全日本大学女子駅伝2026(第44回全日本大学女子駅伝対校選手権大会・杜の都駅伝)は、2026年10月25日(日)12時10分に宮城・仙台の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)をスタートします。発着点が同じ周回型の6区間38.0kmで、出場は25チームにオープン参加の東北学連選抜を加えた26チーム。この記事では大会要項・公式リザルト・交通規制図・各地区学連の公式発表・日本テレビの番組公式ページという一次情報だけを使い、出場校の決まり方から中継所の通過予定時刻までを10月4日時点の事実で整理します。

この記事でわかること

  • 日程・スタート時刻・会場と、前日(10月24日)の日程
  • 出場26チームの内訳と、最大枠である関東6校が決まる仕組み
  • 6区間38.0kmの区間距離・中継所・区間記録と通過予定時刻
  • 大会記録2時間3分3秒と、前回大会で延べ15人が旧区間記録を破った事実
  • 日本テレビ系の放送3番組とTVerの無料ライブ配信

全日本大学女子駅伝2026の日程・会場・スタート時刻

結論から書きます。第44回大会は10月25日(日)12時10分スタート。会場は弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)で、ここがスタートでもフィニッシュでもあります。大会要項に記載された基本情報は次のとおりです。

項目内容
大会名第44回全日本大学女子駅伝対校選手権大会
通称杜の都駅伝
期日2026年10月25日(日)12時10分スタート
スタート・フィニッシュ弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)
距離全6区間38.0km
出場25チーム+オープン参加の東北学連選抜1チーム=26チーム
主催公益社団法人日本学生陸上競技連合、読売新聞社
共催仙台市
後援スポーツ庁、宮城県、報知新聞社、日本テレビ放送網、ミヤギテレビ
運営協力東北学生陸上競技連盟、一般財団法人宮城陸上競技協会、公益財団法人仙台市スポーツ振興事業団
テレビ日本テレビ系で全国中継生放送(要項「注意事項」6)

レースは日曜の昼からですが、大会そのものは前日の土曜に始まります。要項(2026年9月14日現在)の「11.日程」には、10月24日(土)に監督会議13時00分・プレスインタビュー13時45分・開会式15時00分(いずれも江陽グランドホテル・予定)、閉会式だけを25日(日)17時00分に弘進ゴムアスリートパーク仙台で行うと書かれています。

競技者にとって24日がより重要なのは、この日にメンバーエントリーがあるからです。要項の申込方法には「メンバーエントリー(正選手6名、補員2名)については、健康に関する誓約書(選手1名につき1部提出)を2026年10月24日(土)11時30分~12時00分までに、メンバーエントリー会場に持参し提出する」とあります。チーム編成は1チーム13名(監督1名、コーチ1名、マネージャー1名、選手10名)で、選手10名から正選手6名と補員2名に絞られます。誰がどの区間を走るかは、24日まで公表されません。

杜の都駅伝は、秋の学生駅伝シリーズの3戦目にあたります。10月12日の出雲駅伝2026(6区間45.1km・22チーム)、10月17日の箱根駅伝予選会2026(第103回の通過条件とコース)に続き、女子の全国舞台がこの10月25日です。翌週11月1日には男子の全日本大学駅伝(8区間106.8km・テレビ朝日系全国生中継)が控えています。

秋の市街地の道路を走る女子ロードレースの遠景

杜の都駅伝2026の出場校|シード8校と地区代表15校の決まり方

出場校を正確に理解するには、26という数字の内訳を押さえるのが早道です。要項の「13.参加資格」は出場枠を、2)①第43回大会上位8チーム(シード校)、2)②各地区学連の代表チーム(合計15チーム)、3)5000m6名の記録による2チームの3種類に分け、4)で「総出場数は、上記2)3)の合計25チーム及びオープン参加の東北学連選抜チーム1チームを含めた26チーム」と明記しています。

なお東北学連選抜は扱いが特別で、要項の注意事項4)に「東北学連選抜チームの総合記録は参考記録となるが、各区間のタイムは区間記録として認定する」とあります。総合順位には入らないが、区間記録なら公認される、という位置づけです。

シード校8校

シード権を持つのは第43回大会の上位8チームです。大会公式サイトの「出場校紹介」には、ナンバーと出場回数まで掲載されています。

ナンバー大学地区出場回数第43回の順位・記録
1城西大学関東32年連続33回目1位 2時間3分28秒
2大東文化大学関東16年連続16回目2位 2時間3分44秒
3名城大学東海28年連続28回目3位 2時間3分50秒
4東北福祉大学東北20年連続24回目4位 2時間4分2秒
5立命館大学関西37年連続37回目5位 2時間5分13秒
6大阪学院大学関西18年連続33回目6位 2時間6分38秒
7筑波大学関東6年連続30回目7位 2時間7分9秒
8福岡大学九州17年連続38回目8位 2時間7分16秒

