箱根駅伝予選会2026は、2026年10月17日(土)の8時30分にスタートします。正式名称は第103回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会。陸上自衛隊立川駐屯地から立川市街地を通り、国営昭和記念公園でフィニッシュするハーフマラソン21.0975kmです。各校上位10名の合計タイムで上位10校が、2027年1月2日(土)・3日(日)の本戦へ進みます。この記事では、公式要項の条文と過去4大会の公式リザルトから、通過条件・関門・ボーダーの実像を数字で整理します。

この記事でわかること

  • 箱根駅伝予選会2026はいつ・どこで行われ、何時にスタートするのか
  • 何校が通過でき、合計タイムが並んだときはどう決まるのか
  • 21.0975kmのコースはどう構成され、関門と打ち切りは何分なのか
  • 通過ライン(ボーダー)は過去4大会でどれくらいの差だったのか
  • 現地で見るとき・テレビで見るときに何を押さえておけばいいのか

秋の朝、直線路を大集団で走る大学生ランナーたち

箱根駅伝予選会2026の基本情報|10月17日8時30分スタート

まず結論から、第103回予選会の要項(関東学生陸上競技連盟・2026年7月1日時点)の記載をそのまま整理します。

項目内容
大会名第103回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会
期日2026年10月17日(土)8時30分スタート(予定)
場所陸上自衛隊立川駐屯地〜立川市街地〜国営昭和記念公園
距離ハーフマラソン 21.0975km
主催一般社団法人関東学生陸上競技連盟
共催読売新聞社
特別後援日本テレビ放送網株式会社
後援報知新聞社、国営昭和記念公園、立川市、立川商工会議所
運営協力公益財団法人東京陸上競技協会、陸上自衛隊立川駐屯地
通過校数上位10校(加えて関東学生連合チームを編成)
本戦第103回東京箱根間往復大学駅伝競走 2027年1月2日(土)〜3日(日)
申込締切2026年10月5日(月)9時00分
代表者会議2026年10月14日(水)18時30分〜(オンライン)

要項の距離の項には「本大会はWRk申請大会」と添えられています。WRkはワールドランキングコンペティションの略で、日本陸上競技連盟のWRk対象競技会についての案内によれば、ワールドアスレティックスに事前申請し承認を受けた、ワールドランキングの対象となる競技会を指します。学生の大会ですが、記録の扱いは国際基準に乗っているということです。

「箱根駅伝2026」とは別の大会です

検索するときにいちばん混乱が起きやすいところなので、先に整理しておきます。

2026年1月2日・3日に行われた本戦は第102回で、青山学院大学が10時間37分34秒の総合新記録で優勝しました。その予選会は1年前の2025年10月18日に終わっています。一方、2026年10月17日に行われるのは第103回の予選会で、ここを通過した大学が走るのは2027年1月の本戦です。「箱根駅伝予選会2026」という言葉は、どちらを指すかで1年ずれます。この記事が扱うのは後者です。

スタートが8時30分になった経緯

予選会のスタートは長く9時35分でしたが、関東学生陸上競技連盟が2025年3月25日付の「スタート時刻について」という文書で、第102回大会から8時30分に繰り上げると発表しました。同連盟は理由を「温暖化の影響による選手の安全確保」と説明しています。

  • 第101回(2024年10月19日)まで:9時35分スタート
  • 第102回(2025年10月18日)から:8時30分スタート

つまり2026年の予選会は、8時30分になってから2回目です。今年から変わったわけではない点に注意してください。10月中旬の立川で、しかもハーフマラソンの距離を走る以上、暑さ対策は主催者側の前提条件になっています。同じ10月に行われる全国大会としては、青森で開かれる国民スポーツ大会の陸上競技が10月15日から19日の日程で組まれています。

出場校が確定するのは10月5日

2026年10月3日時点で、出場校の一覧は公表されていません。申込の締切が10月5日(月)9時00分だからです。関東学連は9月10日付の「エントリー希望について」で、9月21日17時までに出場の可能性がある大学へアンケート回答を求め、9月28日までにエントリーシートを送付すると案内していました。

