全日本大学駅伝2026(秩父宮賜杯 第58回全日本大学駅伝対校選手権大会)は、2026年11月1日(日)午前8時10分に名古屋・熱田神宮西門前をスタートし、三重・伊勢神宮内宮宇治橋前までの8区間106.8kmで行われます。出場はシード8校と地区代表17校、オープン参加の日本学連選抜・東海学連選抜を加えた27チームで、10月8日にチームエントリーが確定しました。この記事では確定したエントリーの中身と、他がほとんど触れない全中継所の先頭通過予定時刻・その計算根拠を、大会公式資料だけで整理します。

この記事でわかること

  • 全日本大学駅伝2026の日程・コース・8区間の距離と区間記録
  • 10月8日に確定したチームエントリーで何が決まり、何がまだ決まっていないか
  • 出場27チームの顔ぶれと、地区ごとの出場枠がどう決まっているか
  • 全7中継所とフィニッシュの先頭通過予定時刻と、主催者がその時刻をどう計算しているか
  • 繰り上げスタート・たすき・点呼のルールと、沿道で見るときの時間の組み立て方

全日本大学駅伝2026の基本情報|11月1日午前8時10分スタート

まず全体像です。以下は大会公式サイトが掲載している第58回大会の要項(2026年9月29日現在)の記載です。

項目内容
大会名秩父宮賜杯 第58回全日本大学駅伝対校選手権大会
開催日2026年11月1日(日)午前8時10分スタート
コース熱田神宮西門前(名古屋市熱田区神宮)→ 伊勢神宮内宮宇治橋前(伊勢市宇治館町)
距離8区間 106.8km
出場27チーム(シード8校+地区代表17校+日本学連選抜+東海学連選抜)
主催日本学生陸上競技連合、朝日新聞社、テレビ朝日、メ〜テレ
チーム編成1チーム15人(監督1人、マネージャー1人、選手13人)
中継テレビ朝日系列で生中継

伊勢湾沿いの幹線道路を集団で走る大学駅伝のランナー

前日10月31日(土)は名古屋商工会議所でたすきと健康に関する誓約書の確認(13:30〜)、監督・マネージャー会議(14:30〜)、開会式(16:00〜)。当日は早朝のメンバー変更受付を経て8時10分にスタートし、レース後は14時30分から伊勢市の神宮会館講堂で閉会式が行われます。

学生三大駅伝の2戦目という位置づけ

大会公式サイトは、全日本大学駅伝を「出雲駅伝、箱根駅伝とともに学生三大駅伝と呼ばれています」と説明しています。2026年シーズンでいうと、10月12日の出雲駅伝2026(第38回・6区間45.1km)が初戦、11月1日の全日本大学駅伝が2戦目、2027年1月2〜3日の箱根駅伝が最終戦という並びです。

距離の性格もはっきり違います。出雲駅伝公式サイトによると出雲は6区間45.1kmで最長区間10.2km、全日本は8区間106.8kmで最長区間19.7km。関東の大学には10月17日の箱根駅伝予選会2026(第103回)を挟んで臨むチームもあり、11月1日は秋のロードシーズンのちょうど中心に当たります。第1回は1970年、1988年の第20回から11月第1日曜日の開催とテレビ朝日系列の完全生中継が始まりました。

放送・配信について公式が出している情報

要項の「その他」の最後に「テレビ朝日系列で生中継される」と明記されています。これが本大会の中継について主催者が公表している内容です。

一方、放送時間や番組名、配信の有無については、この記事の更新時点(2026年10月9日)で第58回大会ぶんの公式発表を確認できませんでした。目安になるのは前回大会の枠です。文化放送の番組ページによると、第57回大会のラジオ実況中継は2025年11月2日の8時00分から13時50分まで。スタートの少し前からフィニッシュ予定の13時16分過ぎまでをカバーする長さでした。今回も同じくらいの時間帯と見ておけば朝の予定は立てられますが、放送枠と配信は各局の番組表で直前に確認してください。

