国スポ陸上2026(第80回国民スポーツ大会・青の煌めきあおもり国スポ)の陸上競技は、2026年10月15日(木)から19日(月)までの5日間、青森市で行われます。争われるのは成年・少年A・少年Bを合わせた全56種目。1種目に1都道府県から1人しか出られない独特のルールのもと、1位8点からの得点を47都道府県が積み上げ、天皇杯と皇后杯の行方に直結します。日本陸連の大会要項・競技日程・エントリーリストという一次資料だけで、日程から注目選手まで整理しました。
この記事でわかること
- 国スポ陸上2026の日程(5日間の日別ハイライトと、全56種目の決勝時刻)
- 成年・少年A・少年Bという種別の分かれ方と、全56種目の中身
- 1位8点・参加得点10点という都道府県対抗の得点方式と、天皇杯・皇后杯の対象
- 公式エントリーリストで出場が確認できる注目選手(本サイトの2026年日本ランキングとの突き合わせつき)
- 会場へのアクセス、無料ライブ配信、当日の結果を追える公式の競技記録ページ
日程・エントリーの情報は2026年9月20日、会場と配信の情報は9月23日時点の公開情報にもとづきます。エントリーリストは疾病・傷害等の事由がある場合に大会直前まで競技者の変更が認められている(大会要項9(2))ため、出場は当日のスタートリストで最終確定します。
国スポ陸上2026の日程と会場|10月15日から5日間
日本陸連が公開している大会要項に、期日と会場が明記されています。期日は2026年10月15日(木)から10月19日(月)までの5日間、会場はカクヒログループアスレチックスタジアム(新青森県総合運動公園陸上競技場)。全種別がこの1会場で行われます。
大会全体の本会期は10月10日(土)から10月20日(火)で、総合開会式は10月10日、総合閉会式は10月20日、いずれもマエダアリーナ。陸上競技は本会期の後半5日間に組まれ、最終日10月19日の陸上競技の総合表彰式(12時30分)で締めくくられます。本会期前に競技を行う「会期前」の枠に陸上競技は含まれないので、日程は10月15〜19日だけを見れば足ります。

5日間の日別ハイライト
日本陸連が公開している競技日程から、日ごとの競技時間とその日の軸になる決勝をまとめました(種目ごとの正確な決勝時刻は次の表にあります)。
| 日程 | 競技時間 | その日の軸になる決勝 |
|---|---|---|
| 第1日 10/15(木) | 10:00〜17:00 | 障害(成年男子3000mSC・少年女子A2000mSC)、110mH、走高跳、少年男子共通棒高跳、ハンマー投 |
| 第2日 10/16(金) | 10:00〜17:10 | 100mの決勝6本、100mH、少年の中長距離、走幅跳、やり投、混合4×400mR |
| 第3日 10/17(土) | 10:00〜17:15 | 競歩(少年A男女5000mW)、少年男子B3000m、三段跳・棒高跳・走幅跳、やり投、成年男子砲丸投 |
| 第4日 10/18(日) | 10:00〜16:50 | 300mの決勝4本、300mH、成年女子10000mW、三段跳、円盤投、成年女子砲丸投 |
| 第5日 10/19(月) | 10:00〜11:45 | 800m、400mH、4×100mR(男女) |
押さえておきたいのが最終日の密度です。第5日は10時ちょうどの少年女子A800m決勝から11時30分の男子4×100mR決勝まで、8本の決勝だけが10〜15分間隔で並び、11時45分に競技終了。予選も試技も挟まりません。1日だけ足を運ぶなら、中距離・ハードル・リレーの決着が1時間45分で連続する最終日が最も濃くなります。
第2日は11時25分から13時05分まで100mの準決勝が6種別連続、14時50分から16時05分に決勝6本。100m目当てならこの午後がねらい目です。なお第3日は13時から秩父宮章の授与式が組まれており、この時間帯はトラック種目が止まります。
全56種目の決勝はいつ始まるか
「この種目だけは見たい」という読者のために、競技日程から全種別の決勝開始時刻を抜き出しました(フィールド種目は競技開始時刻)。
| 種別 | 決勝の日時 |
|---|---|