前回(第102回)はエントリー一覧が10月7日付で公開されています。今年も締切の翌週には、出場校と選手名が関東学連の第103回予選会ページに掲載される見込みです。直近の通常開催の出場校数は42校から43校で推移しています(内訳は後述のボーダー表)。

通過条件は「各校上位10名の合計タイム」|要項で読むルールの全体像

予選会のルールは、要項の12項と13項に凝縮されています。

選考方法と順位の決め方

選考方法は「各校上位10名の合計タイムにより10校を選び、あわせて関東学生連合チームを編成する」と定められています。10人のうち誰か1人が崩れると、その分がそのままチームの合計に乗ります。エースの個人順位ではなく、10人目までの厚みで決まる競技です。

参考までに、前回の通過ライン10時間36分56秒を10人で割ると、1人あたり平均1時間03分42秒。チーム10人全員がこの水準を守って初めて届く計算になります。

そして、ほとんどの記事が触れていないのが順位決定方法の規定です。要項13項は、同タイムになった場合の処理を3段階で定めています。

段階判定基準
1競技成績での上位10名の合計タイムが少ない大学を上位とする
21でも同タイムの場合は、上位10名の合計順位が少ない大学を上位とする
32でも決定しない場合は、各校最上位競技者の順位が上位の大学を上位とする

後述するように、この予選会は10位と11位が1秒差で決まった年があります。同秒で並ぶ可能性が現実にある大会で、その先まで条文が用意されているわけです。

エントリー人数と出走人数

  • 1校1チーム
  • エントリーは10名以上16名以下
  • 出走人数は10名以上12名以下
  • 成績に算入されるのは各校上位10名

出走が10名に満たない大学は出場が認められません。また前回大会の競技注意事項には、完走者が10名に満たないチームはチーム記録なしとする規定がありました。これは空文ではありません。前回の第102回では防衛大学校が10名で出走しながら2名が途中棄権し、完走8名となってチーム順位がつかず、公式のチーム成績表に「記録なし」と記載されています。

参加資格と参加標準記録

  • 2026年度の関東学連男子登録者で、予選会と箱根駅伝本戦の出場回数が通算4回未満の者に限る
  • ここでいう「出場」は、エントリーした時点で出場とみなす
  • 別個加盟の大学院の競技者は、学部での出場回数に関係なく新たに4回まで出場できる
  • 2025年1月1日から申込期日の前日までに、各校のエントリー者全員が10000m 34分00秒以内またはハーフマラソン73分00秒以内の公認記録を有していること
  • 第104回関東学生陸上競技対校選手権大会 男子2部ハーフマラソンで樹立された記録は、資格記録として認める

注目したいのは「エントリー者全員が」という条件です。10人だけ速ければいいのではなく、16人までエントリーするなら16人全員が標準記録を持っていなければなりません。選手層の薄い大学にとっては、スタートラインに立つこと自体が最初の関門になります。

第102回からの変更点

編集部で第102回と第103回の要項の条文を1項ずつ突き合わせたところ、主な変更点は次のとおりでした。

項目第102回(2025年)第103回(2026年)
エントリー人数10名以上14名以下10名以上16名以下
出走人数10名以上12名以下10名以上12名以下(変更なし)
資格記録の対象期間2024年1月1日〜申込期日前日2025年1月1日〜申込期日前日
申込締切2025年10月6日(月)8時00分2026年10月5日(月)9時00分
エントリー希望の回答期限2025年9月22日(月)17時00分2026年9月21日(月・祝)17時00分
代表者会議2025年10月15日(水)18時30分2026年10月14日(水)18時30分
スタート整列順の基準第101回本戦および同予選会の順位第102回本戦および同予選会の順位
特別協賛サッポロホールディングス株式会社サッポロビール株式会社

実質的な変更はエントリー枠の2名増です。出走は最大12名のままなので、エントリー段階で4名分の余裕を持てるようになった、という読み方になります。ただし要項は「申込み後の競技者の変更は認めない」とも定めているため、締切後の差し替えはできません。

スタートの並び順も決まっている

意外に知られていませんが、スタートラインの並び順にも規定があります。要項16項は次のように定めています。

  1. 第102回本戦および同予選会の順位順に並ぶ
  2. それ以外の大学は、エントリー者上位10名の10000mの合計タイム上位順
  3. 10000mの有資格者が10名揃わない大学は最後尾。複数校ある場合は抽選
  4. 50校を超える申込があった場合、51校以降は50校が整列した後方に、スタートラインに対して並行に並ぶ

