陸上女子100mH(100mハードル)の2026年日本ランキングをTOP30まで表にしました。今季の日本最高は中島ひとみ(長谷川体育施設)の12秒60で、これは日本記録でもあります。しかも今季は8月9日と15日、わずか6日間隔で日本記録が2度動いたシーズンでした。どの大会のどの会場で、いつ出た記録かまで全30行に載せています。

この記事でわかること

  • 2026年シーズンの女子100mH日本ランキングTOP30(記録・風速・所属・大会・会場・日付つき)と、2025年との比較
  • 日本記録が12秒69から12秒60まで動いた8月9日〜15日を、公式リザルトで再現
  • 日本選手権の決勝で5人がアジア大会派遣設定記録をクリアし、そのうち2人が個人種目の代表に入ったこと
  • 世界TOP7と比べた日本の位置と、高校記録・中学記録・IH/全中の入賞ラインを並べた「13秒台の目盛り」
  • 高校生7人・大学生4人がTOP30入り。12位・藤田紗季の13秒20は日本高校記録

2026年 女子100mH 日本ランキングTOP30

赤褐色のトラックに等間隔で並んだ100mハードルのレーン

World Athleticsトップリストの取得日は2026年9月6日。同日時点で未反映の日本インカレ(9月5〜7日)は含みません。今回はシーズン版の初回で、前月からの変動は次回更新から載せます。同記録は同順位のため、30人目までを載せた最終行は29位タイです。区分は「高=高校生/大=大学生/社=実業団・クラブ・陸協など」です。

順位記録風速選手名所属区分大会会場日付
112.60+0.7中島 ひとみ長谷川体育施設社Athlete Night Games in FUKUI 2026福井県営陸上競技場8/15
212.68+2.0青木 益未七十七銀行社第8回富士北麓ワールドトライアル富士山GXスタジアム(山梨)8/9
312.72-0.2福部 真子日本建設工業社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
412.81-0.9田中 佑美富士通社セイコーゴールデングランプリ陸上2026東京国立競技場(東京)5/17
512.94+1.9村岡 柊有NSD社第68回東日本実業団選手権NDソフトスタジアム山形5/16
612.96+0.8大松 由季CDL社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
713.01-0.9清山 ちさといちご社セイコーゴールデングランプリ陸上2026東京国立競技場(東京)5/17
713.01+1.4本田 怜水戸信用金庫社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
913.09+1.5小林 歩未未確認(後述)—2026 ATX Sprint Classicサウスウェスタン大(アメリカ・テキサス州)6/20
913.09+0.7島野 真生渡辺パイプ社Athlete Night Games in FUKUI 2026福井県営陸上競技場8/15
1113.17+0.7芝田 愛花エディオン社Athlete Night Games in FUKUI 2026福井県営陸上競技場8/15
1213.20+1.8藤田 紗季敦賀高高令和8年度北信越高等学校総合体育大会石川県西部緑地公園陸上競技場6/19
1313.22+1.9鈴木 美帆長谷川体育施設社第68回東日本実業団選手権NDソフトスタジアム山形5/16
1413.23+0.4福井 有香立命館大大第103回関西学生対校選手権ヤンマースタジアム長居(大阪)5/15
1513.28+1.0中尾 あゆみいちご社第81回九州選手権山之口陸上競技場(宮崎)8/23
1613.29+1.8二階堂 咲神戸山手グローバル高高第70回兵庫県高等学校総合体育大会ユニバー記念競技場(神戸)5/29
1713.30+1.5小寺 彩貴順天堂大大国民スポーツ大会 石川県予選会石川県西部緑地公園陸上競技場7/19
1713.30+1.8福田 花奏滝川第二高高第70回兵庫県高等学校総合体育大会ユニバー記念競技場(神戸)5/29
1913.31+0.1髙橋 亜珠筑波大大オルドス2026 U23アジア選手権オルドス(中国)7/11
2013.32+1.4梶木 菜々香ノジマT&FC社第110回日本選手権・混成競技(七種競技)長良川競技場(岐阜)6/6
2013.32+1.0伊藤 彩香レント社第81回九州選手権山之口陸上競技場(宮崎)8/23
2213.33+1.9金井 まるみ横浜市陸協社第68回東日本実業団選手権NDソフトスタジアム山形5/16
2213.33+0.3吉永 優衣長崎日大高高全国高校総体 北九州地区予選大分スポーツ公園総合競技場(大分)6/22
2413.34+1.9安井 麻里花横浜市陸協社第68回東日本実業団選手権NDソフトスタジアム山形5/16
2413.34-0.2星場 麗羽天理大大第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
2613.37+1.0嶋中 心優相洋高高令和8年度関東高等学校陸上競技大会(南関東)水戸信用金庫スタジアム(茨城)6/15
2713.38+1.4田中 きよの登利平AC社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
2813.40+1.5石原 南菜白鴎大足利高高令和8年度関東高等学校陸上競技大会(北関東)水戸信用金庫スタジアム(茨城)6/15
2913.41+1.4小宮 いつき日本体育施設社第110回日本選手権パロマ瑞穂スタジアム(愛知)6/12
2913.41+1.8阪 真琴佐久長聖高高令和8年度北信越高等学校総合体育大会石川県西部緑地公園陸上競技場6/19