8区間106.8kmのコースと全中継所の先頭通過予定時刻

コースは名古屋市から伊勢市までを南下する8区間です。要項の区間表と、公式の過去の大会データに載っている区間記録(第57回終了時点)を1つにまとめました。

区間距離累計区間区間記録記録保持者
1区9.5km9.5km熱田神宮西門前 → ファーストカーゴ前(名古屋市港区藤前)26分58秒ピーター ワンジル(大東文化大・第54回)
2区11.1km20.6kmファーストカーゴ前 → BLUEGRASS ゴルフアカデミー前(桑名市長島町)31分01秒佐藤 圭汰(駒澤大・第55回)/楠岡 由浩(帝京大・第57回)
3区11.9km32.5kmBLUEGRASS ゴルフアカデミー前 → 霞ケ浦緑地前(四日市市羽津)32分46秒イェゴン ヴィンセント(東京国際大・第53回)
4区11.8km44.3km霞ケ浦緑地前 → ファミリーマート鈴鹿林崎町店前(鈴鹿市林崎町)33分03秒黒田 朝日(青山学院大・第56回)
5区12.4km56.7kmファミリーマート鈴鹿林崎町店前 → ザ・ビッグエクストラ津河芸店前(津市河芸町)35分01秒伊藤 蒼唯(駒澤大・第57回)
6区12.8km69.5kmザ・ビッグエクストラ津河芸店前 → ベイスクエア津ラッツ(津市藤方)36分47秒山本 歩夢(國學院大・第56回)
7区17.6km87.1kmベイスクエア津ラッツ → JAみえなか前(松阪市豊原町)49分31秒黒田 朝日(青山学院大・第57回)
8区19.7km106.8kmJAみえなか前 → 伊勢神宮内宮宇治橋前55分32秒M・モグス(山梨学院大・第39回)

区間記録には「区間距離変更のため1〜7区は50回以降、8区は24回以降」という注記が付いています。つまり1〜7区の記録は第50回(2018年)以降の8大会、8区の記録は第24回(1992年)以降のものです。

公式のコースマップは起伏について「前半は小刻みなアップダウンが多く、後半は比較的フラットなコースとなっています」と説明しており、コース図の高低図でも標高の変化はおおむね20m以内。起伏そのものが勝負を決めるタイプのコースではありません。ただし高低図を細かく見ると、「比較的フラット」とされる後半のうち最終8区だけは、90km過ぎにいったん上って下り、フィニッシュ手前でもう一度上る形になっています。平坦な区間が続いた先に、最後だけ緩やかな上下が残るコースです。

後半4区間に62.5km=全体の58.5%が集まっている

区間距離を前半・後半で分けると、このコースの設計がはっきりします。

  • 1〜4区の合計: 44.3km(全体の41.5%)
  • 5〜8区の合計: 62.5km(全体の58.5%)
  • 7区+8区だけで: 37.3km(全体の34.9%)

最後の2区間で37.3kmあり、出雲駅伝の全6区間45.1kmの8割以上に相当します。8区19.7kmはハーフマラソンに1.4kmほど足りない距離で、区間記録の55分32秒は1kmあたり2分49秒のペース。全日本大学駅伝が「エース区間が終盤に来る駅伝」と言われるのは、この距離配分が理由です。これだけの距離をロードで走るとシューズの選択も変わりますが、トラックとロードでは厚さの規定そのものが違います。この違いは陸上の厚底シューズとトラック20mm規定にまとめています。

区間記録を全部足すと5時間00分39秒

8つの区間記録を単純に足し算すると、合計は5時間00分39秒になります(26分58秒+31分01秒+32分46秒+33分03秒+35分01秒+36分47秒+49分31秒+55分32秒=18,039秒)。一方、総合の大会記録は駒澤大が第54回(2022年)に出した5時間06分47秒で、区間記録の合計との差は6分08秒。どの区間も単独で見れば届いていない余地がこれだけ残っている、という読み方ができます。

