厚いのは男子ハーフマラソン競歩の71人で、全体の38%を占めます。オープン参加22人のうち17人はオーストラリア陸連の選手で、ほかに香港3人、韓国とフィリピンが各1人です。

男女マラソン競歩

日本陸連のニュースによると、男子マラソン競歩には勝木隼人選手(自衛隊体育学校)と川野将虎選手(旭化成)が出場予定です。勝木選手は東京2025世界陸上で銅メダル、アジア競技大会で金メダル。川野選手は2022年・2023年・2025年と3大会連続で世界陸上の日本代表を務めました。アジア大会での日本勢の成績はアジア大会2026陸上の結果まとめで整理しています。

女子マラソン競歩には、アジア競技大会のハーフマラソン競歩で4位に入賞した柳井綾音選手(富士通)と、7位の杉林歩選手(NTTドコモ)がエントリー。さらにエントリーリストには、前回大会の優勝者である内藤未唯選手(ウィザス)の名前もあります。日本人エントリーが10人という小さなフィールドで、3位以内が選考条件に直結する種目です。

男女ハーフマラソン競歩

男子ハーフマラソン競歩の筆頭は山西利和選手(愛知製鋼)です。日本陸連によると、山西選手は男子20km競歩とハーフマラソン競歩の世界記録保持者で、アジア競技大会の銀メダリストでもあります。エントリーリストに記された男子ハーフマラソン競歩の世界記録1時間20分34秒は、2026年2月16日の日本選手権・ハーフマラソン競歩で山西選手自身がマークしたものです。同じ種目にはアジア競技大会4位の吉川絢斗選手(富士通)も入りました。

女子ハーフマラソン競歩には、東京2025世界陸上の銅メダリスト藤井菜々子選手(エディオン)が出場します。藤井選手は日本最高記録1時間33分27秒の保持者でもあります。この種目は32人の正式参加のうち大学生が大半を占め、エントリーリストには金沢学院大・東京学芸大・国士舘大・山梨学院大の名前が並びます。

高校男子10km・高校女子5km

高校男子10km競歩は20人、高校女子5km競歩は12人のエントリー。エントリーリストには参考記録も載っていて、高校男子10km競歩の大会記録は2015年10月25日に斎藤駿太選手(湘南工科大学付属高校)がマークした42分36秒、高校女子5km競歩の大会記録は2013年10月27日に河添香織選手(立命館宇治高校)が出した23分02秒です。10年以上更新されていない記録が、両方とも残っています。

高校男子10km競歩の出場者を陸協別に数えると、東北勢が20人中13人を占めます(山形4・宮城4・福島3・岩手2)。地元・山形からは東海大山形高、九里学園高、山形南高、寒河江工高の4校が名を連ねました。残る7人は千葉・和歌山・埼玉・東京・神奈川の学校です。

前回・第62回大会(2025年10月26日)の結果

今年のレースを読むうえで、前回大会の記録は最良の物差しになります。第62回大会は2025年10月26日に同じコースで開かれ、日本で初めてマラソン競歩とハーフマラソン競歩が公認大会として実施された大会になりました。

TRACK HUB RESULTS

第62回全日本競歩高畠大会

2025-10-26 高畠まほろば競歩路・日本陸連公認競歩コース(1周1km)