40校以上が一斉に走り出すレースで、前方から出られるかどうかは序盤の走りやすさに直結します。前年の成績がそのまま並び順になる以上、今年の結果は来年のスタート位置にも効いてきます。

伴走は禁止、補助員の派遣は義務

要項には、競技以外の義務も書かれています。

  • 自動車・自動二輪車・自転車等による伴走は一切認めない。違反が判明した大学は失格
  • 出場校は予選会に補助員を10名以上派遣する
  • 予選会を通過しなかった場合でも、2027年1月2日・3日の本戦に補助員を15名以上派遣する

3つ目は、読むと見方が変わる条文です。10月に落選した大学も、1月の箱根路には15名以上のスタッフを送り出しています。本戦のコース沿いで旗を持ち、交通整理をしている学生の中には、予選会で涙をのんだ大学の部員が含まれているということです。

大学生の全国大会としては9月の日本インカレの結果も参考になります。トラックで戦ってきた選手が、秋以降はロードへ軸足を移していきます。

コース21.0975kmと関門|駐屯地3周から立川市街地、昭和記念公園へ

第103回予選会のコース図を見ると、21.0975kmは大きく3つのパートに分かれています。

区間おおよその距離内容
陸上自衛隊立川駐屯地内スタート〜約8km駐屯地内を3周。ほぼ平坦な直線の繰り返し
立川市街地約8km〜13.5km駐屯地を出て立川北駅・高松・泉体育館駅方面を回り、砂川五差路から砂川口へ
国営昭和記念公園内約13.5km〜ゴール公園に入り、玉川上水口・昭島口・西立川口の外周を回って「みんなの原っぱ」でフィニッシュ

序盤の3周はほぼ同じ景色の繰り返しで、集団が大きいまま動きます。勝負が動くのは駐屯地を出てからで、信号や交差点のある市街地を抜け、公園内のアップダウンに入る終盤で差がつきます。

給水は6か所。各校が給水できるのは8km地点だけ(前回規定)

第103回のコース図には、給水地点が8km・10km・13.5km・14km・17km・19kmの6か所に記されています。運用の詳細は第103回分がまだ公開されていないため、以下は前回大会の競技注意事項の内容です。

  • 各大学が自前で給水できるのは8km地点だけ。給水員は3名以内で、1大学につき机1台、識別のため各校がのぼり1本を掲示する
  • 10km・13.5km・14km・17km・19kmの給水は主催者が行い、紙コップとペットボトルの両方を用意する
  • 13.5km地点と17km地点にはスポンジも設置される
  • スペシャルドリンクは一切認められない。主催者が用意した水を使う

前回大会ではこの8km地点だけが大学名ののぼりの並ぶ区間になりました。駐屯地を出た直後、市街地に入る手前という位置も含めて、各校のスタッフが選手に関われる唯一のポイントです。

ロードレースのコース脇に並べられた給水の紙コップ

レースは1時間24分で打ち切り。関門は8kmと12.5km

今年の要項16項は「レースは1時間24分を以って終了とする。レース打ち切り時には後続から後尾車が来るまでその場で待機し、その後の指示に従うこと」と定めています。これは第103回の規定です。

関門が置かれる地点は、交通規制のお知らせに「8km関門」「12.5km関門」として記載されています。その制限時刻については、前回大会の競技注意事項が次のように定めていました。

  • 8km地点:スタート後29分30秒(1kmあたり3分41秒)を経過しても到達しない競技者は失格
  • 12.5km地点:スタート後47分30秒(1kmあたり3分48秒)を経過しても到達しない競技者は失格
  • 加えて、先頭走者が国営昭和記念公園内の最終周回に入った時点で合流点に到達していない競技者も失格

第103回の競技注意事項は10月3日時点でまだ公開されていません。関門の具体的な時刻は、大会前に関東学連のウェブサイトで更新される可能性があります。

参考として、前回の第102回では499名が出走し、495名が完走、途中棄権は4名でした。最後の完走者の記録は1時間22分16秒で、打ち切りの1時間24分00秒まで1分44秒という際どさでした。ハーフマラソンを走り切るだけでは足りず、時間内に関門を通過し続けなければならない大会です。