記録の更新も続いています。直近2大会(第56回・第57回)で新しく樹立されたのが4区・5区・6区・7区の4本。さらに2区は、第55回の佐藤圭汰(駒澤大)の31分01秒に第57回の楠岡由浩(帝京大)が並び、2人が並記されています。8区間のうち5区間の記録が、この2大会に関わっている計算です。なかでも黒田朝日(青山学院大)は4区と7区の2つを1人で持っています。

給水所は11カ所、1区だけ無い

要項の「競技方法・注意事項」には、給水所の位置が区間と地点まで書かれています。2区から6区は各区の中間点付近(計5カ所)、7区は5.8km・12.4km・15.7km地点、8区は5km・12.2km・17km地点(各3カ所)。合計11カ所にスポーツドリンクとミネラルウォーターが置かれ、9.5kmと最も短い1区だけ給水所がありません。

中継所ごとの先頭通過予定時刻

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。大会公式のコース図PDFには、スタートからフィニッシュまでの先頭通過予想時刻が中継所ごとに刷り込まれています。

地点累計距離先頭通過予定時刻
スタート(熱田神宮西門前)0km8:10
第1中継所(ファーストカーゴ前)9.5km8:37
第2中継所(BLUEGRASS ゴルフアカデミー前)20.6km9:08
第3中継所(霞ケ浦緑地前)32.5km9:42
第4中継所(ファミリーマート鈴鹿林崎町店前)44.3km10:15
第5中継所(ザ・ビッグエクストラ津河芸店前)56.7km10:51
第6中継所(ベイスクエア津ラッツ)69.5km11:28
第7中継所(JAみえなか前)87.1km12:19
フィニッシュ(伊勢神宮内宮宇治橋前)106.8km13:16

8区間なので中継所は第1から第7までの7カ所で、レース全体は5時間6分46秒の想定、13時16分にフィニッシュする計算です。コース図にはさらに細かく、各区間の1km・3km・5km・7km・9km地点と中間点、長い区間では11km以降も2kmごとの通過予想時刻が入っています。たとえば1区なら1km地点が8時13分、中間点が8時23分、9km地点が8時36分です。

計算根拠は「1〜4区2分50秒/km、5〜8区2分54秒/km」

この時刻がどう引かれているかも、公式が書いています。競技注意事項の点呼表の下には、次の注記が添えられています。

★★1キロあたり1〜4区は2分50秒、5〜8区は2分54秒、5時間6分46秒で計算。秒数は四捨五入

編集部でこの通りに計算し直してみました。

  • 1〜4区の44.3km × 170秒 = 7,531秒(2時間05分31秒)
  • 5〜8区の62.5km × 174秒 = 10,875秒(3時間01分15秒)
  • 合計 18,406秒 = 5時間06分46秒

注記にある5時間6分46秒と1秒の誤差もなく一致し、中継所ごとの時刻もこのペースで積み上げた値と全地点で合いました。公式の通過予定時刻は、感覚で引いた目安ではなく計算式に基づいた時刻です。

予定タイム5時間6分46秒は大会記録と1秒差

ここで前の節の数字と並べてみると、この計算の性格が見えてきます。

基準タイム
区間記録の単純合計5時間00分39秒
主催者の通過予定時刻の前提5時間06分46秒
大会記録(駒澤大・第54回)5時間06分47秒
前回・第57回の優勝タイム(駒澤大)5時間06分53秒

主催者が置いた前提の5時間6分46秒は、大会記録の5時間6分47秒よりわずか1秒速いだけです。前回優勝タイムとの差も7秒。公式の通過予定時刻は、実質的に「大会記録と同じペースで先頭が来る」という置き方になっています。

ここから優勝ラインの読み方も作れます。予定時刻ちょうどに先頭が通過したら優勝争いは大会記録ペース。1分遅れなら5時間7分台後半〜8分前後、3分遅れなら5時間10分前後です(過去5大会の優勝タイムは5時間06分47秒〜5時間12分58秒)。