出場回数の欄には、この大会の歴史がそのまま出ています。第1回大会は1983年で、公式サイトの歴代出場校の表は1983年から2026年まで44年分が1年も欠けずに並んでいます。そのうち福岡大学は38回目で、シード8校のなかで最多です。

連続出場の数字と通算の数字を見比べると、各校の歩みの違いが出ます。立命館大学(37年連続37回目)、名城大学(28年連続28回目)、大東文化大学(16年連続16回目)の3校は2つの数字が一致していて、初出場の年から一度も欠けていません。一方の筑波大学は通算30回目ですが連続は6年で、出場が途切れた年が何度もあったことになります。

地区代表15校の枠配分

地区代表の枠は要項で固定されています。関東に6枠、関西に3枠が割り振られ、残りの6地区は各1枠です。

地区学連枠選考会期日
北海道1北海道教育長杯 第33回北海道大学女子駅伝対校選手権大会 兼 北海道地区選考会2026年8月15日
東北1東北学生長距離対校選手権大会 兼 東北地区代表選考会2026年9月26日
関東6第32回関東大学女子駅伝対校選手権大会2026年10月3日
北信越1北信越地区選考会(5000m)2026年7月4日
東海1東海地区選考会(5000m)2026年8月30日
関西3第36回関西学生対校女子駅伝競走大会 兼 関西地区予選2026年9月26日
中国四国1中国四国地区代表選考会(5000m)2026年9月23日
九州1九州地区選考会(5000m)2026年6月6日
合計15

要項には「各地区学連で上記の数を満たさなかった場合は、下記3)の枠を増やす」という但し書きもあり、地区枠が埋まらなければ5000m記録枠が増える設計です。

選考会の形式は地区によって違います。関東・関西・北海道は駅伝そのもので争い、東北・北信越・東海・中国四国・九州は5000m(東北は3000mも含む)の上位6名の合計タイムで決めます。たとえば中国四国地区の要項は「5000mのタイムレースとし、上位6名の合計タイムの上位1校を(中略)中国四国地区代表として、公益社団法人日本学生陸上競技連合に推薦する」と定めています。

地区代表15校(各地区学連の公式発表)

各地区学連が公開している要項と結果にあたると、15校は次のとおりです。いずれも各地区学連の公式発表にもとづくもので、全日本としての出場校一覧の公表は10月5日です。

地区代表校根拠(選考会の結果)
北海道北海道大学第33回北海道大学女子駅伝(8月15日・真駒内)優勝 2時間7分47秒
東北東北大学女子対校の部 優勝 1時間34分9秒62。東北学連公式の競技結果に「全日本大学女子駅伝東北地区代表校 東北大学」と明記
関東順天堂大学第32回関東大学女子駅伝の上位6校(次項の表)
関東日本体育大学同
関東帝京科学大学同
関東白鷗大学同
関東東洋大学同
関東玉川大学同
北信越新潟医療福祉大学対校女子5000m 団体1位 1時間47分10秒89(大会公式サイトにも掲載・15年連続15回目)
東海日本福祉大学東海地区選考会の女子5000mで上位6名の合計タイムが最速
関西関西大学第36回関西学生対校女子駅伝 総合2位 2時間2分51秒
関西大阪芸術大学同 総合3位 2時間3分22秒
関西佛教大学同 総合5位 2時間5分58秒
中国四国環太平洋大学チーム別順位(上位6人の合計)1位 1時間50分44秒03
九州九州大学九州地区選考会 1位 1時間54分5秒10(大会公式サイトにも掲載・初出場)

この一覧でおもしろいのが、北海道・東北・九州の3枠が北海道大学・東北大学・九州大学で埋まったことです。九州大学は大会公式サイトの出場回数欄に「初出場」と記載されています。東北大学は同じ選考会の男子対校の部でも優勝しており、東北学連の競技結果には男女そろって「東北地区代表校 東北大学」と書かれています。

関西の表で順位が飛んでいるのは、シード校を除く規定があるためです。関西地区予選の要項の備考3には「本大会の成績による上位3校(第43回全日本大学女子駅伝対校選手権大会の結果、8位までに入りシード権を獲得した立命館大学、大阪学院大学を除く)は、第44回全日本大学女子駅伝対校選手権大会への出場権を得る」とあり、総合1位の大阪学院大学(2時間2分33秒)と4位の立命館大学(2時間4分43秒)が枠の対象外になっています。関東にも同じ構造があり、こちらは次項で見ていきます。シード校の名城大学(東海)と福岡大学(九州)は、そもそも地区選考会に出ていません。

