出雲駅伝2026(第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走)の結果は、早稲田大学の優勝でした。2026年10月12日、出雲大社正面鳥居前から出雲ドーム前までの6区間45.1kmで行われ、早稲田が2時間5分56秒でフィニッシュ。優勝は2010年の第22回以来16年ぶり、第8回・第22回に続く3度目です。

この記録は、駒澤大学が第35回に出した従来の大会最高記録2時間7分51秒を1分55秒更新する大会新。しかも大会新は早稲田だけではありません。2位の國學院大學から7位の駒澤大学までが続き、早稲田を含む上位7チームがそろって2時間7分51秒を破りました。区間記録も6区間のうち3区・4区・5区で合計10人が従来の区間最高記録を上回り、ほかに1人が区間タイ記録を出しています。

この記事では、大会公式サイトが公開している総合成績PDFと区間順位PDF(第1区から第6区まで6本)を全行照合したうえで、総合順位・全6区間の区間順位・中継所ごとの順位変動・記録更新の中身を1ページにまとめます。さらに、この結果によって確定した第39回大会の地区別出場枠まで扱います。

この記事でわかること

  • 出雲駅伝2026の総合順位(オープン参加を含む全22チーム)と優勝タイム
  • 全6区間の区間賞と区間順位、そして区間新記録10本の内訳
  • 各中継所でどのチームが何位を走っていたかという順位の推移
  • 大会記録が7チームも更新された背景にある、スタート時刻の前倒しと当日の気象
  • この結果で決まった第39回大会(次回)の地区別出場枠

秋の並木道を走る大学駅伝のランナーたち

出雲駅伝2026の総合結果|早稲田大学が2時間5分56秒で優勝

まず総合順位です。以下は大会公式サイトが公開している総合成績から転記しました。チーム名の右に添えた地区名は、公式の出場チーム紹介の地区名欄の表記です。アイビーリーグ選抜と中国四国学連選抜は同欄が「―」になっているため、それぞれ招待チーム、オープン参加と補っています。

TRACK HUB RESULTS

第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走

2026-10-12 出雲大社正面鳥居前〜出雲ドーム前(6区間45.1km)

総合成績

順位選手所属記録備考
1早稲田大学関東2:05:56大会新
2國學院大學関東2:06:54大会新
3アイビーリーグ選抜招待2:07:24大会新
4順天堂大学関東2:07:33大会新
5中央大学関東2:07:36大会新
6帝京大学関東2:07:41大会新
7駒澤大学関東2:07:45大会新
8日本大学関東2:08:15
9創価大学関東2:08:31
10城西大学関東2:09:22
11青山学院大学関東2:09:53
12関西大学関西2:15:55
13札幌学院大学北海道2:16:34
14東北学連選抜東北2:16:37
15皇學館大学東海2:16:38
16信州大学北信越2:17:09
17京都産業大学関西2:17:32
18広島経済大学中国四国2:18:46
19第一工科大学九州2:19:13
20金沢学院大学北信越2:20:38
21北海道大学北海道2:28:21
OPN中国四国学連選抜オープン参加2:19:11総合順位は付かない

総合順位は21チーム、出走は22チーム

表を見て戸惑いやすいのが、最後の中国四国学連選抜です。このチームはオープン参加で、公式の出場チーム紹介でも地区名の欄が「―」、出場回数の欄が「オープン参加」と記載されています。総合成績PDFでも順位欄は数字ではなくOPNと表示され、各中継所での通算順位はすべて0と記録されています。

つまり出走したのは22チームですが、総合順位が付くのは21チームです。2時間19分11秒というタイムは第一工科大学の2時間19分13秒より2秒速いものの、順位としては第一工科大学が19位になります。「22チーム中◯位」という数え方をすると以降がすべてずれるので、この記事では順位の付く21チームとオープン参加1チームを分けて扱います。