出場27チームとチームエントリー|シード8校と地区代表17校

2026年9月26日の東北地区選考会で全国8地区の選考会がすべて終わり、出場チームが確定しました。大会公式アカウントは9月28日に全27チームを発表しています。

全日本大学駅伝@daigaku_ekiden

【第58回 #全日本大学駅伝 出場全27チーム確定】 9/26の東北地区選考会で本大会へ臨む全25大学が出そろいました。 📅 11月1日(日) 8:10スタート🏁 🎽 全25大学 + 日本学連選抜・東海学連選抜(計27チーム) 本番に向けて各校の注目ポイントを順次お届けしていきます。ぜひフォロー&チェックしてください! #伊勢で決まる日本一

2026年9月28日Xで投稿を見る →

出場チーム表

公式の出場校紹介に掲載されている順・表記のとおりです。

大学名地区出場回数
駒澤大学関東31大会連続33回目
中央大学関東6大会連続33回目
青山学院大学関東14大会連続16回目
國學院大學関東12大会連続14回目
早稲田大学関東20大会連続32回目
帝京大学関東4大会連続18回目
創価大学関東5大会連続5回目
順天堂大学関東2大会連続30回目
札幌学院大学北海道9大会連続33回目
東北大学東北2大会ぶり18回目
日本大学関東2大会連続44回目
東海大学関東13大会連続39回目
大東文化大学関東5大会連続47回目
神奈川大学関東2大会ぶり20回目
東洋大学関東2大会ぶり33回目
中央学院大学関東2大会連続18回目
山梨学院大学関東6大会ぶり32回目
信州大学北信越2大会連続17回目
愛知工業大学東海4大会ぶり20回目
京都産業大学関西2大会ぶり50回目
大阪経済大学関西6大会連続28回目
関西学院大学関西2大会連続15回目
立命館大学関西2大会ぶり37回目
広島経済大学中国四国2大会連続25回目
志學館大学九州2大会連続2回目
日本学連選抜チームオープン参加—
東海学連選抜チームオープン参加—

上から8校が前回大会で8位以内に入ったシード校、札幌学院大学から志學館大学までの17校が各地区選考会を勝ち上がった代表校です。出場回数が最も多いのは京都産業大学の50回目(第4回から第43回まで40大会連続出場、第17回=1986年に優勝)、最も新しいのが志學館大学の2回目です。

枠の配分は関東7・関西4・ほか各1

要項には、地区ごとの枠が数字で書かれています。北海道1、東北1、関東7、北信越1、東海1、関西4、中国四国1、九州1の計17。結果として関東勢はシード8校と地区代表7校の15校で、27チーム中15チームが関東の大学という構成です。

シード権の仕組みも要項の「競技方法・注意事項」の第1項に明記されています。「本大会で8位以内に入ったチームには、2027年開催予定の秩父宮賜杯 第59回全日本大学駅伝対校選手権大会の参加権を与える」。つまり11月1日の8位以内が、そのまま来年の出場権です。

チームエントリーは10月8日に確定|25大学がそろって16人

10月7日(水)正午に締め切られたチームエントリーは同日のうちに暫定版が公表され、翌10月8日に「日本学生陸上競技連合の審査済み」「暫定版からの変更はありません」として確定版が公開されました。27チームの登録選手一覧は、大会公式サイトのニュース欄にPDFで出ています。編集部でこの確定版を1チームずつ数えたところ、次のことがわかりました。

  • 大学25校はすべて上限いっぱいの16人を登録。要項のチームエントリー規定が「競技者16人以内」なので、どの大学も枠を使い切った形です
  • 日本学連選抜は14人、東海学連選抜は13人。要項が定める選手枠(日本学連選抜チームのみ選手14人、ほかは選手13人)とちょうど同じ人数で、大学のような余剰がありません
  • 大学院生(M1年・M2年と表記)がいるのは3校。東北大学が5人、信州大学が4人、広島経済大学が1人で、ほかの22大学は学部生だけの登録です
  • 大会公式ニュースで日本学連選抜の地区代表として名前が出ていた5人(東北地区の吉田奏斗、中国四国地区の村井冠太、関西地区の南部悠陽、九州地区の鶴田寛武、北信越地区の浦野蒼日)は、全員が確定版に入っています
  • 前回・第57回の区間賞8人のうち、確定版に名前があるのは6人。1区の中村晃斗(志學館大)、2区の楠岡由浩(帝京大)、3区の野中恒亨(國學院大)、4区の柴田大地(中央大)、6区の飯田翔大(青山学院大)、8区の工藤慎作(早稲田大)です。一方、5区で区間新を出した伊藤蒼唯(駒澤大)と、7区で区間新を出した黒田朝日(青山学院大)の名前は確定版にありません