| 成年男子 | 100m 10/16 15:50/300m 10/18 10:45/800m 10/19 10:30/110mH 10/15 16:00/400mH 10/19 11:00/3000mSC 10/15 12:40/走高跳 10/15 14:30/走幅跳 10/16 14:30/砲丸投 10/17 15:00/円盤投 10/18 14:30/やり投 10/16 14:35 |
| 成年女子 | 100m 10/16 16:05/300m 10/18 10:30/800m 10/19 10:20/100mH 10/16 14:10/400mH 10/19 10:45/10000mW 10/18 14:40/走高跳 10/15 10:10/棒高跳 10/17 11:40/三段跳 10/18 10:25/砲丸投 10/18 12:30/ハンマー投 10/15 13:25/やり投 10/17 13:30 |
| 少年男子A | 100m 10/16 15:20/300m 10/18 10:15/5000m 10/16 13:25/300mH 10/18 12:30/5000mW 10/17 15:05/三段跳 10/17 14:35/円盤投 10/18 10:10/ハンマー投 10/15 10:20/やり投 10/17 10:05 |
| 少年男子B | 100m 10/16 14:50/3000m 10/17 14:40/走幅跳 10/17 10:10/砲丸投 10/16 12:45 |
| 少年男子共通 | 800m 10/19 10:10/110mH 10/15 15:45/走高跳 10/16 10:05/棒高跳 10/15 11:40 |
| 少年女子A | 100m 10/16 15:35/300m 10/18 10:00/800m 10/19 10:00/3000m 10/16 11:00/300mH 10/18 12:15/2000mSC 10/15 11:00/5000mW 10/17 12:00/三段跳 10/18 14:00 |
| 少年女子B | 100m 10/16 15:05/1500m 10/16 14:30/走幅跳 10/16 11:00 |
| 少年女子共通 | 100mH 10/16 13:55/やり投 10/16 10:10 |
| リレー | 男子4×100mR 10/19 11:30/女子4×100mR 10/19 11:15/男女混合4×400mR 10/16 17:00 |
第2日の午後は、13時55分の少年女子共通100mHから16時05分の成年女子100mまで、少年4種別と成年の100m決勝が立て続けに並びます。中高生の観戦なら、この時間帯がもっとも情報量の多い2時間です。
会場のスペックとアクセス
カクヒログループアスレチックスタジアム(青森市宮田字高瀬22-2)は、青森県総合運動公園の公式サイトによると第1種公認陸上競技場で、World Athleticsの認証クラス2を取得しています。トラックは全天候舗装の400m×9レーン、固定観客席は1〜3階あわせて20,809席。跳躍と投てきは「メイン」「バックストレート」「Aゾーン」「Bゾーン」に分かれて同時進行するので、どのゾーンで何が行われるかを競技日程で確認しておくと迷いません。
同サイトの交通案内によると、公共交通なら青森駅東口2番のりばから「新総合運動公園前」行の市バスで約45分。新青森駅からは奥羽本線で青森駅に出て同じ市バスに乗り継ぐルートが案内され、所要は約50分です。車なら青森自動車道「青森東I.C」から約5分、みちのく有料道路からは約15分。利用する施設によって入場ゲート(北口・南口)と駐車場が変わるので、公園全体マップで位置を確認してから向かってください。
公園の指定管理者は、大会に伴う施設利用制限も公表しています。総合開閉会式とそのリハーサルのため、10月19日(月)7時から10月20日(火)13時15分頃まで、駐車場を含む公園敷地内への一時的な立ち入り制限が予定されており、陸上競技の最終日と重なります。最終日に向かうなら、直前に公園と実行委員会の公式案内を確認してください。
国スポ陸上の種目構成|成年・少年A・少年Bで全56種目
国スポの陸上競技がインターハイや日本選手権と決定的に違うのは、年齢で区切られた「種別」ごとに種目が設定されている点です。ここを理解すると、タイムテーブルが一気に読めるようになります。
年齢区分の決まり方
大会要項6(3)は、生年月日で3つの区分をはっきり定めています。
| 種別 | 生年月日の条件 | 目安 |
|---|---|---|