なお区間ごとの順位は扱いが違い、オープン参加の選手も含めた22人で付けられます。次章の区間順位表に中国四国学連選抜の選手が並んでいるのはそのためです。

コースは6区間45.1km、最長は10.2kmの6区

結果を読む前提として、コースの構成も押さえておきます。出雲大社正面鳥居前をスタートし、出雲ドーム前でフィニッシュする6区間45.1kmです。

区間距離長さの順位
1区8.0km3番目
2区5.8km最短
3区8.5km2番目
4区6.2km5番目
5区6.4km4番目
6区10.2km最長

6区間の合計は8.0+5.8+8.5+6.2+6.4+10.2で45.1kmになります。最長の6区と最短の2区では4.4kmの差があり、同じ駅伝でも区間によって求められる能力がはっきり違います。今大会で記録が集中したのは、このうち3区・4区・5区でした。

早稲田大学の優勝|16年ぶり3度目、6区間中4区間で区間賞

早稲田大学は第1回から数えて31回目の出場で、優勝は第8回、第22回に続く3度目です。公式の出場回数・順位表は第1回を1989年として第37回(2025年)までの全順位を載せており、そこから数えると第22回は2010年にあたります。16年ぶりの戴冠ということになります。

興味深いのは、この「16年ぶり」という数字をチーム自身がレース前から口にしていたことです。大会公式サイトの選手紹介ページに掲載された早稲田大学の監督コメントは、次の一文でした。

スピードと勝負強さのある選手が揃いました。16年ぶりの優勝目指して頑張ります。

宣言どおりの結果になりました。

6区間のうち4区間で区間賞を獲得

早稲田の勝ち方は、どこか1区間で突き放したというものではありません。6区間のうち4区間で区間賞を取っています。

区間距離選手学年区間タイム区間順位
1区8.0km吉倉 ナヤブ直希3年22:587位
2区5.8km本田 桜二郎1年15:421位
3区8.5km鈴木 琉胤2年23:313位(区間新)
4区6.2km新妻 遼己1年17:101位(区間新)
5区6.4km山口 竣平3年17:351位(区間新)
6区10.2km工藤 慎作4年29:001位

学年は大会公式サイトの選手紹介ページの記載です。区間賞を取れなかった1区でも22分58秒の区間7位につけ、3区では区間新記録を出しながら区間3位という密度の高いレースをしています。

区間賞6人のうち3人が1年生

この大会でもうひとつ目を引くのが、区間賞を取った6人の学年構成です。

区間区間賞大学学年タイム
1区鈴木 大翔駒澤大学1年22:42
2区本田 桜二郎早稲田大学1年15:42
3区シャドラック キップケメイ日本大学4年22:56
4区新妻 遼己早稲田大学1年17:10
5区山口 竣平早稲田大学3年17:35
6区工藤 慎作早稲田大学4年29:00

6人のうち3人が1年生です。公式の選手紹介によれば、2区区間賞の本田桜二郎選手は鳥取城北高校の出身で、5000mの自己記録は13分32秒61。4区区間賞の新妻遼己選手は西脇工業高校の出身で、5000mは13分35秒33。1区区間賞の鈴木大翔選手は仙台育英高校の出身で、5000mは13分46秒10です。

一方、最長区間の6区で区間賞を取った早稲田のキャプテン工藤慎作選手は4年生で、公式の選手紹介には10000m28分31秒87、5000m13分38秒67と記載されています。3区で区間新記録を出した日本大学のシャドラック キップケメイ選手も4年生で、10000m27分20秒05、5000m13分16秒29という記録を持っています。

優勝した早稲田の区間配置を見ると、1年生2人は5.8kmの2区と6.2kmの4区という短い2区間に置かれ、10.2kmの最長区間はキャプテンの4年生が務めています。ただし同じ早稲田でも2年生の鈴木琉胤選手が2番目に長い8.5kmの3区を走っており、学年と区間の長さがきれいに対応しているわけではありません。他チームを見ても、1区区間賞の鈴木大翔選手は1年生で8.0kmを走っています。学年そのものより、区間ごとに求められるスピードと距離耐性で起用が決まっていると見るほうが実態に近そうです。