なお東海地区学連は団体の合計タイム表を公表していないため、ここでは要項の選考方法と公式の個人リザルトから代表校だけを記載し、合計タイムは書いていません。

関東の6枠は、わずか3週間前に決まった

地区代表のうち最大の6枠を持つ関東は、選考の仕組みが要項に明記されています。関東学生陸上競技連盟が公開した第32回関東大学女子駅伝対校選手権大会の要項(2026年6月25日時点)の「17.その他」1)に、こう書かれています。

本大会上位6校(昨年度大会の結果、シード校である城西大学・大東文化大学・筑波大学は除く)は2026年10月25日(日)に行われる第44回全日本大学女子駅伝対校選手権大会に出場することができる。

この第32回関東大学女子駅伝は2026年10月3日(土)8時50分スタート、印西市千葉ニュータウン周回コースの6区間34.4kmで行われました。杜の都駅伝の22日前です。関東学連の公式リザルト(10月3日11時24分38秒更新)の総合成績は、上位10校とシード校の扱いがこうなっています。

順位大学記録全日本の枠
1大東文化大学1時間49分51秒(大会新)シード校のため対象外
2順天堂大学1時間52分37秒獲得
3日本体育大学1時間53分16秒獲得
4帝京科学大学1時間53分40秒獲得
5筑波大学1時間54分28秒シード校のため対象外
6白鷗大学1時間55分13秒獲得
7東洋大学1時間55分38秒獲得
8玉川大学1時間55分42秒獲得
9立教大学1時間56分27秒届かず
10駿河台大学1時間57分3秒届かず
―城西大学6区で途中棄権シード校

9位の立教大学と8位の玉川大学の差は45秒。6区間34.4kmで45秒差というのは、1kmあたり1.3秒です。関東の6枠目はそれだけ薄い差で決まっています。

5000m記録枠2チームと同タイムの扱い

残る2枠は、トラックの記録で決まります。要項3)は「5000m6名の記録による2チーム」で、申込方法によると出場を希望するチームが各選手の5000mの記録を申告し、6人の持ちタイムの合計で争う方式です。対象は「各地区選考会にエントリーし、かつ、申込方法の1)に従い申込をした大学」に限られます。

タイブレークまで要項に書かれているのがこの枠の特徴です。参加資格の※5に「申込選手の合計記録が同タイムの場合は、資格記録で最上位の選手がいるチームを選出する。最上位者も同タイムの場合は、次の記録上位選手の記録を比較し、順次判定して選出する」。合計が並んだらエース1枚の強さで決まり、それも並べば2番手を比べる、という順序です。

10月4日時点で、公式の出場校一覧はまだ10校

地区代表が出そろっていても、大会としての出場校一覧はまだ公表されていません。10月4日時点で大会公式サイトの「出場校紹介」に載っているのは、シード8校と、各地区出場校のうち北信越・新潟医療福祉大学と九州・九州大学の2校を足した計10校だけ。「5000mの記録による出場校」と「オープン参加」の表は、見出しだけがあって中身は空のままです。

理由は申込の締切です。要項の申込方法には、チームエントリーの締切が2026年10月5日(月)正午で、「出場が決定したチームについては、2026年10月5日(月)中に各チームの責任者に連絡するとともに、学連HPに公表する」と書かれています。さらに参加資格4)には「対象となる記録は2026年4月1日から10月4日までに出した記録でなければならない。なお、電気計時の公認記録のみ有効とする」とあり、記録枠の集計期間が10月4日で締まります。出場26チームが正式にそろうのは10月5日です。

コースと6区間38.0km|区間距離・中継所・通過予定時刻

コースは弘進ゴムアスリートパーク仙台を発着点とし、仙台市内を回って戻ってくる6区間38.0kmです。要項に記載された区間距離と中継所、そして現在の区間記録を並べます。

区距離中継所(区間の終点)区間記録記録保持者1km換算
1区6.6km第1中継所・仙台市中央卸売市場前20分53秒本間香(城西大)約3分10秒
2区4.0km第2中継所・仙台育英学園前(総合運動場側)12分38秒兼子心晴(城西大)約3分10秒
3区5.8km第3中継所・太白区役所前18分14秒佐々木菜月(東北福祉大)約3分9秒
4区4.8km第4中継所・五橋中学校前15分14秒谷本七星(名城大)約3分10秒
5区9.2km第5中継所・石井組前28分0秒不破聖衣来(拓殖大)約3分3秒
6区7.6kmフィニッシュ(競技場)24分35秒金子陽向(城西大)約3分14秒