編集部による検算:先頭は約2分51秒/km、最後尾は関門と並んで進む

交通規制のお知らせには、地点ごとの通過予定時刻が載っています。この数値から、警視庁が想定しているペースを逆算してみました。

  • 先頭は8.1km地点を8時53分ごろ通過。スタートから23分なので、1kmあたり約2分50秒
  • 先頭は14.0km地点を9時10分ごろ通過。スタートから40分なので、1kmあたり約2分51秒
  • この平均ペースを21.0975kmに当てはめると、フィニッシュは1時間00分17秒ほど、時刻でいえば9時30分ごろという計算になります
  • 最後尾は14.0km地点を9時22分ごろ。スタートから52分なので、1kmあたり約3分43秒。同じ計算でフィニッシュは9時48分ごろとなり、打ち切りの9時54分まで約6分の余裕です

この想定が実態に合っているかは、前回の記録で確かめられます。第102回の個人成績によると、優勝したブライアン キピエゴ選手の通過は10km 28分43秒(1kmあたり2分52秒)、20km 57分17秒(同2分52秒)、フィニッシュ1時間00分16秒。警視庁の想定した約2分50秒から2分51秒とほぼ一致しており、この通過予定時刻はそのまま観戦の目安に使えます。

さらに、最後尾の通過予定時刻を前回の関門時刻と並べると、両者がほとんど重なることがわかります。

  • 8.1km地点の最後尾通過予定は8時59分ごろ。前回の8km関門は8時59分30秒にあたる
  • 12.0kmの最後尾通過予定が9時14分ごろ、13.0kmが9時18分ごろなので、12.5kmはおよそ9時16分。前回の12.5km関門は9時17分30秒にあたる

最後尾を走る選手は、関門と1分前後の差で並走している想定だということです。沿道で最後尾を見送るとき、その集団が時間と戦っていることを知っておくと見え方が変わります。

路面はほぼ舗装路で、距離はハーフマラソン。トラックとロードで規定が分かれる厚底シューズの扱いは、この大会ではロードの基準が適用されます。中高生がこのレースを目標にするなら、21kmを走り込む前にシンスプリントなどの故障をどう避けるかを先に押さえておきたいところです。

前回・第102回予選会の結果から読むボーダーライン

ここからは実際の数字を見ます。すべて関東学連が公開しているチーム成績の公式PDFから転記しました。

第102回(2025年10月18日)のチーム成績

順位大学最終総合タイム区分
1中央学院大学10時間32分23秒本戦へ
2順天堂大学10時間32分35秒本戦へ
3山梨学院大学10時間32分44秒本戦へ
4日本大学10時間32分57秒本戦へ
5東海大学10時間34分07秒本戦へ
6東京農業大学10時間34分59秒本戦へ
7神奈川大学10時間36分07秒本戦へ
8大東文化大学10時間36分12秒本戦へ
9日本体育大学10時間36分14秒本戦へ
10立教大学10時間36分56秒本戦へ
11法政大学10時間37分13秒連合チーム枠
12明治大学10時間38分54秒連合チーム枠
13専修大学10時間39分06秒連合チーム枠
14日本薬科大学10時間40分25秒連合チーム枠
15駿河台大学10時間40分42秒連合チーム枠
16筑波大学10時間44分03秒連合チーム枠
17拓殖大学10時間48分23秒連合チーム枠
18芝浦工業大学10時間49分07秒連合チーム枠
19国士舘大学10時間49分25秒連合チーム枠
20上武大学10時間50分36秒連合チーム枠

出典は第102回予選会のチーム成績です。出場は42チームで、うち41校に順位がつき、防衛大学校が記録なしでした。21位以下は麗澤大学(10時間50分42秒)、明治学院大学、桜美林大学と続きます。

「区分」欄は後述する関東学生連合チームの編成ルールに沿ったものです。11位から20位の10校には連合チームの枠が1つずつ与えられ、21位以下の大学は個人枠の対象になります。

10位の立教大学と11位の法政大学の差は17秒です。10人の合計で17秒ということは、1人あたり1.7秒。ハーフマラソンを走って1人1.7秒の差で明暗が分かれました。1位から10位までも4分33秒の中に10校が入っています。