全6区間の区間順位|区間賞と区間新記録の全記録

ここからは区間ごとの順位です。大会公式サイトが区間ごとに公開している区間順位PDF(1b.pdfから6b.pdfまで)から、各区の上位8位までを転記しました。同順位の選手がいる区はその人数ぶん行が増えます。

ひとつ補足があります。公式リザルトでは、表示上は同じタイムでも同順位になる場合と別順位になる場合があります。2区の4位、4区の6位と8位、5区の7位は同順位ですが、1区の7位と8位はどちらも22分58秒で別順位です。この記事は公式リザルトの順位欄をそのまま転記しています。

第1区(8.0km)|駒澤大学の1年生が区間賞

TRACK HUB RESULTS

第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走

2026-10-12 第1区 8.0km(出雲大社正面鳥居前スタート)

第1区 8.0km 区間順位

順位選手所属記録
1鈴木 大翔駒澤大学22:42
2石川 浩輝青山学院大学22:48
3藤田 大智中央大学22:51
4浅野 結太國學院大學22:52
5天野 啓太日本大学22:54
6小林 侑世順天堂大学22:55
7吉倉 ナヤブ直希早稲田大学22:58
8菅野 元太創価大学22:58

区間最高記録は第21回にキラグ・ジュグナ選手(第一工業大学)が出した22分30秒で、今回はこれには届いていません。1位から8位までが16秒の中にひしめく集団レースになり、早稲田は7位で2区に渡しました。

第2区(5.8km)|早稲田の1年生が首位を奪う

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第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走

2026-10-12 第2区 5.8km

第2区 5.8km 区間順位

順位選手所属記録
1本田 桜二郎早稲田大学15:42
2織橋 巧創価大学15:45
3吉岡 大翔順天堂大学15:47
4岡田 開成中央大学15:51
4Myles Hoganアイビーリーグ選抜15:51
6鼻野木 悠翔國學院大學15:53
7柴田 侑城西大学15:56
8上岡 煌駒澤大学16:00

最短区間です。早稲田の本田選手が15分42秒の区間賞で、7位から一気に通算トップへ押し上げました。4位は中央大学の岡田開成選手とアイビーリーグ選抜のMyles Hogan選手が15分51秒で並んでいます。区間最高記録は第34回に佐藤圭汰選手(駒澤大学)が出した15分27秒で、こちらも更新はありませんでした。

第3区(8.5km)|従来の区間記録を40秒更新

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第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走

2026-10-12 第3区 8.5km

第3区 8.5km 区間順位

順位選手所属記録備考
1シャドラック キップケメイ日本大学22:56区間新
2楠岡 由浩帝京大学23:29区間新
3鈴木 琉胤早稲田大学23:31区間新
4三宅 悠斗中央大学23:36区間タイ
5井上 朋哉順天堂大学23:48
6スティーブン ムチーニ創価大学23:49
7Graham Blanksアイビーリーグ選抜23:50
8辻原 輝國學院大學23:56

更新幅がもっとも大きかった区間です。従来の区間最高記録は第34回にフィリップ ムルワ選手(創価大学)が出した23分36秒。日本大学のキップケメイ選手が22分56秒と、40秒も速いタイムで塗り替えました。帝京大学の楠岡由浩選手が23分29秒、早稲田の鈴木琉胤選手が23分31秒で続いて区間新が3本。4位の中央大学・三宅悠斗選手の23分36秒は従来記録とちょうど同じタイムで、公式の備考欄には区間タイ記録と記されています。

この区間で日本大学が通算トップに立ちました。

第4区(6.2km)|早稲田が首位を取り返す

TRACK HUB RESULTS

第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走

2026-10-12 第4区 6.2km

第4区 6.2km 区間順位

順位選手所属記録備考
1新妻 遼己早稲田大学17:10区間新
2野中 恒亨國學院大學17:14区間新
3浅川 侑大帝京大学17:23
4小山 翔也駒澤大学17:24
5Tyler Bergアイビーリーグ選抜17:25
6濵口 大和中央大学17:29
6村上 遵世創価大学17:29
8首藤 海翔日本大学17:35
8橋本 健市城西大学17:35