1km換算は編集部が区間記録を距離で割った値です。ここに杜の都駅伝のコース設計が出ています。もっとも長い5区9.2kmの区間記録が1km約3分3秒で、6区間のなかで最速。逆にもっとも遅いのは最終6区の1km約3分14秒です。距離が長い区間ほどペースが落ちるのが普通ですから、この並びは逆転しています。各校が最長の5区に主力を置くことが多く、結果として9.2kmがいちばん速く刻まれている、という読み方ができます。5区の比重が大きいことは、この数字からも見えてきます。

中継所の名前にも仙台らしさが出ています。第2中継所は仙台育英学園前(総合運動場側)。その仙台育英高は、10月3日のU20日本選手権女子5000mで3位の坂田杏から6位の鈴木かのんまで4人を上位に送り込んだ高校です(U20日本選手権2026の初日リザルト参照)。大学駅伝の中継所が、全国区の高校長距離の拠点の前に置かれているわけです。

中継所の通過予定時刻と交通規制

仙台市街地を走るため、大会当日は広い範囲で交通規制がかかります。主催者と仙台市が公開している第44回大会の交通規制図には、中継所ごとの通過予定時刻まで印刷されています。

地点累計距離通過予定時刻その区間の規制時間の目安
スタート(弘進ゴムアスリートパーク仙台)0km12時10分—
第1中継所・仙台市中央卸売市場前6.6km12時30分~12時37分頃1区 12時00分頃~12時50分頃
第2中継所・仙台育英学園前(総合運動場側)10.6km12時43分~12時51分頃2区 12時00分頃~13時05分頃
第3中継所・太白区役所前16.4km13時2分~13時14分頃3区 12時25分頃~13時30分頃
第4中継所・五橋中学校前21.2km13時18分~13時32分頃4区 12時35分頃~13時45分頃
第5中継所・石井組前30.4km13時47分~14時4分頃5区 12時50分頃~14時15分頃
フィニッシュ(弘進ゴムアスリートパーク仙台)38.0km先頭14時11分頃/最終14時27分頃6区 13時15分頃~14時45分頃

全体の交通規制時間は12時00分~14時45分です。

この表からもうひとつ読めることがあります。先頭のフィニッシュ予定が14時11分頃ということは、スタートから2時間1分。後述する大会記録の2時間3分3秒より2分ほど速い到着を見込んだ設定になっています。一方の最終通過予定14時27分頃は2時間17分ですが、第43回大会の公式リザルトでは最後にフィニッシュしたチームの記録が2時間24分47秒でした。規制図にも「規制時間はレース展開によって、前後することがあります」と明記されているので、あくまで目安として見るのが正解です。

なお第44回の要項には、「繰り上げ出発」の規定は書かれていません。参考までに関東大学女子駅伝の要項には「道路の規制時間内に競技を終了させるため、繰り上げ出発を実施する場合がある。また、繰り上げ時のたすきは主催者で用意する」という条文があります。杜の都の運用は当日の大会本部の案内に従うのが確実です。

沿道で見るときに守ること

交通規制図には観戦のルールも書かれています。編集部で該当箇所を整理すると、次の5点です。

  • 大会当日は道路が混雑するため、マイカーの自粛と公共交通機関の利用に協力する(長距離・路線バスに一部、運休・迂回運行・遅れが出る)
  • 駅伝コース周辺では、安全のためドローンの使用を自粛する
  • 選手が通過するまでコースを横断することはできない(図には横断できる歩道橋・地下通路の位置が記されています)
  • 選手と同じ方向へ曲がろうとする車両は、すべての選手が通過するまで通行できない
  • 交通規制・迂回については、現場警察官の指示に従う

アクセスは公共交通機関が前提です。施設を管理する仙台市スポーツ振興事業団の公式サイトによると、スタート・フィニッシュの弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市宮城野区宮城野2丁目11-6)はJR仙石線「宮城野原駅」から徒歩5分。駐車場は施設利用者のみで、「大会等での貸切利用の時はご利用いただけない場合がございます」と記載されています。交通規制図のマイカー自粛の呼びかけと合わせると、電車で向かうのが確実です。

沿道で見る場所を選ぶなら、公共交通機関で行ける地点から逆算するのが現実的です。スタート・フィニッシュの競技場はJR仙石線の宮城野原駅から徒歩5分で、第2中継所の仙台育英学園前(総合運動場側)も同じ宮城野原の一帯。この2か所なら、最寄り駅から歩いてスタートとタスキ渡しの両方を見られます。規制図には各中継所の位置と、横断に使える歩道橋・地下通路が記されているので、先頭と最終の通過予定時刻を前掲の表で確かめてから向かってください。