個人の上位と日本人トップ

順位選手所属記録
1ブライアン キピエゴ山梨学院大学1時間00分16秒
2シャドラック キップケメイ日本大学1時間00分31秒
3ジョセフ ムイガイ平成国際大学1時間00分52秒
4ラファエル ロンギサ拓殖大学1時間00分58秒
5カマウ パトリック上武大学1時間01分10秒
6スティーブン レマイヤン駿河台大学1時間02分04秒
7近田 陽路中央学院大学1時間02分04秒
8平島 龍斗日本体育大学1時間02分06秒

日本人トップは7位の近田陽路選手(中央学院大学)で1時間02分04秒。6位のレマイヤン選手と秒単位では同タイムでした。所属の中央学院大学はチームでも1位通過を果たしています。

この記録表でもうひとつ目を引くのが12位です。秋吉拓真選手(東京大学)が1時間02分12秒で入っています。東京大学はチーム成績では36位でしたが、個人では上位争いに加わる選手が出ていました。予選会が「強豪校の選手だけが走る大会ではない」ことを示す数字です。

通過ラインは4大会連続で1分以内の争い

関東学連が公開している過去4大会のチーム成績から、通過ラインと落選1番手の差を並べました。

予選会開催日出場通過最終通過校落選1番手差
第99回2022年10月15日43校10校10位 国士舘大学 10時間48分55秒11位 神奈川大学 10時間49分29秒34秒
第100回2023年10月14日57校13校13位 山梨学院大学 10時間39分47秒14位 東京国際大学 10時間39分50秒3秒
第101回2024年10月19日43校10校10位 順天堂大学 11時間01分25秒11位 東京農業大学 11時間01分26秒1秒
第102回2025年10月18日42校10校10位 立教大学 10時間36分56秒11位 法政大学 10時間37分13秒17秒

4大会すべてが1分以内、うち2大会は数秒差です。第101回の1秒差は、10人の合計で1秒。1人あたり0.1秒という計算になります。要項13項が3段階のタイブレークを用意している理由が、この表から読み取れます。

なお第100回は箱根駅伝の記念大会の予選会で、全国の大学に門戸が開かれ、通過枠も13校でした。要項にも「各校上位10名の合計タイムにより13校を選ぶ」と明記されています。出場57校には関西・東海・北海道・九州・中国四国・北信越の大学が含まれ、関東以外で最上位だったのは27位の京都産業大学です。

一方で、合計タイムの水準そのものは年ごとに大きく動きます。第101回の通過ラインが11時間01分25秒、第102回が10時間36分56秒で、1年で24分29秒も速くなりました。関東学連は変動の要因を説明していないため理由は断定しませんが、第102回はスタート時刻が8時30分に繰り上がった最初の大会でもあり、条件が同一ではなかったことは記録として残ります。通過ラインは絶対値ではなく、同じ日に走った他校との相対差で見るべき数字です。

2027年の本戦に出る21チームの内訳|シード10校と予選会10校

予選会の意味を正しくつかむには、本戦の出場枠の構造を知っておく必要があります。

第103回本戦は21チーム

箱根駅伝公式サイトの大会概要によると、本戦には前回大会の上位10校(シード校)、予選会を通過した10校、そして関東学生連合チームを加えた合計21チームが出場します。本戦のコースは往路107.5km・復路109.6kmの10区間217.1kmです。

関東学生陸上競技連盟が2025年12月25日に公表した文書にも「第103回は変更前の合計21チームで実施します」と明記されています。

シード校10校と、予選会に回る10校

2026年1月の第102回本戦の総合成績から、第103回のシード権を得た10校と、得られなかった10校を分けて示します。記録は箱根駅伝公式サイトの往復総合公式記録によります。