従来の区間最高記録は第37回に辻原輝選手(國學院大學)が出した17分20秒で、1年前に作られたばかりの記録でした。それを早稲田の新妻遼己選手が17分10秒、國學院の野中恒亨選手が17分14秒で更新しています。早稲田はこの区間で日本大学を抜き返し、以降はフィニッシュまで先頭を譲りませんでした。

第5区(6.4km)|5人が区間新、10年ぶりに記録が動いた

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第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走

2026-10-12 第5区 6.4km

第5区 6.4km 区間順位

順位選手所属記録備考
1山口 竣平早稲田大学17:35区間新
2Derek Amiconアイビーリーグ選抜17:36区間新
3飯國 新太國學院大學17:39区間新
4柴田 大地中央大学17:41区間新
5長澤 辰朗日本大学17:42区間新
6山口 翔輝創価大学17:49
7小林 竜輝城西大学17:52
7黒田 然青山学院大学17:52

この大会でもっとも記録が動いた区間です。従来の区間最高記録は第28回に安藤悠哉選手(青山学院大学)が出した17分43秒。今回はこれを上回った選手が5人いました。1位の早稲田・山口竣平選手から5位の日本大学・長澤辰朗選手まで、全員が従来記録より速いタイムで走っています。1位と5位の差はわずか7秒でした。

第6区(10.2km)|最長区間で早稲田が独走

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第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走

2026-10-12 第6区 10.2km(出雲ドーム前フィニッシュ)

第6区 10.2km 区間順位

順位選手所属記録
1工藤 慎作早稲田大学29:00
2山本 悠順天堂大学29:19
3髙石 樹國學院大學29:20
4原 悠太帝京大学29:27
5Acer Iversonアイビーリーグ選抜29:37
6桑田 駿介駒澤大学29:40
7栗村 凌中央大学30:08
8中島 巨翔城西大学30:16

6区間でもっとも長いアンカー区間です。早稲田のキャプテン工藤慎作選手が29分00秒の区間賞で締めくくりました。2位の順天堂大学・山本悠選手とは19秒差です。区間最高記録は第21回にギタウ・ダニエル選手(日本大学)が出した28分17秒で、この区間では更新はありませんでした。

大会新7チーム・区間新10本の中身|何がどれだけ速かったのか

記録更新の規模を整理します。従来記録との差を秒に直すと、今回の速さがつかみやすくなります。

先に判定の根拠を断っておきます。公式サイトの「過去の大会記録」ページは2026年10月15日時点でまだ第38回の内容が反映されておらず、大会最高記録の欄は駒澤大学の2時間7分51秒、区間最高記録の欄も従来の6人のままです。この記事の記録更新の判定は、総合成績PDFと区間順位PDFに公式が付けた「大会新」「区間新記録」「区間タイ記録」の表示に従っています。

大会記録を破った7チームと更新幅

従来の大会最高記録は、第35回に駒澤大学が出した2時間7分51秒でした。

順位チーム記録従来の大会記録との差
1早稲田大学2:05:56−1分55秒
2國學院大學2:06:54−57秒
3アイビーリーグ選抜2:07:24−27秒
4順天堂大学2:07:33−18秒
5中央大学2:07:36−15秒
6帝京大学2:07:41−10秒
7駒澤大学2:07:45−6秒

7チームが従来の大会記録を上回りました。8位の日本大学は2時間8分15秒で、従来記録には24秒届いていません。記録更新が上位7チームできれいに切れた形です。

区間新は10本、すべて3区・4区・5区に集中

区間従来の区間最高記録更新した人数今回の最速
1区 8.0km22:30(第21回)0人22:42
2区 5.8km15:27(第34回)0人15:42
3区 8.5km23:36(第34回)3人(ほかに区間タイ1人)22:56
4区 6.2km17:20(第37回)2人17:10
5区 6.4km17:43(第28回)5人17:35
6区 10.2km28:17(第21回)0人29:00