問い合わせ先は、交通規制に関することが仙台市スポーツ振興課(022-214-8800・平日8時30分~17時15分)、大会当日が大会本部(022-253-7364)です。当日のオーダーリストと結果は、大会公式サイトの「区間エントリー・大会結果」ページにPDFで掲載されます(10月4日時点では第43回大会分が置かれています)。

大会記録と区間記録|前回は延べ15人が旧区間記録を破った

杜の都駅伝の記録面は、ここ2大会で一気に動きました。順を追って見ていきます。

大会記録は立命館大学の2時間3分3秒

第43回大会の公式リザルトの冒頭には、大会記録(GR)として「2:03:03 立命館大学 2024.10.27(6区間38.0km)太田・山本・村松・池田・中地・土屋」と印字されています。2024年10月27日の第42回大会で立命館大学が出した記録です。

立命館大学の公式発表によると、このときの優勝は9年ぶり11度目。1区の太田咲雪が区間2位(区間新記録)でトップと2秒差でつなぎ、2区の山本釉未と3区の主将・村松灯がそれぞれ区間新記録。村松が2位に1分4秒差をつけて独走に入り、最終6区の土屋舞琴が区間賞でフィニッシュしました。6区間のうち3区間が区間新という内容で、チーム記録が2時間3分3秒まで来ています。

第43回で4区間が更新され、延べ15人が旧記録を上回った

翌2025年の第43回大会では、その区間記録のうち4本が書き換えられました。第43回公式リザルトの区間賞と区間リストを突き合わせると、次のようになります。

区距離第43回前の区間記録第43回の区間賞旧記録を上回った人数
1区6.6km21分11秒 野田真理耶(大東文化大)20分53秒 本間香(城西大)6人
2区4.0km12分41秒 山本釉未(立命館大)12分38秒 兼子心晴(城西大)1人
3区5.8km18分45秒 村松灯(立命館大)18分14秒 佐々木菜月(東北福祉大)6人
4区4.8km15分14秒 谷本七星(名城大)15分44秒 早坂優(東北福祉大)0人
5区9.2km28分0秒 不破聖衣来(拓殖大)28分25秒 サラ ワンジル(大東文化大)0人
6区7.6km24分46秒 谷本七星(名城大)24分35秒 金子陽向(城西大)2人

人数は、公式の区間リストで旧区間記録より速かった選手を編集部が全行数えたものです。合計すると延べ15人。顔ぶれは次の15人です。

区選手大学記録
1区(旧21分11秒)本間 香城西大20分53秒
1区太田 咲雪立命館大20分55秒
1区中野 芽衣東北福祉大20分58秒
1区今西 紗世帝京科学大21分4秒
1区秋竹 凛音大東文化大21分4秒
1区福山 光福岡大21分8秒
2区(旧12分41秒)兼子 心晴城西大12分38秒
3区(旧18分45秒)佐々木 菜月東北福祉大18分14秒
3区米澤 奈々香名城大18分26秒
3区大西 由菜城西大18分33秒
3区山本 釉未立命館大18分35秒
3区鈴木 美海筑波大18分41秒
3区成瀬 結菜大東文化大18分42秒
6区(旧24分46秒)金子 陽向城西大24分35秒
6区村岡 美玖名城大24分44秒

1区と3区は上位6人がそろって旧記録を上回り、関わった大学は8校に及びます。一方で4区と5区は1人も届きませんでした。残っている2本は4区の谷本七星(名城大)15分14秒と、5区の不破聖衣来(拓殖大)28分0秒。とくに5区の28分0秒は、1km約3分3秒で9.2kmを走り切った記録で、第43回の区間賞サラ ワンジルの28分25秒でも25秒届きませんでした。

区間記録の合計は1時間59分34秒

現在の6区間の区間記録をすべて足すと、1時間59分34秒になります。大会記録の2時間3分3秒との差は3分29秒。38.0kmを1km換算すると、区間記録の合計が1km約3分8.8秒、大会記録が1km約3分14.3秒のペースです。

つまり「各区間の最高の走りを1チームに集めた仮想の記録」はすでに2時間を切っています。チーム記録をさらに縮めるなら、更新の勢いがある1区・2区・3区・6区だけでは足りず、第43回で誰も届かなかった4区と5区でどこまで記録に近づけるかが鍵になります。

秋の日差しのなかの陸上競技場のトラックとスタンド

注目チームと注目選手|2026年の実績で読む勢力図

どの選手がどの区間を走るかは、10月24日のメンバーエントリーまで公表されません。以下は2026年シーズンの公式リザルトに残っている実績を並べたもので、出場予定を断定する趣旨ではありません。