| 成年 | 2008年4月1日以前に生まれた者 | 高校卒業年代以上(大学生・社会人・クラブ) |
| 少年A | 2008年4月2日〜2010年4月1日に生まれた者 | 高校2〜3年生年代 |
| 少年B | 2010年4月2日以降に生まれた者(ただし中学生は3年生のみ参加できる) | 高校1年生年代と中学3年生 |
少年Bに中学3年生が参加できるという一文は、中高生の読者にとって国スポがいちばん身近になる部分です。実際、少年男子B走幅跳のエントリー31人のうち9人は所属が中学校で、資格記録の最上位(7m41)も中学3年生の松村春汰選手(小樽朝里中・北海道)。高校1年生と同じ枠で全国の舞台に立てる、数少ない大会です。
種別ごとの種目数
大会要項3(1)が定める種目数は、成年男子11・成年女子12・少年男子A9・少年男子B4・少年男子共通4・少年女子A8・少年女子B3・少年女子共通2。これにリレー3種目(男女の4×100mRと男女混合4×400mR)を足して合計56種目です。「共通」は少年Aと少年Bのどちらからでも出られる種目を指し、どの種別にどの種目があるかは前掲の決勝時刻表でそのまま確認できます。
200mと400mがなく、300mがある
種目一覧を眺めて最初に気づくのは、200mと400mが1種目もないことでしょう。代わりに成年男女と少年Aに300mが置かれています。要項3(2)サは300mの出場者について「100m、200m、400mいずれかの予選会を経た者でもよい」と定めており、300mは都道府県内のスプリンターを広く集める受け皿として機能しています。
種目構成には、ほかにも目を引く非対称があります。
- 成年男子にハンマー投がないのに、少年男子Aにはハンマー投がある
- 成年女子に走幅跳がない(走幅跳は成年男子・少年男子B・少年女子Bのみ)。代わりに成年女子は三段跳を実施する
- 成年男子は3000mSC、少年女子Aは2000mSCと、障害物レースの距離が種別で違う
- 競歩は成年女子10000mW、少年男子A5000mW、少年女子A5000mWの3種目のみで、成年男子にはない
この非対称は、都道府県が選手29名をどう割り振るかという編成戦略に直結します。
少年種目は用具とハードルの規格が違う
中高生の読者にいちばん関係が深いのが、少年種目の規格です。要項4には、少年の部で使う用具とハードルの条件が1つずつ書かれています。
| 種目 | 少年の規格 | 成年 |
|---|---|---|
| 少年男子共通110mH | 高さ0.991m/間隔9.14m | 1.067m/9.14m |
| 少年男子A300mH | 高さ0.914m/7台/第1ハードルまで50m | 400mH 0.914m/間隔35.00m |
| 少年女子共通100mH | 高さ0.838m/間隔8.50m | 同じ |
| 少年女子A300mH | 高さ0.762m/7台/第1ハードルまで50m | 400mH 0.762m/間隔35.00m |
| 少年男子A円盤投 | 1.750kg | 2.000kg |
| 少年男子Aハンマー投 | 6.000kg | 成年男子に種目なし(女子4.000kg) |
| 少年男子Aやり投 | 800g | 同じ |
| 少年男子B砲丸投 | 5.000kg | 7.260kg |
| 少年女子共通やり投 | 600g | 同じ |
注目したいのは、少年女子のハードル高(100mH 0.838m/300mH 0.762m)とやり投の重さ(600g)が成年女子とまったく同じである一方、少年男子は110mHが0.991mと低く、円盤も砲丸も軽いという非対称です。少年女子の記録は成年女子とそのまま比較できますが、少年男子の記録は規格が違うので単純比較できません。
都道府県対抗の得点方式|1位8点と天皇杯・皇后杯
国スポの陸上競技が「個人の大会」ではなく「都道府県対抗」である理由は、要項7が定める得点方式にあります。
競技得点と参加得点
| 順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 競技得点 | 8点 | 7点 | 6点 | 5点 | 4点 | 3点 | 2点 | 1点 |
- リレーを含むすべての種目で、8位までに競技得点が与えられる
- 同順位なら順位を共有して次の順位を欠位とし、得点は合算して等分する(前回大会の得点表に0.33点や0.5点が並ぶのはこのため)