区間新記録は合計10本で、ほかに区間タイ記録が1本。すべて中盤の3区・4区・5区に集中しています。一方で1区・2区・6区は1人も従来記録に届いていません。

この偏りは、従来記録がいつ作られたものかと対応しています。更新がなかった1区と6区の区間最高記録は、どちらも第21回に出されたもので、17年間破られていません。2区の記録も第34回のもので、いずれも簡単には届かない水準にあります。一方、更新された3区間のうち4区の17分20秒は前回の第37回に作られたばかり、5区の17分43秒は第28回のものでした。第5区の記録はこの大会で10年ぶりに動いたことになります。

スタート時刻の前倒しという条件の変化

今大会は、スタート時刻が13時05分から9時10分に前倒しされた最初の大会でもありました。大会事務局が公表した「第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走のスタート及び表彰式等の開始時刻の変更について」という文書によれば、出雲駅伝は平成15年(2003年)の第15回大会から13時05分スタートで実施されてきました。23年続いた午後スタートが変わったことになります。詳しい経緯は出雲駅伝2026の日程・コース・出場22チームをまとめた記事で扱っています。

大会公式サイトが記録した当日の気象は次のとおりです。

計測時刻天候気温湿度風向風速
9時10分(スタート)曇り21℃78%東北東1.2m/s
10時晴れ22℃70%北東0.7m/s
11時晴れ24.5℃64%北東1.0m/s

レースが進むにつれて気温は上がっていますが、スタート時点は21度でした。

この21度には比較対象があります。先ほどの時刻変更の文書に、参考資料として「競技スタート時刻の気温」が載っているのです。13時05分スタートだった直近3大会は、第35回が24.5度(曇り)、第36回が28.5度(晴れ)、第37回が26.0度(晴れ)。いずれも大会リザルトの数値で、計測地点はフィニッシュ地点の出雲ドームと注記されています。今大会のスタート時の21度は、この3大会より3.5度から7.5度低いことになります。

同じ文書には、変更の理由も書かれています。近年は競技の時間帯に気温が25度を超える状況になり、給水所の増設などの熱中症対策を行ってきたものの多くの選手に症状がみられ、救急搬送する事態も発生していたこと。出場チームへのアンケートでも、熱中症対策と翌日の授業への出席を理由に、多くのチームがスタート時刻の繰り上げを望んでいたこと。この2点が挙げられています。

気温だけで記録を説明できるわけではありません。ただ、従来の大会最高記録2時間7分51秒が出た第35回が、直近3大会でもっとも涼しい24.5度の日だったことは、条件の重みを示しています。上位7チームが大会記録を破り区間新が10本出たという結果が、スタート時刻を前倒しした最初の大会で起きたことは、記録しておく価値があります。

中継所ごとの順位変動|レースはどこで動いたか

総合成績PDFには、各中継所を通過した時点での通算順位も記載されています。上位11チームについて、その推移を1つの表にまとめました。数字はその中継所を通過した時点での通算順位です。

チーム1区2区3区4区5区フィニッシュ
早稲田大学712111
國學院大學466442
アイビーリーグ選抜1077853
順天堂大学644694
中央大学323335
帝京大学9109986
駒澤大学138777
日本大学591228
創価大学855569
城西大学121111101010
青山学院大学2810111111

この表から読み取れる動きは4つあります。

ひとつめは早稲田です。1区を7位で終えたあと2区で首位に立ち、3区で日本大学に一度譲ったものの、4区で取り返してそのままフィニッシュまで先頭を守りました。首位にいなかったのは1区と3区の通過時点だけです。

ふたつめは日本大学です。3区のキップケメイ選手の区間新記録で9位から一気に首位へ浮上し、5区までは2位につけていました。ところが6区は30分56秒の区間11位で、8位でフィニッシュしています。