出場校のなかには、自分のチームのエントリー16人を公式アカウントで先に公開したところもあります。2大会ぶりの出場となる神奈川大学の駅伝チームは、締切当日の10月7日、大会の日程を伝える投稿に16人の氏名と学年を書いた画像を添えました。この画像の16人を大会公式の確定版PDFと1人ずつ突き合わせたところ、氏名・学年ともすべて一致しています。投稿文にある「当日は、8名が出走いたします」は、この16人から当日の8人が選ばれるという意味です。

神奈川大学陸上競技部駅伝チーム@ku_ekiden

【秩父宮賜杯第58回全日本大学駅伝対校選手権大会】 日時 11月1日 (日) 8:10start 場所 熱田神宮西門前〜伊勢神宮内宮    宇治橋前 当日は、8名が出走いたします。 2年ぶりの全日本となりますが、シード権獲得に向けて襷を繋ぎます! 応援よろしくお願いします!📣 #ジンダイエキデン

2026年10月7日Xで投稿を見る →

エントリーは3段階|次に決まるのは区間オーダー

出場チームと登録選手は決まりましたが、誰がどの区間を走るかはまだ決まっていません。「区間エントリーはいつ出るのか」という疑問に対する公式の答えは、要項のこの部分です。

段階期限内容状況
チームエントリー10月7日(水)正午1チーム18人以内(監督1人、マネージャー1人、競技者16人以内)。エントリー後の変更は不可10月8日に確定版を公表
メンバーエントリー10月28日(水)10:00〜29日(木)正午各区間の競技者8人と補員5人を登録これから
メンバー変更11月1日(日)6:10〜6:30変更用紙をスタート地点の大会事務局テントへ提出。6:35に最終確認当日朝

つまり区間オーダーが見えるのは、10月28〜29日のメンバーエントリー以降です。大学の場合はチームエントリーの16人から13人(競技者8人と補員5人)に絞られるので、ここで3人が外れます。

当日のメンバー変更にも制限があります。競技注意事項の「競技者の登録と変更について」によれば、変更は競技者と補員の交替に限られ、競技者同士の区間変更は認められません。補員と交替した後の競技者を再登録することもできず、交替は最大3人まで。そのうえで「突発的な事故等により4人以上の交替があった場合、当該チームはオープン参加扱いとする。個人の記録もすべて参考記録扱いとする」と定められています。

日本学連選抜・東海学連選抜の扱い

27チームのうち2つは大学単独ではありません。日本学連選抜は東海を除く全国7地区の学連からの選抜、東海学連選抜は東海学連の選抜です。記録の扱いも独特で、要項の「競技方法・注意事項」の第6項には「日本学連選抜、東海学連選抜チームの総合記録は参考記録となるが、各区間のタイムは区間記録として認定する」とあります。総合順位には入らないけれど、区間賞や区間記録の対象にはなるということで、前回・第57回も日本学連選抜5時間23分19秒、東海学連選抜5時間36分52秒の記録はありながら、総合成績表の順位欄は「—」でした。

地区選考会で何が起きたか

地区選考会は5月4日の関東(20校)に始まり、九州・関西・東海・北信越・北海道・中国四国と続いて、9月26日の東北(6校)で終わりました。多くの地区は各校の選手が組に分かれて10,000mを走り、上位8人の合計タイムで競う方式です。北海道だけは1周3.1kmの周回コースを使った8区間96.1kmの駅伝で行われ、札幌学院大学が8区間すべてで区間賞を取りました。全校の結果タイムは大会公式サイトの地区選考会ページにあります。