一般男子マラソン競歩

順位選手所属記録
1勝木 隼人自衛隊体育学校2:55:28
2岩井 和也自衛隊体育学校3:01:22
3石田 昴自衛隊体育学校3:04:22

一般女子マラソン競歩

順位選手所属記録
1内藤 未唯ウィザス3:47:51
2吉住 友希船橋整形外科3:49:43
3立見 真央田子重3:53:44

一般男子ハーフマラソン競歩

順位選手所属記録
1逢坂 草太朗東洋大1:23:33
2吉迫 大成東京学芸大1:23:35
3吉川 絢斗サンベルクス1:24:06

一般女子ハーフマラソン競歩

順位選手所属記録
1永井 優会金沢学院大1:42:14
2藤田 真美加早稲田大1:46:09
3西山 こと乃東京学芸大1:47:15

高校男子10km競歩

順位選手所属記録
1髙橋 汰紅黒沢尻工高43:35
2平磯 朝大泉高45:01
3成田 紳一郎富谷高45:04

高校女子5km競歩

順位選手所属記録
1佐々木 愛海古川黎明高26:04
2山﨑 美佳平商高26:25
3上田 彩音松が谷高27:41

※所属はいずれも2025年大会当時のものです。吉川絢斗選手は2026年のエントリーリストでは富士通の所属になっています。

自衛隊体育学校の1-2-3と、学生の台頭

男子マラソン競歩は勝木選手・岩井和也選手・石田昴選手と自衛隊体育学校が表彰台を独占しました。日本陸連のレポートによると、勝木選手は最初の5.195kmを22分18秒で通過したあと、各5kmを21分00秒、20分58秒、20分40秒と上げていき、2位以下をすべて周回遅れにしています。

対照的だったのがハーフマラソン競歩です。男子は東洋大の逢坂草太朗選手が1時間23分33秒、2秒差の2位に東京学芸大の吉迫大成選手。女子も金沢学院大の永井優会選手が1時間42分14秒で制し、男女ともに大学生が勝ちました。日本陸連のレポートによると、逢坂選手は残り1kmにあたる20.0975kmを1時間19分42秒で通過しました。同選手の20km競歩の自己記録1時間21分03秒を1分21秒上回る通過です。

男子ハーフマラソン競歩では、ペナルティゾーンが勝敗を分けました。レポートによると、残り5周でペースを上げて単独首位に立った野田明宏選手が、ロスオブコンタクトによりレッドカード3枚に達し、残り3周を目前に2分間のペナルティを科されています。トップが1周を約4分で回るレースなので、2分の停止は半周ぶんの遅れに相当します。

当日の天候は小雨でした。リザルトに添付された気象情報によると、8時の気温は12.5℃、湿度92.6%、西南西の風1.3m/s。11時から12時にかけては雨に変わっています。

高校2種目も層が薄いわけではありません。高校女子5km競歩は5位までが28分43秒以内に収まり、4位の結城杏奈選手(松が谷高)と5位の原山杏選手(海老名高)は4秒差。3位の上田彩音選手と同じ松が谷高から2人が入賞しています。

日本陸上競技連盟@jaaf_official

【#高畠競歩】 ⚡ライブ配信アーカイブ⇒ // ◆高校女子5km競歩✨表彰式✨ \\ 1位🥇#佐々木愛海(古川黎明高)26分04秒 2位🥈#山﨑美佳(平商高)26分25秒 3位🥉#上田彩音(松が谷高)27分41秒 4位 #結城杏奈(松が谷高)28分39秒 5位 #原山杏(海老名高)28分43秒…

2025年10月26日Xで投稿を見る →

前回大会は日本陸連公式YouTubeチャンネルでライブ配信され、アーカイブが残っています。朝8時のマラソン競歩から高校女子5km競歩まで、1本の配信で6種目すべてをたどれる構成です。

★ライブ配信★【第62回高畠競歩】愛知・名古屋 2026 アジア競技大会 競歩日本代表選手選考競技会

ロードレース会場に並ぶ給水ボトルとスポンジ

観戦・アクセスと当日のスケジュール

会場の高畠まほろば競歩路は、JR奥羽本線の高畠駅からタクシーで約10分の位置にあります。大会要項が案内する経路は次のとおりです。

手段経路
新幹線東京駅〜高畠駅(山形新幹線)約2時間20分
在来線仙台駅〜山形駅(仙山線)/山形駅〜高畠駅(奥羽本線)約1時間40分
車東北中央自動車道・南陽高畠ICから約10分

高畠町の公式ページによると、選手・役員の交通の便をはかるため、10月24日(土)と25日(日)の両日に無料シャトルバスが運行されます。ダイヤ改正で変更の可能性があると注記されているため、当日は町の案内を確認してください。

日区間出発時刻
10月24日(土)高畠駅前(フォルクローロ高畠)→ 高畠町総合交流プラザ13:40/15:40
10月24日(土)高畠町総合交流プラザ → 高畠駅前17:00/18:00
10月25日(日)高畠駅前 → 競技会場周辺(山形銀行前)6:20/7:10/7:40/8:40/10:20
10月25日(日)高畠町総合交流プラザ → 高畠駅前12:00/12:45/14:30