みっつめは駒澤大学と青山学院大学です。駒澤は1区の鈴木大翔選手の区間賞で首位に立ちましたが、2区で3位、3区で8位まで下がり、以降は7位を守ってフィニッシュしました。青山学院は1区を2位で通過したあと、2区で8位、3区で10位、4区で11位と後退し、そのまま11位でした。

よっつめはアイビーリーグ選抜です。1区は10位。2区・3区で7位まで上げ、4区でいったん8位に下げたあと、5区で5位、6区で3位まで押し上げました。

なお、この表の数字は総合成績PDFの通算順位です。オープン参加の中国四国学連選抜には順位が付かず、PDFの該当欄はすべて0と記録されています。1区の欄で城西大学が12位になっているのは、この表に載せていない第一工科大学が23分36秒で11位につけていたためです。

チーム別に見る出雲駅伝2026|國學院の3連覇はなぜ止まったか

國學院大學|3連覇はならず、それでも大会記録を上回った

國學院大學は第36回・第37回の連覇中で、今大会は3連覇がかかっていました。大会公式サイトに掲載された監督コメントも、その狙いを明言しています。

今大会も出場させていただくことに感謝申し上げます。3連覇を狙い、覚悟を持ち戦います。

結果は2位。ただし2時間6分54秒は従来の大会記録を57秒上回るタイムです。公式の過去の優勝記録を見ると、現行の45.1kmで行われた大会の優勝記録はいずれも2時間7分51秒以上なので、距離が同じ大会に限れば過去のどの優勝タイムよりも速いことになります。4区の野中恒亨選手が17分14秒の区間新、5区の飯國新太選手が17分39秒の区間新と、2区間で区間記録を更新しています。3区には前回大会で4区の区間記録を作った辻原輝選手を起用しましたが、23分56秒の区間8位でした。

公式の出場回数・順位表によると、國學院の出雲駅伝出場は今回で9回目。過去8回の成績には優勝が3度(第31回・第36回・第37回)含まれています。

青山学院大学|1区2位から11位へ

サジェストでも検索される青山学院大学は11位でした。1区の石川浩輝選手が22分48秒の区間2位と好発進しましたが、そこから順位を落としています。区間順位を見ると、2区16分10秒が区間9位、3区24分39秒が区間11位、4区17分59秒が区間11位と、中盤の3区間がいずれも11位前後でした。5区の黒田然選手は17分52秒で区間7位と踏みとどまっています。

大会前の監督コメントは次のとおりでした。

本年度は初の海外合宿等、数々の挑戦を経て駅伝シーズンを迎えました。フレッシュな力を結集し、勢いを持って出雲路へ臨みます。

公式の選手紹介に載った青山学院のエントリー10人のうち、4年生は2人で、3年生が4人、2年生が3人、1年生が1人という構成でした。

駒澤大学|1区区間賞のあと7位まで後退

駒澤大学は1区で1年生の鈴木大翔選手が22分42秒の区間賞を取り、通算首位で2区へ渡しました。しかし2区16分00秒が区間8位、3区24分04秒が区間10位と続き、3区の通過時点で8位まで下がっています。最終的には2時間7分45秒の7位で、これも従来の大会記録を6秒上回るタイムでした。従来の大会最高記録2時間7分51秒を持っていたのは駒澤自身です。

日本大学|3区の区間新記録は40秒更新

日本大学のキップケメイ選手が3区で出した22分56秒は、従来の区間最高記録を40秒更新する記録でした。5区の長澤辰朗選手も17分42秒の区間新を出しており、チームとしては2本の区間新を記録しています。それでも総合は8位。3区の時点では通算トップに立っていましたが、6区で30分56秒の区間11位となり、2時間8分15秒でフィニッシュしました。区間新を2本出しながら総合では8位という、今大会の記録水準の高さを象徴するチームです。

アイビーリーグ選抜|招待チームが初めて表彰台に

3位に入ったアイビーリーグ選抜は、米国アイビーリーグの大学から選抜された招待チームです。公式の選手紹介によると、今大会のエントリーはコロンビア大学1人、ハーバード大学2人、コーネル大学2人、プリンストン大学3人の計8人でした。