区分順位大学総合タイム
シード獲得1青山学院大学10時間37分34秒(大会新)
シード獲得2國學院大學10時間40分07秒
シード獲得3順天堂大学10時間43分55秒
シード獲得4早稲田大学10時間44分29秒
シード獲得5中央大学10時間44分31秒
シード獲得6駒澤大学10時間44分50秒
シード獲得7城西大学10時間46分17秒
シード獲得8創価大学10時間51分40秒
シード獲得9帝京大学10時間53分15秒
シード獲得10日本大学10時間53分56秒
予選会が必要11中央学院大学10時間54分51秒
予選会が必要12東海大学10時間55分01秒
予選会が必要13神奈川大学10時間55分09秒
予選会が必要14東洋大学10時間56分27秒
予選会が必要15日本体育大学10時間56分42秒
予選会が必要16東京国際大学10時間58分16秒
予選会が必要17山梨学院大学10時間58分20秒
予選会が必要18東京農業大学11時間01分12秒
予選会が必要19大東文化大学11時間04分57秒
予選会が必要20立教大学11時間05分58秒

予選会を勝ち抜いても、翌年また同じ場所に戻ってくる

この表を前回の予選会の結果と重ねると、構図が見えてきます。

前回の予選会を通過した10校のうち、本戦でシード権まで届いたのは3位の順天堂大学と10位の日本大学の2校だけでした。残る8校、つまり中央学院大学・東海大学・神奈川大学・日本体育大学・山梨学院大学・東京農業大学・大東文化大学・立教大学は、本戦に出るためには再び予選会を走る必要があります。

前回の予選会を1位で通過した中央学院大学も、本戦では11位でシードを逃しました。予選会を勝ち抜いても、翌年また10月の立川に戻ってくる大学のほうが多い。これがこの大会の実像です。

今年の焦点:シード校から転落した東洋大学と東京国際大学

11位から20位の10校のうち、残る2校の事情は他の8校と違います。東洋大学(本戦14位)と東京国際大学(同16位)です。

関東学連が公開しているチーム成績を第99回までさかのぼって確認したところ、東洋大学の名前は第99回・第100回・第101回・第102回のいずれの予選会の出場校にもありません。確認できる範囲の4大会では、シード校として予選会を免除され続けてきたことになります。東京国際大学も、第100回で14位、第101回で8位と予選会を走っていますが、前回の第102回には出場していません。

強豪校がシードを失って予選会に回ると、通過ラインそのものが押し上げられます。上位に厚い大学が1校増えるだけで、ボーダー付近の10校が玉突きで押し出されるからです。17秒・1秒という差で決まってきた大会で、この2校がどこに入るかは全体の構図を変えます。

ただし、各校が実際にエントリーするかどうかは申込締切を過ぎるまで確定しません。出場校一覧が公表されたら関東学連の発表で確認してください。

予選会で11位から20位に入ると、関東学生連合の枠が得られる

落選した大学の選手にも道があります。関東学生連合チームです。

関東学連は2025年6月19日付の文書で、第102回大会からこのチーム(16名)の編成方法を変更したと発表しています。

編成方法
変更前予選会の落選校の所属選手のうち、各校1名で、予選会個人順位の上位16名で編成する
変更後予選会総合11位から20位の上位10大学に1枠ずつ与え、12月上旬のエントリー締切までに各校内で選出された選手と、21位以下の大学の所属選手のうち各校1名で予選会個人順位の上位6名との、合計16名で編成する

あわせて、本戦で単独チームまたは連合チームで既に2回以上の出走経験がある選手は対象から除外されます(変更前は1回以上)。外国人留学生選手が対象外である点は変わりません。

要するに、予選会は「10位以内に入る戦い」であると同時に、「20位以内に入ってチーム枠を確保する戦い」でもあります。11位から20位の大学は、予選会が終わった後も学内で1枠を争うことになります。関東学連はこの狙いを、落選校内での切磋琢磨を生むこと(チーム枠)と、チーム順位が下位でも出場を可能にする多様性の確保(その他個人枠)の両立だと説明しています。

第104回から出走チーム数が3つ増える

関東学連は2025年12月25日、箱根駅伝の記念大会改革と出走チーム数増加についての文書を公表しました。

変更前変更後
通常大会合計21チーム(単独20+関東学生連合)合計24チーム(単独23+関東学生連合)
記念大会合計23チーム(単独23)合計26チーム(単独25+日本学生選抜チーム)

ポイントは適用時期です。この増加は第104回大会からで、文書には「なお、第103回は変更前の合計21チームで実施します」と明記されています。今年10月17日の予選会は、現行の21チーム体制で行われる最後の予選会ということになります。