- これとは別に、参加した都道府県には参加得点10点が与えられる
8位までに入れば必ず点になるので、「優勝はないが毎種目コンスタントに入賞する」タイプの県が強い構造です。
天皇杯と皇后杯の対象が違う
男女総合成績(天皇杯得点)の対象は成年男子・成年女子・少年男子・少年女子の4種別すべて。女子総合成績(皇后杯得点)の対象は成年女子と少年女子だけです。そして男女混合4×400mRの競技得点は天皇杯のみの対象と明記されています。種目を数えると、天皇杯の対象は56種目、皇后杯の対象は女子26種目(うち1つは女子4×100mR)。参加得点を除いた単純計算で、1つの都道府県が陸上競技だけで積める上限は天皇杯448点、皇后杯208点です。
1種目1人、同じ選手は2種目まで
得点方式と並んで国スポを特徴づけるのが、出場制限です(要項3(2))。
- 1種目につき出場できるのは1都道府県から1名。同じ人が出られるのは2種目まで(リレーは除く)
- 各都道府県の編成は監督2名+選手29名(男子19名以内・女子19名以内)の計31名以内。監督と選手を1名が兼務する場合は選手30名まで
- 原則として、都道府県主催の予選会に出場しなかった種目には出場できない
- 4×100mRは男女とも成年・少年A・少年Bから各1名を含む8名以内、男女混合4×400mRは男女2名ずつ8名以内で申し込む(混合の走順は男子−女子−男子−女子と指定)
「1種目1名」は思っている以上に効きます。日本ランキングの1位と2位が同じ都道府県の所属なら、どちらか一方しか出られません。逆に、全国では10番手前後でもその県で最速なら決勝に立てます。国スポがいちばん「地域の代表」という色の濃い大会なのは、このルールのためです。2種目出場の実例もあり、成年男子400mHに資格記録49秒11でエントリーしている豊田兼選手(トヨタ自動車・東京)は、同じ選手登録番号で成年男子走高跳にもエントリーしています。
番組編成に使う資格記録は、日本陸連エントリーシステムに2026年8月25日時点で反映されている公認記録で、有効期間は2026年1月1日から8月23日まで。夏以降に記録を伸ばした選手は、資格記録が実力に追いついていない点を割り引いて見てください。
注目種目と注目選手|公式エントリーリストで確認できる範囲
ここからは、日本陸連が公開している競技者一覧(エントリーリスト)にもとづいて注目どころを整理します。エントリーが公表されていない選手を「出場予定」とは書きません。
本サイトの日本ランキング上位勢はどれだけ出るのか
TRACK HUB NEWSが公開している2026年の種目別日本ランキングと、国スポのエントリーリストを突き合わせました。順位は本サイトのランキング記事の集計に準じます。
| 国スポの種目 | 選手 | 所属(所属地) | 資格記録 | 本サイト2026年日本ランキング |
|---|---|---|---|---|
| 成年男子100m | 山本 匠真 | 広島大(広島) | 10.04 | 2位 |
| 成年男子100m | 小室 歩久斗 | 中央大(茨城) | 10.07 | 4位 |
| 成年男子100m | 林 哉太 | ノジマT&FC(三重) | 10.10 | 6位タイ |
| 成年男子100m | 愛宕 頼 | 日本建設工業(福井) | 10.11 | 10位タイ |
| 成年男子800m | 落合 晃 | 駒澤大(滋賀) | 1:43.45 | 1位(日本記録) |
| 成年男子800m | 四方 悠瑚 | 4DIRECTIONS(兵庫) | 1:44.94 | 3位 |
| 成年男子800m | 源 裕貴 | NTN(三重) | 1:45.01 | 4位 |
| 成年男子800m | 萬野 七樹 | 関西大(大阪) | 1:45.31 | 5位 |
| 成年男子800m | 田邉 奨 | 中央大(東京) | 1:45.32 | 6位 |
| 成年男子800m | 岡村 颯太 | 鹿屋体育大(佐賀) | 1:45.51 | 7位 |
| 成年男子800m | 松本 純弥 | 成洋産業(神奈川) | 1:45.64 | 8位 |
| 成年男子800m | 金子 魅玖人 | ARCYELL(千葉) | 1:46.24 | 10位 |
| 成年男子110mH | 野本 周成 | 愛媛競技力本部(愛媛) | 13.12 | 3位 |
| 成年男子110mH | 横地 大雅 | Digverse(東京) | 13.27 | 5位 |