公式の出場チーム紹介によると、同選抜は今大会が26回目の出場です。そして出雲駅伝公式が公開している出場回数・順位表には、第1回から第37回までの同選抜の全順位が載っていますが、そこに3位以内は一度もありません。最高は前回・第37回の4位です。つまり今回の3位は、この選抜チームにとって初めての表彰台であり、過去最高順位ということになります。

3区のGraham Blanks選手は、公式の選手紹介に10000m26分57秒30、5000m12分47秒98という自己記録が記載されています。実際のレースでは5区のDerek Amicon選手が17分36秒の区間新で区間2位、6区のAcer Iverson選手が29分37秒の区間5位と、後半2区間の押し上げが効きました。

金沢学院大学|初出場で完走

北信越学連の金沢学院大学は今大会が初出場でした。公式の出場チーム紹介でも出場回数の欄が「初」と記載されています。結果は2時間20分38秒の20位。1区の浦野蒼日選手が24分02秒で区間15位と健闘しました。

紅葉した並木が続く秋の地方道と遠くの山並み

第39回大会の出場枠がここで決まった|東北が2枠、北信越が1枠に

出雲駅伝には、前回大会の結果が次回の地区別出場枠に反映される仕組みがあります。日本学生陸上競技連合が第38回のレース後に公開した「第39回出雲全日本大学選抜駅伝競走 各地区学連出場枠について」というPDFに、その配分が記載されています。

出場枠20の決まり方

公式PDFによれば、配分の方法は次の2本立てです。

  • 基本枠(8): 8つの地区学連それぞれに1枠ずつを配分する
  • 成績枠(12): 前年度大会で1位から12位のチームが所属する地区学連の数を出場枠として配分する

合計20枠です。そのうえでPDFの注1と注2に、次の3点が書かれています。出場枠が1の学連は「選抜チーム」か「単独校チーム」のどちらかを選べるが、2以上の学連は単独校チームのみになること。ひとつの地区学連の出場枠は基本枠と成績枠の合計で最大10であること。10を超えた学連は、超過分の成績枠を13位のチームが所属する地区学連に譲ること、の3点です。

第38回の結果がどう反映されたか

今大会は1位から11位までを関東の大学が占め(3位のアイビーリーグ選抜を除く)、12位が関西大学、13位が札幌学院大学、14位が東北学連選抜でした。

関東は上限の10枠に達したため、超過分が13位の札幌学院大学の地区である北海道へ回りました。さらに公式PDFの注3には、今大会はアイビーリーグ選抜が12位以内(3位)だったため、関東の超過分を踏まえて14位のチームが所属する地区学連に成績枠を配分する、と明記されています。14位は東北学連選抜でした。

その結果、第39回の地区別出場枠は次のようになります。

地区第39回の出場枠第38回の出場枠増減
北海道22±0
東北21+1
関東1010±0
北信越12−1
東海11±0
関西22±0
中国四国11±0
九州11±0
合計2020±0

動いたのは東北と北信越の2地区です。注目したいのは、この変更が出場チームの顔ぶれに直結する点です。公式PDFの注記1にあるとおり、出場枠が2以上の学連は単独校チームのみになります。第38回で東北から出ていたのは東北学連選抜という選抜チームでしたが、第39回は枠が2になるため、東北からは単独校2チームが出場することになります。

逆に北信越は2枠から1枠に減るため、選抜チームか単独校かを選べる立場に戻ります。第38回の北信越は信州大学と金沢学院大学の2校でした。

なお、アイビーリーグ選抜は招待チームで、この20枠の外にあります。中国四国学連選抜のオープン参加も同様です。

次は全日本大学駅伝|学生三大駅伝の2戦目へ

出雲駅伝は学生三大駅伝の開幕戦です。2戦目は11月1日の全日本大学駅伝(第58回全日本大学駅伝対校選手権大会)で、8区間106.8km。出雲の6区間45.1kmとは距離の性格がまったく違います。出場校や区間構成は全日本大学駅伝2026の出場27チームと区間をまとめた記事で扱っています。