前回・第43回の結果

まず前回大会の結果を確認します。城西大学が2時間3分28秒で優勝、大東文化大学が16秒差の2位でした。

TRACK HUB RESULTS

第43回全日本大学女子駅伝対校選手権大会(杜の都駅伝)

2025-10-26 弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)発着・6区間38.0km

総合成績(上位8チーム=第44回のシード校)

順位選手所属記録
1城西大学関東2:03:28
2大東文化大学関東2:03:44
3名城大学東海2:03:50
4東北福祉大学東北2:04:02
5立命館大学関西2:05:13
6大阪学院大学関西2:06:38
7筑波大学関東2:07:09
8福岡大学九州2:07:16

区間賞(第43回)

順位選手所属記録備考
1区 6.6km本間 香城西大学20:53区間新
2区 4.0km兼子 心晴城西大学12:38区間新
3区 5.8km佐々木 菜月東北福祉大学18:14区間新
4区 4.8km早坂 優東北福祉大学15:44
5区 9.2kmサラ ワンジル大東文化大学28:25
6区 7.6km金子 陽向城西大学24:35区間新

この優勝は、最終6区の逆転で決まりました。公式リザルトの通過タイムを追うと、第5中継所の時点で先頭は大東文化大学の1時間37分36秒、2位が東北福祉大学の1時間38分24秒、3位が城西大学の1時間38分53秒。城西大学は先頭と1分17秒差でタスキを受けています。

ここから6区の金子陽向が24分35秒(区間新)で走り、大東文化大学の野田真理耶の26分8秒を1分33秒上回りました。1分33秒から1分17秒を引いた16秒が、そのまま優勝の差です。城西大学の公式発表によると、金子は3位でタスキを受けて東北福祉大学の選手をかわし、残り1kmを切って大東文化大学の選手をとらえて1位でフィニッシュ。同大の優勝は25年ぶり3回目でした。

なお第43回は雨の中のレースでした。公式リザルトのコンディション欄は、スタート時の12時10分が気温15.5度・湿度89%・北北東1.1m/s、フィニッシュ時の14時13分が気温15.0度・湿度94%。第1中継所から第5中継所まで5か所すべてが雨です。

大東文化大学|関東大学女子駅伝を大会新で制し、4区間で区間1位

2026年の時点でもっとも明確な材料を持っているのが大東文化大学です。10月3日の第32回関東大学女子駅伝を1時間49分51秒の大会新記録で優勝し、6区間のうち4区間で区間1位を取りました。関東学連の公式リザルトから、6区間の区間1位を並べます。

区距離区間1位大学記録従来の区間記録
1区4.3km今美里筑波大学13分11秒(区間新)13分25秒 今西紗世(帝京科大・2025)
2区3.0km瀬戸口凜大東文化大学9分26秒9分22秒 兼子心晴(城西大・2025)
3区8.6kmサラ ワンジル大東文化大学27分18秒26分43秒 サラ ワンジル(大東大・2025)
4区5.6km石上栞理順天堂大学18分7秒(区間新)18分9秒 佐藤彩乃(玉川大・2025)
5区7.3km野田真理耶大東文化大学23分27秒(区間新)23分31秒 本間香(城西大・2025)
6区5.6km塩﨑彩理大東文化大学18分3秒17分52秒 金子陽向(城西大・2025)

大東文化大学の軸は、やはりサラ ワンジル(4年)と野田真理耶(4年)です。日本インカレ2026の女子10000mと5000mの結果を見ると、サラ ワンジルは4月24日の女子10000mで31分23秒69の大会新で優勝し、2位に1分7秒87の差をつけています。野田真理耶は9月6日の女子5000mで16分2秒92の3位。その野田が10月3日の関東大学女子駅伝5区で、本間香の持つ区間記録を4秒更新しました。

杜の都駅伝での2人の実績も押さえておきましょう。サラ ワンジルは第43回の5区区間賞(28分25秒)。野田真理耶は1区の区間記録21分11秒の保持者で、第43回は6区を走って26分8秒でした。さらに2026年の関東大学女子駅伝では、1区に成瀬結菜(2年)、2区に瀬戸口凜(1年)、4区に平尾暁絵(4年・区間2位18分8秒)、6区に塩﨑彩理(3年・区間1位)と、短い区間にも走れる選手が並んでいます。

城西大学|本間香を軸にした連覇への布陣

連覇を狙う城西大学は、10月3日の関東大学女子駅伝では6区で途中棄権に終わりました。ただし、そこまでの5区間の走りは公式リザルトに残っています。3区(8.6km)で本間香(2年)が27分40秒の区間2位、4区(5.6km)で本澤美桜(3年)が18分16秒の区間3位、5区(7.3km)で大西由菜(2年)が24分13秒の区間3位。チームは第5中継所で3位につけていました。