最も当落が接近したのは関東でした。7位の山梨学院大学が3時間59分55秒29、8位の専修大学が3時間59分55秒94。20校が4組に分かれて1万mを走った末に、0秒65差で伊勢路への切符が分かれています。関西も1位の京都産業大学(4時間04分03秒11)と2位の大阪経済大学(4時間04分06秒89)が3秒78差でした。

前回・第57回大会の結果と歴代データ

前回の第57回大会は2025年11月2日に行われ、駒澤大学が5時間06分53秒で2大会ぶり17回目の優勝を飾りました。以下は大会公式の第57回成績表からの抜粋です。

TRACK HUB RESULTS

秩父宮賜杯 第57回全日本大学駅伝対校選手権大会

2025-11-02 熱田神宮西門前〜伊勢神宮内宮宇治橋前(8区間106.8km)

総合成績(上位10チーム)

順位選手所属記録備考
1駒澤大関東5:06:532大会ぶり17回目
2中央大関東5:08:54
3青山学院大関東5:09:28
4國學院大関東5:09:45
5早稲田大関東5:10:21
6帝京大関東5:10:56
7創価大関東5:11:56
8順天堂大関東5:14:33
9城西大関東5:15:26
10日本大関東5:15:37

区間賞

順位選手所属記録備考
1区 9.5km中村 晃斗志學館大27:20
2区 11.1km楠岡 由浩帝京大31:01区間タイ
3区 11.9km野中 恒亨國學院大33:11
4区 11.8km柴田 大地中央大33:52
5区 12.4km伊藤 蒼唯駒澤大35:01区間新
6区 12.8km飯田 翔大青山学院大37:20
7区 17.6km黒田 朝日青山学院大49:31区間新
8区 19.7km工藤 慎作早稲田大56:54

上位8校がそのまま今回のシード校

第57回は8区間のうち3区間で従来の記録に並ぶか上回る走りが出た大会でした。最優秀選手(MVP賞)は5区で区間新を出した伊藤蒼唯、優勝監督賞は駒澤大の藤田敦史監督。上位の密度も高く、2位の中央大から8位の順天堂大までが5分39秒に収まり、この8チームがそのまま今回のシード8校になっています。

歴代優勝校と、今回の手がかり

過去の大会データによると、第1回から第57回までの通算優勝回数は駒澤大17回、日本体育大11回、大東文化大7回、早稲田大5回が上位。以下、福岡大・日本大・神奈川大が各3回、青山学院大・東海大が各2回、京都産業大・順天堂大・東洋大・國學院大が各1回で、優勝経験校は13校です。4連覇の記録を持つのは大東文化大・早稲田大・駒澤大(2度)の3校。

優勝候補の見立てはメンバーエントリーを待つ必要がありますが、確定している事実だけでも手がかりはあります。直近5大会(第53〜57回)の優勝校は駒澤大が4回、國學院大が1回。駒澤大は30大会連続出場中で、今回が31大会連続33回目です。

ただし前回の区間賞者の在否(前節)を重ねると、シード上位の事情は一様ではありません。区間新を出した5区と7区を別の走者で埋めなければならないのが駒澤大と青山学院大。前回の軸をそのまま残しているのが國學院大・中央大・早稲田大です。

もうひとつ、前回の1区で区間賞を獲ったのはシード校ではなく志學館大の中村晃斗でした。9.5kmと最も短い1区は序列が入れ替わりやすい区間だということが、前回の結果に表れています。