また、箱根駅伝の予選会は10月17日に行われます。正月の本戦に進む大学がここで決まります。通過条件やコースは箱根駅伝予選会2026の通過条件とコースの記事にまとめています。

女子では10月25日に全日本大学女子駅伝(杜の都駅伝)があります。こちらは全日本大学女子駅伝2026の出場校と6区間38.0kmの記事で扱っています。

今大会で区間賞を取った選手たちのトラックでの位置づけを知りたい場合は、男子10000mの2026年日本ランキングと男子5000mの2026年日本ランキングもあわせてどうぞ。

よくある質問

出雲駅伝2026の優勝校はどこですか

早稲田大学です。2時間5分56秒で、従来の大会最高記録である駒澤大学の2時間7分51秒(第35回)を1分55秒更新する大会新記録でした。早稲田の優勝は第8回・第22回に続く3度目で、第22回は2010年にあたるため16年ぶりの優勝になります。

大会記録を更新したのは何チームですか

7チームです。1位の早稲田大学から7位の駒澤大学まで、すべて従来の大会記録2時間7分51秒を上回りました。8位の日本大学は2時間8分15秒で、24秒届いていません。なお3位のアイビーリーグ選抜は米国からの招待チームなので、「7校」ではなく7チームという数え方になります。

区間新記録は何本出ましたか

区間新記録は10本、区間タイ記録が1本です。内訳は3区が区間新3本と区間タイ1本、4区が区間新2本、5区が区間新5本。1区・2区・6区では従来の区間最高記録に届いた選手はいませんでした。

区間賞を取ったのは誰ですか

1区は鈴木大翔選手(駒澤大学)22分42秒、2区は本田桜二郎選手(早稲田大学)15分42秒、3区はシャドラック キップケメイ選手(日本大学)22分56秒、4区は新妻遼己選手(早稲田大学)17分10秒、5区は山口竣平選手(早稲田大学)17分35秒、6区は工藤慎作選手(早稲田大学)29分00秒です。早稲田が6区間のうち4区間で区間賞を獲得しました。

中国四国学連選抜の順位が書かれていないのはなぜですか

オープン参加だからです。公式の出場チーム紹介でも地区名の欄が「―」、出場回数の欄が「オープン参加」と記載されており、総合成績PDFでも順位欄はOPNと表示されています。タイムは2時間19分11秒でしたが総合順位は付きません。ただし区間順位には含まれ、6区間とも22人の中で順位が付けられています。

次回・第39回大会の出場枠はどうなりますか

日本学生陸上競技連合が公開したPDFによると、北海道2・東北2・関東10・北信越1・東海1・関西2・中国四国1・九州1の合計20枠です。第38回と比べて東北が1枠増え、北信越が1枠減りました。出場枠が2以上の学連は単独校チームのみになるため、東北からは選抜チームではなく単独校2チームが出場することになります。

まとめ

出雲駅伝2026(第38回)は、記録の面で例年とはっきり違う大会になりました。

  • 早稲田大学が2時間5分56秒で優勝。2010年の第22回以来16年ぶり、通算3度目
  • 上位7チームが従来の大会記録2時間7分51秒を更新
  • 区間新記録が10本、区間タイ記録が1本。すべて3区・4区・5区に集中
  • 区間賞6人のうち3人が1年生。早稲田は6区間中4区間で区間賞
  • アイビーリーグ選抜が3位に入り、26回目の出場で初の表彰台
  • この結果により、第39回の出場枠は東北が2、北信越が1に変わった

数字の出どころはすべて大会公式サイトの総合成績PDFと区間順位PDF、および日本学生陸上競技連合の公開資料です。原典にあたりたい方は、この記事の出典欄のリンクからどうぞ。

学生三大駅伝は11月1日の全日本大学駅伝へ続きます。

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