本間香は第43回の1区で20分53秒の区間新を出した選手です。日本インカレ2026の女子5000mでは15分58秒20で2位に入っており、優勝した田島愛理(順天堂大4年)との差は1秒33でした。関東大学女子駅伝では3区でサラ ワンジルに22秒差の区間2位。日本インカレの公式速報では登録地が「山形」と記載されています。

東北福祉大学と名城大学|前回の3位・4位

地元・仙台の東北福祉大学は、第43回で4位でした。3区の佐々木菜月(当時3年)が18分14秒の区間新、4区の早坂優(当時2年)が15分44秒の区間賞と、中盤の2区間を連続で取る強さを見せ、第5中継所では2位。最終6区で城西大学と名城大学にかわされての4位です。日本インカレ2026では、女子10000mで小林日香莉(4年)が34分0秒49の8位、女子5000mで鈴木結莉乃(2年)が16分28秒71の17位に入っています。

第43回3位の名城大学は、その6区で順位を上げた側です。第5中継所の通過は1時間39分6秒で、3位の城西大学から13秒後。そこから村岡美玖が24分44秒(旧区間記録を上回るタイム)で走り、2時間3分50秒の3位までまとめました。2026年は日本インカレの女子10000mで木村真桜(1年)が32分31秒56の2位、女子5000mで力丸楓(4年)が16分5秒94の7位。力丸は公式速報の登録地が「宮城」で、仙台が舞台のレースを地元県の登録として走る形になります。女子3000m障害では近藤希美(3年)が10分14秒96で優勝し、女子1500mでも6位。近藤がどのあたりの位置にいるかは、女子1500m日本ランキング2026のTOP30で実業団勢まで含めた順位を見ると分かります。

関西の2校・筑波大学・福岡大学

関西の2校は、9月26日の第36回関西学生対校女子駅伝(神戸しあわせの村・6区間36.2km)で直接対決を済ませています。関西学連の公式リザルトでは、大阪学院大学が2時間2分33秒で優勝、立命館大学は2時間4分43秒の総合4位で2分10秒差。第43回の杜の都では立命館大学が5位、大阪学院大学が6位でしたから、順序が入れ替わった形です。大阪学院大学は日本インカレ2026の女子5000mで古澤由奈(2年)が16分6秒54の9位、薮谷柚芽(1年)が16分8秒40の10位に入り、古澤は第43回の6区で24分51秒の区間3位。大会記録を持つ立命館大学は、第42回の優勝メンバーのうち主将の村松灯と5区の中地こころが当時4回生と公式発表に記載されています。

関東のシード校・筑波大学は、10月3日の関東大学女子駅伝で1区に今美里(4年)を置き、13分11秒の区間新で先頭に立ちました。2区の岡﨑芽依(2年)も9分28秒の区間2位。チームは総合5位です。日本インカレ2026では女子10000mで臼井瑠花(2年)が33分44秒15の3位、白川朝陽(3年)が6位に入っています。

九州の福岡大学は、第43回の1区で福山光が21分8秒を出し、旧区間記録を上回った6人の1人になりました。福山は日本インカレ2026の女子5000mでも16分47秒89で走っています。

公式リザルトから読む有力校

区間エントリーが未発表の段階なので、ここから先は公式リザルトの数字だけを並べた読みです。

いま材料がもっともそろっているのは大東文化大学です。22日前の関東大学女子駅伝を大会新で勝ち、6区間のうち4区間で区間1位。杜の都の5区区間賞サラ ワンジルと、関東の5区で区間記録を更新した野田真理耶が、ともにそのまま残っています。第43回は16秒差の2位で、最長5区の駒をすでに持っているチームです。

連覇を狙う城西大学は、前回区間新を出した兼子心晴(2区)と金子陽向(6区)が公式発表でどちらも当時4年。一方で1区区間新の本間香と、3区で旧区間記録を上回った大西由菜は2026年も走っていて、関東大学女子駅伝では本間が3区区間2位、大西が5区区間3位です。前回と同じ形ではありませんが、上位区間の駒は残っています。

公式リザルトから読むかぎり、優勝争いの中心は大東文化大学と城西大学の2校です。表彰台の3枚目は、第43回で3位・4位だった名城大学・東北福祉大学と、関西地区予選で立命館大学の前に出た大阪学院大学が並ぶ構図になります。

放送・ライブ配信とこの先の日程

テレビ放送は日本テレビ系です。要項の注意事項6)に「本大会は、日本テレビ系で全国中継生放送を行う」と書かれており、日本テレビの番組公式ページには3つの枠が告知されています。