あわせて記念大会の制度も変わりました。

  • 記念大会の頻度を5年に1回から4年に1回に変更し、次は2028年1月実施の第104回を記念大会とする
  • 以降は開催回数・西暦ともに4の倍数の年(オリンピック開催年)の年明けに実施する
  • 記念大会の予選会には全国の大学が参加できる。予選会を突破すれば本選にも出場できる
  • 記念大会の本選では、関東学生連合チームに代えて、予選会の結果によって編成される日本学生選抜チームを出走チームに加える

つまり第104回の予選会(2027年10月の見込み)は、再び全国の大学が参加できる記念大会の予選会になります。第100回がそうだったように、出場校数は大きく膨らむ可能性があります。

ひとつ補足すると、この文書が定めているのは本戦の出走チーム数であり、予選会の通過校数が何校になるかは示されていません。「来年から通過枠が13になる」といった記述を見かけても、2026年10月3日時点の公式文書に根拠はありません。

現地観戦・交通規制・テレビ放送

テレビ放送は10月17日8時25分から

日本テレビ 箱根駅伝番組公式サイトの予選会OA情報によると、予選会の放送は次のとおりです。

項目内容
日時2026年10月17日(土)午前8時25分〜10時25分
放送日本テレビ(関東エリア)ほか
解説大後栄治(前 神奈川大学監督・関東学生陸上競技連盟副会長)、上田誠仁(初代 山梨学院大学監督)
実況田中毅(センター)、弘竜太郎(2号車)、大町怜央(3号車)
リポート蛯原哲、山本里咲

放送開始の8時25分は、スタートの5分前です。BS・CSやネット配信については、10月3日時点で日本テレビの公式サイトに記載がありません。前回大会ではBS日テレと日テレG+でも放送されましたが、今年の編成は発表を待つ必要があります。

交通規制は8時30分から9時30分

関東学連が公開している警視庁作成の交通規制のお知らせによると、規制時間は2026年10月17日(土)の8時30分から9時30分です。地点ごとの通過予定時刻は次のとおりです。

順路スタートからの距離先頭通過予定最後尾通過予定
18.1km8時53分ごろから8時59分ごろまで
29.0km8時55分ごろから9時02分ごろまで
310.0km8時58分ごろから9時06分ごろまで
411.0km9時01分ごろから9時10分ごろまで
512.0km9時04分ごろから9時14分ごろまで
613.0km9時07分ごろから9時18分ごろまで
714.0km9時10分ごろから9時22分ごろまで

通行止めになる区間は2か所です。立川警察前からあけぼの口にかけては8時30分から9時10分ごろまで、砂川五差路から幸町1丁目にかけては8時45分から9時25分ごろまで、車両が通れなくなります。

観戦する側が押さえておきたいのは、次の3点です。

  • 選手の走るスピードはおおむね時速20km
  • 選手通過のおおむね3分前から、コースの横断ができなくなる
  • 選手は片側車線を走るため、沿道の駐車は控える

目当ての地点に行くなら、上の表の「先頭通過予定」の10分前には到着しておきたいところです。問い合わせ先は関東学連(03-5411-1488、当日は大会本部に転送)、交通情報は立川警察署(042-527-0110)と案内されています。

現地で見るときの注意点

第103回の観戦案内は、10月3日時点でまだ公開されていません。参考までに、前回(第102回)の「ご来場の皆さまへ」に書かれていた内容を挙げます。今年も同様の案内が出る可能性が高いので、大会前に関東学連のウェブサイトで最新版を確認してください。

  • 陸上自衛隊立川駐屯地内での観戦はできない。沿道と国営昭和記念公園内から応援する
  • 公園内では鳴り物を使用できない
  • 前回の開門時刻は、立川口・西立川口・砂川口が7時30分から、昭島口・玉川上水口が9時30分から
  • 入園の際は、各入場口付近の販売所で入園券を購入する
  • 前回は立川口・西立川口・砂川口の各駐車場が7時30分から利用できた。駐車料金は公園公式サイトに掲載
  • 公園内フィニッシュ手前の出場校応援団の活動場所は、各大学の応援団のみが使用できる
  • 17.4km折り返し地点は入場禁止、北管理ヤードと15.5km地点は応援禁止
  • 当日限定で大会プログラムを販売(前回は1部2,000円・税込)
  • 前回は10時00分ごろから、みんなの原っぱの特設ステージで結果発表を実施