レース当日の見かた|繰り上げ・たすき・点呼と中継所アクセス

駅伝を見ていて疑問になりやすいところは、公式資料に細かく書かれています。沿道で見るときにも、ここを知っているかどうかで見え方が変わります。

繰り上げは10分、第5・第6・第7中継所だけ15分

最も重要なのが繰り上げスタートです。競技注意事項の原文はこうなっています。

繰り上げスタートは、各中継所において先頭チームから10分を超えて遅れたチームがある場合に実施する。ただし、第5、第6、第7中継所は15分とする。

基準は一律ではありません。第1〜第4中継所が10分、第5〜第7中継所が15分。後半の3つで基準が緩いのは、区間が長くなるぶんタイム差が開きやすいためと読めます。繰り上げになったチームの走者は自校のたすきではなく「白色のたすき」でスタートするので、沿道で白いたすきの選手を見かけたら、そのチームはたすきがつながらなかったということです。

たすきは布製1.6〜1.8m、手に持って走ってはいけない

たすき自体にも規格があります。

  • 布製で、長さ1.6m〜1.8m、幅6cmを標準とする。各チームが1本を用意し、前日10月31日に大会事務局で確認を受ける(繰り上げ用は主催者が用意)
  • 肩から脇の下に斜めに掛けて走る。首にぶら下げたり、腰に巻いたり、手に持って走ってはいけない(ただし中継所前後では手に持ってもよい)
  • 受け渡しは、中継線から前方20mまでの中継ゾーン内で行う

中継線が引かれた駅伝コースの路面と並木道

点呼は先頭通過の30分前と10分前の2回

中継所で待つ選手の招集時刻も、競技注意事項に表で載っています。第1点呼が先頭通過予定時刻の30分前、最終点呼が10分前の2回。第1点呼は競技者本人か代理人が受け、その際にユニフォームを確認して計測チップ付帯のアスリートビブス1枚が配布されます。最終点呼は必ず競技者本人が受ける決まりです。

区間(中継所)第1点呼最終点呼先頭通過予定時刻
第1区走者(熱田)7:408:008:10
第2区走者(藤前)8:078:278:37
第3区走者(長島)8:388:589:08
第4区走者(羽津)9:129:329:42
第5区走者(林崎)9:4510:0510:15
第6区走者(河芸)10:2110:4110:51
第7区走者(藤方)10:5811:1811:28
第8区走者(豊原)11:4912:0912:19

最終点呼のあとは「ウエイティングゾーン」で待機します。中継所で見るなら最終点呼の時刻より前に着いていれば、次の区間の走者が並ぶところから見られる計算です。なお競技注意事項は2026年2月27日現在の版で要項(9月29日現在)より古いものの、表の先頭通過予定時刻は現在掲載されているコース図と全地点で一致しているため、前提は変わっていないと判断できます。

中継所への行き方と、何時までに着けばいいか

中継所はたすきリレーが見られる分かりやすいポイントです。大会公式サイトが掲載しているアクセスをまとめます。

地点最寄りと徒歩
スタート地下鉄「熱田神宮西」駅②出口 徒歩3分/名鉄「神宮前」駅 徒歩10分
第1中継所名古屋駅名鉄バスセンターから三重交通バス「南陽町藤前」下車すぐ/あおなみ線「稲永」駅 徒歩45分
第2中継所近鉄またはJR「桑名」駅から三重交通バス「長島スポーツランド」下車 徒歩5分
第3中継所近鉄「霞ケ浦」駅 徒歩25分/JR「富田浜」駅 徒歩25分
第4中継所伊勢鉄道「鈴鹿」駅 徒歩25分
第5中継所近鉄「豊津上野」駅 徒歩5分
第6中継所JR「高茶屋」駅 徒歩30分/近鉄またはJR「津」駅から三重交通バス「米津(ラッツ前)」下車すぐ
第7中継所近鉄「櫛田」駅 徒歩3分
フィニッシュ近鉄またはJR「伊勢市」駅から三重交通バス「内宮前」下車 徒歩1分

駅から歩くだけでたどり着けるのは、スタート地点(徒歩3分)と第5中継所(徒歩5分)、第7中継所(徒歩3分)の3カ所。第2中継所とフィニッシュは駅からバスに乗り換える必要があり、第1・第3・第4・第6中継所は徒歩25分以上かかります。鉄道中心で動くなら、第5中継所(10:51)か第7中継所(12:19)でたすきリレーを見てから、伊勢市駅経由でフィニッシュ(13:16)へ向かう組み立てが現実的です。なお先頭通過予定時刻は大会記録ペースで引かれた時刻なので、実際の先頭はこれより遅れることのほうが多くなります。早めに着いておくほうが安全です。