| 成年男子走幅跳 | 山川 夏輝 | Team SSP(佐賀) | 8m02 | 2位 |
| 成年男子走幅跳 | 高橋 朝陽 | 東海大(宮城) | 7m98 | 3位 |
| 成年男子走幅跳 | 津波 響樹 | 大塚製薬(沖縄) | 7m94 | 6位 |
| 成年女子100m | 井戸 アビゲイル風果 | 東邦銀行(福島) | 11.37 | 2位 |
| 成年女子100m | 君嶋 愛梨沙 | 土木管理総合(山口) | 11.38 | 3位 |
| 成年女子100m | 三浦 愛華 | 愛媛競技力本部(愛媛) | 11.40 | 4位 |
| 成年女子100mH | 村岡 柊有 | NSD(北海道) | 12.94 | 5位 |
| 成年女子100mH | 大松 由季 | CDL(愛知) | 12.96 | 6位 |
| 成年女子800m | 塩見 綾乃 | 岩谷産業(京都) | 2:01.67 | 2位 |
この突き合わせから見えてくるのは、種目によってランキング上位勢の集まり方がまったく違うということです。

成年男子800m:日本ランキング上位10人のうち8人
今大会でもっとも豪華な顔ぶれが揃ったのは成年男子800mです。本サイトの2026年 男子800m日本ランキングの上位10人のうち8人がエントリー。出場が確認できないのは2位と9位の2人で、いずれも米国の大学に所属する選手です。先頭に立つのは日本記録保持者の落合晃選手(駒澤大・滋賀)で、資格記録の1分43秒45は日本陸連の日本記録一覧に2026年5月30日樹立として載る日本記録そのもの。22人のエントリーのうち1分47秒台までに13人がひしめき、決勝は5日目の10時30分です。
成年男子走幅跳:ランキング11傑のうち8人
跳躍で最も密度が高いのは成年男子走幅跳です。本サイトの2026年 男子走幅跳日本ランキングで11位までに入っている11人のうち8人がエントリー。資格記録は山川夏輝選手(Team SSP・佐賀)の8m02を筆頭に、23人中13人が7m80以上。決勝は2日目の14時30分、メインの砂場です。
成年男子100m・110mH:日本のトップ勢は分散
一方、2026年 男子100m日本ランキングで10位タイまでに入っている11人のうち、成年男子100mにエントリーしているのは4人にとどまります。資格記録トップは山本匠真選手(広島大・広島)の10秒04。37人がエントリーし10秒30までに18人が並ぶので、予選(1日目14時45分)・準決勝(2日目12時45分)・決勝(2日目15時50分)の3ラウンドを勝ち上がる消耗戦になります。110mHの資格記録トップは野本周成選手(愛媛競技力本部・愛媛)の13秒12で、エントリーは18人。こちらは初日に予選と決勝(16時00分)を1日で消化します。
成年女子:短距離とハードルに実力者が集まった
成年女子100mは35人がエントリーし11秒60までに10人、100mHは22人のうち13秒30までに9人。どちらも0.1秒差の中に数人が並ぶ密度です。ここで効いてくるのが1県1名制限で、愛媛は成年女子100mに三浦愛華選手、成年女子棒高跳に大坂谷明里選手、成年男子110mHに野本周成選手と、愛媛競技力本部の選手を別々の種目に配置しています。得点は種目ごとに積み上がるので、強い選手を1種目に集中させないことがそのまま得点戦略になるわけです。800mはエントリー14人と少なく、4日目12時50分の予選(2組・各組3着+タイム上位2)を抜けた8人が最終日10時20分の決勝を争います。
地元・青森の注目は成年女子ハンマー投
開催県・青森の筆頭は成年女子ハンマー投の村上来花選手(ゼンリン・青森)。資格記録68m83は19人中トップです。村上選手は前回2025年の滋賀大会でも同種目で66m22の大会記録を樹立しており(当時の所属は九州共立大)、地元開催で自身の大会記録を更新できるかが見どころ。決勝は初日13時25分、Aゾーンです。
青森からはほかに、成年女子砲丸投の田中杏実選手が15m04、成年男子円盤投の藤原孝史朗選手が58m42(いずれも青森競技力本部)でともに資格記録5位、成年男子砲丸投の木幡駿平選手(東海大・青森)が16m63で同13位。少年では少年女子A2000mSCの天内星来選手(青森山田高)が6分41秒96で資格記録2位です。
少年の部:高校生と中学3年生が同じ舞台に