国営昭和記念公園の入園料は、公式サイトによると大人(高校生以上)450円、シルバー(65歳以上)210円、中学生以下は無料です。アクセスは、JR中央線の立川駅北口から立川ゲートまで徒歩約18分、JR青梅線の西立川駅公園口から西立川ゲートまで徒歩約2分です。フィニッシュ地点の「みんなの原っぱ」は公園の中央付近にあるため、歩く距離を考えて入場口を選んでください。

走る側の朝はさらに早く進みます。前回大会の競技注意事項によると、第1次招集は駐屯地内で6時40分に始まり6時55分に完了。最終招集は7時45分開始で8時00分完了でした。8時30分のスタートまでに、ここから逆算して朝食と動き出しを組み立てることになります。試合当日の食事を逆算して組み立てる考え方は、早朝スタートのロードレースを走る中高生にもそのまま当てはまります。

よくある質問

箱根駅伝予選会2026はいつ、どこで行われますか

2026年10月17日(土)の8時30分スタートです。会場は陸上自衛隊立川駐屯地から立川市街地を経て国営昭和記念公園までで、距離はハーフマラソンの21.0975kmです。

予選会は何校が通過できますか

上位10校です。各校上位10名の合計タイムで順位が決まります。これに加えて、通過できなかった大学の選手で関東学生連合チームが編成されます。前回大会の上位10校はシード校として予選会が免除されており、本戦には合計21チームが出場します。

「箱根駅伝2026」と「箱根駅伝予選会2026」は同じ大会ですか

別の大会です。2026年1月の本戦は第102回で、青山学院大学が優勝して終わっています。2026年10月17日に行われるのは第103回の予選会で、ここを通過した大学が走るのは2027年1月2日・3日の本戦です。

同じタイムの大学が並んだらどうなりますか

要項13項に3段階の規定があります。まず上位10名の合計タイムが少ない大学が上位。同タイムなら上位10名の合計順位が少ない大学が上位。それでも決まらない場合は、各校の最上位競技者の順位が上位の大学が上位になります。

テレビで見られますか。現地で見学はできますか

日本テレビが10月17日午前8時25分から10時25分まで、関東エリアほかで放送します。現地では沿道と国営昭和記念公園内から観戦できます。陸上自衛隊立川駐屯地内には入れません。交通規制は8時30分から9時30分です。

まとめ

箱根駅伝予選会2026(第103回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会)の要点を整理します。

  • 2026年10月17日(土)8時30分スタート。陸上自衛隊立川駐屯地〜立川市街地〜国営昭和記念公園のハーフマラソン21.0975km
  • 各校上位10名の合計タイムで上位10校が、2027年1月2日・3日の第103回本戦へ進む
  • 同タイムの場合は、合計順位、最上位競技者の順位という3段階のタイブレークで決まる
  • 過去4大会の通過ラインと落選1番手の差は34秒・3秒・1秒・17秒。すべて1分以内
  • 関門は8kmと12.5km。レースは1時間24分で打ち切られる(要項16項)
  • 本戦の出走チーム数は第104回から21から24に増える。今年は現行枠で行われる最後の予選会
  • 出場校の一覧は10月5日9時の申込締切後に公表される見込み

この記事の数値は、すべて2026年10月3日時点で公開されている関東学生陸上競技連盟・箱根駅伝公式サイト・日本テレビ公式サイト・国営昭和記念公園公式サイトの情報に基づいています。競技注意事項や観戦案内など、大会直前に更新される資料があるため、現地に向かう前に関東学連の大会ページで最新版を確認してください。

10人の合計で1秒を争う大会を見ていると、日々の練習の1本1本がどう積み上がるのかを考えさせられます。陸上練習ノートアプリ「TRACK HUB」では、日々の練習内容とコンディションを記録し、レースまでの流れを振り返ることができます。ハーフマラソンのようにペース配分が結果を左右する種目こそ、練習での走りを数字で残しておくと、次の1本の判断が変わります。