日時番組区分
10月24日(土)13時30分~14時25分私たちの全日本大学女子駅伝 ~あす号砲!襷に染みた涙と笑顔関東ローカル+α
10月25日(日)11時45分~12時00分まもなく全日本大学女子駅伝(直前番組)関東ローカル+α
10月25日(日)12時00分~14時35分スターツスポーツスペシャル 第44回全日本大学女子駅伝(生中継)全国28局ネット

同ページには「スタート直前から『TVer(ティーバー)』にて無料ライブ配信」とも記載されています。生中継の枠は12時00分~14時35分で、スタートの12時10分から規制図上の最終フィニッシュ予定14時27分頃までをほぼ覆う長さです。

この大会の結果は、2つの先につながっています。要項の「その他」2)に「本大会で8位以内に入ったチームには、2027年開催予定の第45回全日本大学女子駅伝対校選手権大会の参加権を与える」。同3)には「参加を希望する本大会の上位12校には、本年12月30日(水)に(中略)開催を予定している2026全日本大学女子選抜駅伝競走の参加権を与える」とあります。後者は日本学生陸上競技連合の大会情報によると、静岡県の富士市・富士宮市で行われる7区間43.4kmの大会で、フジテレビ系の全国生中継。つまり10月25日の上位12位までが、年末のもう1つの全国大会への切符になります。

表彰は、優勝チームに文部科学大臣杯・賞状・日本学生陸上競技連合会長杯・優勝旗(読売新聞社)、2位から8位までに賞状と楯、各区間の最高記録者に区間賞、優勝チームの監督またはコーチに優秀指導者賞です。

よくある質問

全日本大学女子駅伝2026の出場校は何校ですか

大会要項によると、シード8校・地区代表15校・5000mの記録による2校の合計25チームに、オープン参加の東北学連選抜1チームを加えた26チームです。ただし全チームがそろうのは、チームエントリーの締切(10月5日正午)のあと。10月4日時点で大会公式サイトの「出場校紹介」に掲載されているのは10校だけです。

スタートは何時で、どこから走りますか

2026年10月25日(日)12時10分に、弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)をスタートします。フィニッシュも同じ競技場で、6区間38.0kmの周回型コースです。交通規制図では、先頭のフィニッシュが14時11分頃、最終が14時27分頃と予定されています。

テレビ放送とライブ配信はありますか

日本テレビの番組公式ページによると、10月25日(日)12時00分~14時35分に全国28局ネットで生中継があります。前日の10月24日(土)13時30分~14時25分と、当日11時45分~12時00分にも関連番組が編成されています。スタート直前からTVerで無料ライブ配信が行われると告知されています。

関東の代表6校はどのように決まるのですか

第32回関東大学女子駅伝対校選手権大会(2026年10月3日・印西市千葉ニュータウン周回コース・6区間34.4km)の総合順位から、シード校の城西大学・大東文化大学・筑波大学を外し、その上で上位6校が出場権を得ます。2026年は順天堂大学・日本体育大学・帝京科学大学・白鷗大学・東洋大学・玉川大学の6校がこれに当たります。規定は同大会の要項「17.その他」1)に明記されています。

誰がどの区間を走るかはいつ分かりますか

大会要項の申込方法によると、メンバーエントリー(正選手6名、補員2名)の提出は10月24日(土)11時30分~12時00分です。1チーム13名のうち選手は10名で、そこから正選手6名と補員2名が決まります。大会前日まで区間配置は公表されません。

まとめ

第44回全日本大学女子駅伝(杜の都駅伝)は、2026年10月25日(日)12時10分に弘進ゴムアスリートパーク仙台をスタートし、6区間38.0kmで争われます。出場はシード8校・地区代表15校・5000m記録枠2校・オープン1チームの26チームで、全チームがそろうのは10月5日。区間配置が分かるのは前日10月24日のメンバーエントリー後です。

記録面では、大会記録が立命館大学の2時間3分3秒、6区間の区間記録の合計が1時間59分34秒。第43回では延べ15人が旧区間記録を上回り、4区間が書き換わりました。残っているのは4区と5区の2本です。公式リザルトから読むかぎり、優勝争いの中心は関東大学女子駅伝を大会新で勝った大東文化大学と、連覇を狙う城西大学になります。

駅伝は、個人のタイムが1本の線としてつながる競技です。自分の区間で何秒削れたか、どのペースで何kmを押せたかを積み上げた先に、チームの記録が出ます。陸上練習ノートアプリ「TRACK HUB」では、ジョグからポイント練習までの距離とペースを記録して週ごとに振り返れます。杜の都の1km約3分10秒という数字を自分の練習と並べてみてください。