少年男子A100mの資格記録トップは菅野翔唯選手(東京農大二高・群馬)の10秒16。5位には、前回2025年の同種目を10秒19の大会タイ記録で制した清水空跳選手(星稜高・石川)が10秒28で入っており、連覇がかかります。エントリーは40人で、10秒50までに22人です。
少年男子A300mHの資格記録トップは後藤大樹選手(洛南高・京都)の35秒29。少年男子A300mでも同じ洛南高の北村澪音選手が32秒55でトップに立っており、1種目1名の制限のなかで京都は300mと300mHの両方に同校の選手を送り込む形になりました。長距離は、少年男子A5000mにボイ ビリス選手(札幌山の手高・北海道)が13分09秒74でエントリー。26人のうち13分30秒を切っているのは1人だけです。少年女子A3000mは川上南海選手(長野東高・長野)の9分09秒58がトップで22人が並びます。
そして前述のとおり、少年男子B走幅跳は中学生を交えた31人の争い。高校1年生と中学3年生が同じ組で跳ぶこの光景は国スポならではです(決勝は3日目10時10分)。エントリーリストには全選手の資格記録が並ぶので、自分の記録の位置も測れます。たとえば少年女子A100mは40人のうち11秒90までに16人。次のシーズンの目標設定にそのまま使える数字です。
高校世代の力関係はインターハイ陸上2026の結果まとめ、大学勢の状態は日本インカレ2026の結果まとめとあわせて読むと立体的に見えてきます。
前回2025年・滋賀大会で何が起きたか
前回の第79回国民スポーツ大会(わたSHIGA輝く国スポ)の陸上競技は、2025年10月3日から7日まで彦根市の平和堂HATOスタジアムで行われました。日本陸連の公式リザルトにある「新・タイ記録一覧表」の38件(うち8件はリレー)から、2026年のエントリーにつながるものを抜粋します。
大会記録が動いた主な種目と、今年戻ってくる選手
| 種目 | 記録 | 選手(当時の所属) | 種類 |
|---|---|---|---|
| 成年男子800m | 1:45.20 | 落合 晃(駒澤大・滋賀) | 大会記録 |
| 成年男子走高跳 | 2m29 | 真野 友博(クラフティア・広島) | 大会記録 |
| 成年女子三段跳 | 13m64 | 髙島 真織子(クラフティア・福岡) | 大会記録 |
| 成年女子ハンマー投 | 66m22 | 村上 来花(九州共立大・青森) | 大会記録 |
| 成年女子棒高跳 | 4m20 | 村田 蒼空(筑波大・群馬/1位) | 大会タイ記録 |
| 成年女子棒高跳 | 4m20 | 大坂谷 明里(愛媛競技力本部・愛媛/2位) | 大会タイ記録 |
| 少年男子A100m | 10.19 | 清水 空跳(星稜高・石川) | 大会タイ記録 |
| 少年女子A800m | 2:01.72 | 久保 凛(東大阪大敬愛高・大阪) | 大会記録 |
この8人のうち、落合・真野・髙島・村上・村田・大坂谷・清水の7選手が2026年の国スポにもエントリーしています。しかも落合選手(1分43秒45)、真野選手(2m30)、髙島選手(14m04)、村上選手(68m83)、大坂谷選手(4m25)の5人は、資格記録がすでに前回の大会記録を上回っています。自分の持つ大会記録を自分で塗り替えにいく構図が、複数の種目で同時に成立しているわけです。
陸上競技の都道府県得点
前回大会の陸上競技で都道府県がどれだけ得点したかも、公式リザルトに収録されています。男女総合(天皇杯得点)と女子総合(皇后杯得点)の上位5県は次のとおりでした。
| 順位 | 男女総合(天皇杯得点) | 女子総合(皇后杯得点) |
|---|---|---|
| 1 | 兵庫 122 | 兵庫 68 |
| 2 | 京都 110 | 長野 64.33 |
| 3 | 福岡 103 | 神奈川 63 |
| 4 | 大阪 96.5 | 大阪 61 |
| 5 | 北海道 94 | 愛知 60.33 |
いずれも参加得点10点を含んだ数字です。注目したいのは、開催県だからといって陸上競技で上位に立てるとは限らない点。前回の開催県・滋賀の女子総合得点は38点(10位タイ)、今年の開催県・青森は前回28点で20位でした。地元開催でこれをどこまで押し上げられるかが、天皇杯・皇后杯の行方に直結します。なお国スポ全体の両杯は全競技の合計で決まり、日本スポーツ協会の過去大会一覧によると前回の第79回大会は開催地・天皇杯・皇后杯のすべてが滋賀県でした。