前日の10月24日(土)は、高畠町公式によると選手・役員受付が13時30分から16時00分、選手打合会(監督会議)が16時30分から。大会要項では打合せ・監督会議の会場を高畠町総合交流プラザ2階会議室としています。当日25日(日)の受付は6時30分から同プラザ内で、表彰式は各競技終了後に行われます。

ライブ配信については、2026年10月8日時点で日本陸連の大会ページ・高畠町の公式ページのいずれにも告知が出ていません。前回大会では10月20日前後に配信情報が公開されたので、直前の発表を待つことになります。

同じ時期の国内大会としては、10月10日・11日の日本選手権リレーとリレフェス、10月15日から19日の国スポ陸上2026が続きます。日本陸連は高畠競歩を競歩の国内ロードシーズンの開幕戦と位置づけており、毎年10月最後の日曜日に開催されています。2026年10月25日も、10月で最後の日曜日にあたります。

よくある質問

高畠競歩は沿道で観戦できますか

コースは1周1kmの周回路なので、どこに立っても同じ選手が何度も目の前を通ります。大会要項の平面図では、ボントン化粧品店側の折返し地点、国道399号側の折返し地点、山形銀行前のフルスタート地点、総合交流プラザ前のゴール地点が主な目印です。ただし一般道を使う大会のため、交通規制や立ち入りの可否は当日の運営指示に従ってください。

マラソン競歩とは何kmの種目ですか

42.195kmです。WAが2026年から国際大会での競歩の実施距離を変更し、従来の35km競歩がマラソンと同じ42.195km、20km競歩がハーフマラソンと同じ21.0975kmになりました。高畠競歩は2025年の第62回大会で、日本で初めてこの2種目を公認大会として実施しています。

高畠競歩の結果はどこで見られますか

日本陸連の大会ページ(第63回は競技会ID 2070)と、高畠町公式ページのリザルト欄に掲載されます。前回大会では大会翌日の10月27日にサマリーシートが大会ページのお知らせ欄に加わり、全種目8位までの決勝一覧表を含むリザルトPDFも同じページから公開されています。

高畠競歩で世界記録は出ますか

男子マラソン競歩には現時点で世界記録が存在せず、エントリーリストには世界記録認定基準として2時間56分30秒が記載されています。この基準を上回るタイムが出れば認定の対象になります。ただし日本陸連のレポートによれば、最初の世界記録として認定されるのは2026年12月31日までに出た最速タイムです。10月25日に基準を破るタイムが出ても年内に更新されれば入れ替わりますし、公認の可否を判断するのはWAです。

高校生でも出場できますか

高校男子10km競歩と高校女子5km競歩があります。参加基準年齢は2008年4月2日から2011年4月1日までに生まれた選手で、男子は10km競歩を1時間00分00秒以内(または5km競歩30分00秒以内)、女子は5km競歩を35分00秒以内(または3km競歩18分00秒以内)で完歩できることが目安です。一般の4種目は2008年4月1日以前に生まれた選手が対象なので、現役の高校生は一般種目には出場できません。

まとめ

第63回全日本競歩高畠大会は、2026年10月25日(日)に高畠まほろば競歩路で開催されます。朝8時の男女マラソン競歩から12時30分の高校女子5km競歩まで6種目、エントリーは187人。北京2027世界陸上については、マラソン競歩2種目の選考競技会にあたり、ここで3位以内に入れば選考条件②④の対象になります(このほかに参加標準記録や基準ワールドランキングによる経路も残されています)。

最大の見どころは、まだ誰のものでもない男子マラソン競歩の世界記録です。認定基準の2時間56分30秒より速いタイムは、昨年この同じコースで勝木隼人選手が出しています。2年前には川野将虎選手が35km競歩の世界記録を樹立した場所でもあり、その2人がそろって朝8時のスタートラインに立ちます。1周1kmの周回路で、世界記録認定基準の4分11秒、派遣設定記録の4分13秒、参加標準記録の4分17秒という3本のラップ基準をどこまで維持できるか。そこが今年のレースの焦点です。

周回コースのレースは、ラップを自分で記録しながら見ると面白さが一段変わります。陸上練習ノートアプリ「TRACK HUB」なら、練習でも試合でも1本ごとのタイムと感覚をその場で残せます。今季のロードシーズンを、自分の記録と並べて追いかけてみてください。