応援の禁止事項も競技注意事項に並んでいます。自動車・自転車等の車両を用いて伴走や応援をした場合は審判長の裁定で失格とすることがあり、車両から車外に身体を乗り出す、物を突き出す・投げる、競技者の左右に介在する、飲食物を提供するといった行為は「絶対に行わない」とされています。道に直接目印となるマーキングをすることも厳禁です。

よくある質問

全日本大学駅伝2026はいつ、何時にスタートしますか

2026年11月1日(日)午前8時10分、名古屋市の熱田神宮西門前をスタートします。フィニッシュの伊勢神宮内宮宇治橋前の先頭通過予定時刻は13時16分です。

出場するのは何チームですか

27チームです。前回大会で8位以内に入ったシード8校、全国8地区の選考会を勝ち上がった代表17校、オープン参加の日本学連選抜と東海学連選抜を合わせた数で、大学単独では25校です。

エントリーはもう発表されていますか。区間エントリーはいつですか

チームエントリーは10月7日(水)正午に締め切られ、10月8日に確定版が公開されました。大学25校はいずれも上限の16人、日本学連選抜は14人、東海学連選抜は13人の登録です。区間の顔ぶれが見えるのは、メンバーエントリー(10月28日午前10時〜29日正午)で16人が競技者8人・補員5人に絞られたあとになります。

シード権は何位までですか

8位までです。要項には「本大会で8位以内に入ったチームには、2027年開催予定の秩父宮賜杯 第59回全日本大学駅伝対校選手権大会の参加権を与える」と明記されています。今回のシード8校も、前回8位以内に入った駒澤大・中央大・青山学院大・國學院大・早稲田大・帝京大・創価大・順天堂大です。

繰り上げスタートは何分差で行われますか

先頭チームから10分を超えて遅れたチームがある場合です。ただし第5、第6、第7中継所だけは15分となっています。繰り上げになったチームの走者は白色のたすきでスタートします。

テレビ放送はありますか

要項に「テレビ朝日系列で生中継される」と明記されています。放送時間や配信の詳細は、この記事の更新時点では第58回大会ぶんの公式発表を確認できていないため、各局の番組表で直前に確認してください。

まとめ

全日本大学駅伝2026は11月1日(日)午前8時10分スタート、熱田神宮西門前から伊勢神宮内宮宇治橋前までの8区間106.8km、出場27チームで行われます。

11月1日までにやることを、日付の順に並べ直します。

  • 10月28〜29日: メンバーエントリー。確定済みの16人から競技者8人と補員5人に絞られ、ここで初めて区間オーダーが見えます
  • 当日の朝: 6時10分から6時30分までのメンバー変更。交替は最大3人までなので、公表された区間オーダーが最終形とは限りません
  • 見る場所を決める: 鉄道だけで行けるのはスタート・第5中継所・第7中継所の3カ所。先頭通過予定時刻の30分前に着けば、点呼から並ぶところまで見られます
  • レースが始まったら: 通過が予定時刻より何分遅いかを見る。予定は大会記録とほぼ同じ5時間6分46秒ペースなので、遅れがそのまま優勝タイムの目安になります

10月中は国内のロードとトラックが続きます。10月15日からの国スポ陸上2026(青森)や、9月に終わった日本インカレ2026の結果と並べて見ると、同じ選手が秋にどう走っているかを追えます。

駅伝のように区間ごとにペースを設計して走る競技では、自分の練習をどう積み上げたかが当日の走りに直結します。陸上練習ノートアプリ「TRACK HUB」では、日々の練習の距離とペース、体調を記録して振り返れます。大会の数字を眺めるだけでなく自分の記録も残しておくと、1年後に見返したときの手応えが変わってきます。