観戦・配信ガイド|無料ライブ中継と当日の結果
ネット中継は国スポチャンネル
日本スポーツ協会が運営する公式配信サイト「国スポチャンネル」で、陸上競技のライブ配信が予定されています。会員登録不要・完全無料で視聴でき、アーカイブ配信にも対応。競技別ページを見ると、初日はトラック競技(全種別・10時開始)のほかに走高跳(Bゾーン)、ハンマー投(Aゾーン)、棒高跳(バック)が別枠で並んでおり、見たいフィールド種目を選んで追えるつくりです。
当日の結果はどこで見るか
大会公式サイトは、正式競技の記録を載せる国スポの競技記録ページを案内しています。競技日程・結果、都道府県別の抽出、天皇杯・皇后杯の総合成績、PDFのリザルトがここに集約されるので、当日の速報も大会後の確定記録も1か所で追えます。開催県・青森の総合成績は、青森県実行委員会サイトの「青森県 総合成績」ページでも日ごとにPDFで公開されています。
会場で観る場合の注意
青森市実行委員会の競技日程ページには、「一部競技について、競技運営の都合上安全を確保する必要があるために、入場開始時間の変更や観戦事前申込みが必要となる場合があります」との案内が出ています。観戦を計画するなら、直前に青森県・青森市それぞれの実行委員会の公式サイトで最新の案内を確認してください。
競技日程には種目ごとの招集開始・招集完了時刻も載っています。トラック種目はすべて招集完了の15分後に競技開始。フィールド種目は差が大きく、成年男子砲丸投(10/17)や成年女子砲丸投(10/18)は招集完了の30分後ですが、棒高跳は少年男子共通(10/15)も成年女子(10/17)も105分後です。狙った種目があるなら、決勝の開始時刻の30分前には席を確保しておくと確実です。
よくある質問
国スポ陸上2026はいつ、どこで開催されますか?
2026年10月15日(木)から10月19日(月)までの5日間、青森市のカクヒログループアスレチックスタジアム(新青森県総合運動公園陸上競技場)で開催されます。
国スポの陸上に200mや400mはありますか?
ありません。代わりに成年男女と少年Aに300mが設定されています(400mHと男女混合4×400mRはあります)。300mの出場資格は、「100m、200m、400mいずれかの予選会を経た者でもよい」と要項に定められています。
中学生でも出場できますか?
少年Bの区分に限って出場できます。少年Bは2010年4月2日以降に生まれた者が対象で、要項には「ただし、中学生は3年生のみ参加できる」と明記されています。実際に少年男子B走幅跳では、エントリー31人のうち9人が中学校所属の選手でした。
各都道府県から何人が出場しますか?
監督2名と選手29名(男子19名以内・女子19名以内)の計31名以内で編成します。1種目に出られるのは1都道府県から1名で、同じ選手が出場できるのはリレーを除いて2種目までです。
エントリーリストに載っている選手は必ず出場しますか?
必ずしもそうとは限りません。要項9(2)により、疾病・傷害等の特別な事由がある場合は競技者の変更が認められ、やむを得ない場合は2026年10月14日(水)午前9時30分までにTIC(テクニカルインフォメーションセンター)へ競技者変更届を提出することとされています。出場は当日のスタートリストで確定します。
まとめ
国スポ陸上2026は10月15日から19日までの5日間、青森市のカクヒログループアスレチックスタジアムで全56種目が行われます。ポイントは次のとおりです。
- 種別は成年・少年A・少年Bの3つ。生年月日で区切られ、少年Bには中学3年生も入れる
- 200m・400mはなく300mがある、成年女子に走幅跳がないなど、種目構成が独特
- 1位8点からの競技得点と参加得点10点で都道府県が争い、天皇杯・皇后杯に直結する
- 1種目1名・同一人2種目までの制限があるため、全国上位の顔ぶれが種目ごとに大きく偏る
- 成年男子800mと成年男子走幅跳は、日本ランキング上位勢が最も濃く集まった2種目
- ライブ配信は国スポチャンネル、当日の結果は大会公式の競技記録ページで追える
自分の記録が全国のどのあたりにあるかを測る材料としても、国スポのエントリーリストは優秀です。日々の練習と記録を積み上げるなら、陸上練習ノートアプリ「TRACK HUB」で種目別のベスト更新とレース内容を残しておくと、シーズンごとの伸びと課題が数字で見えてきます。