このランキングの作り方(出典と集計ルール)

順位づけのもとにしたのは、World Athletics(世界陸連)の2026年 女子100mH 日本トップリスト(1人1記録)です。各国連盟を通じて登録された公認記録が並び、風速も1件ずつ載るデータベースです。同じWorld Athleticsの「ワールドランキング」は大会の格と着順にポイントを与える別指標で、この順位とは一致しません。

ただしこのリストは都道府県高校総体やインターハイ地区大会の記録を拾いきれていないため、高校生は日本陸連の2026年 全国高等学校リモート陸上競技大会 女子100mH 記録ランキングと突き合わせ、抜けていた記録を主催者の公式リザルトで確かめて加えました(二階堂咲・福田花奏・嶋中心優・石原南菜の4人)。

TOP30の30人は主催団体の公式リザルトに当たり、氏名の漢字表記・所属・記録・風速・ラウンドを照合しました(例外の2人は後述)。照合先は第110回日本選手権の公式結果、日本グランプリシリーズ3大会(セイコーGGP・富士北麓・ANG福井)とU23アジア選手権のリザルトPDF、東日本実業団連盟・関西学連・宮崎陸協・九州高体連・石川陸協・兵庫県高体連・茨城陸協の公式リザルトです。

集計ルールは次の4点です。

  1. 追い風2.0m/sを超えた記録は含めない(日本陸連の競技規則(第2部 トラック競技)で参考記録扱いとなるため)
  2. 1人につき今季最高記録の1本だけ(同じ選手が複数回並ばないようにするため)
  3. 予選・準決勝・決勝を区別しない(公認された最高記録を採る)
  4. 七種競技のなかで走った100mHも対象(同じ規格で行われるため)

表の「日付」は会期ではなく記録が出た日、所属は表記が割れる場合に第110回日本選手権の公式リザルトを優先しました。22位タイ・吉永優衣の風速はWorld Athleticsが-0.3、主催者の九州高体連リザルトと日本陸連の高校ランキングが+0.3で、国内公式の+0.3を採りました。

照合の例外が2人あります。

  • 9位タイの小林歩未:記録・風速・日付はWorld AthleticsとTFRRSの2026 ATX Sprint Classic結果で確認。氏名の漢字は月刊陸上競技の記事で確認しました(記録の数値は二次媒体から採っていません)。大会側の登録は「Unattached(無所属)」、日本選手権のエントリーリストにも名前がなく、国内登録所属を公式ソースで確認できませんでした。表の所属は「未確認」、区分は「—」とし、裏が取れ次第、次回更新で補います
  • 16位の二階堂咲:記録・風速は前掲の高校ランキングと兵庫県高体連の公式リザルト、氏名の漢字と所属は日本陸連の世界U20選手権 日本代表選手団一覧で確認しました

女子100mHの日本記録が2度動いた8月|12秒69→12秒62→12秒60

日本記録が2度書き換わった8月9日から15日までを、公式リザルトで順に追います。

夏の青空の下、レーンと吹き流しが見える陸上競技場

出発点は、2024年7月20日に福部真子(日本建設工業)が平塚で出した12秒69。これが2026年8月8日までの日本記録でした。

書き換えた中島ひとみは、日本陸連の選手プロフィールによると1995年7月13日生まれの兵庫県出身。荒牧中→夙川学院高→園田学園大を経て長谷川体育施設へ。同プロフィールによれば2025年の東京世界陸上にも出場しており、日本記録を出した8月15日時点で31歳でした。

8月9日・富士北麓|予選と決勝で12秒62

8月9日、山梨・富士山GXスタジアムでの第8回富士北麓ワールドトライアル。女子100mHは予選3組と決勝で争われました。

  • 予選1組(+2.0):中島ひとみが12秒62で1着。公式の新記録一覧に「日本記録/大会記録」として記載されています
  • 予選2組(+2.0):青木益未(七十七銀行)が12秒68で1着。従来の日本記録12秒69を上回り、公式リザルトの新・タイ記録一覧には中島と同じく「日本記録(NR)/大会記録」の表記があります。ただし日本記録一覧に載るのは最も速い1本。この日の日本記録は中島の12秒62、青木の12秒68は日本歴代2位となりました
  • 決勝(-0.2):中島が向かい風の中で再び12秒62。2位・青木12秒72、3位・田中佑美12秒95、4位・村岡柊有13秒07と続きました

この1日だけで、日本歴代1位と2位の記録が同時に生まれたことになります。

8月15日・ANG福井|12秒60で自身の記録を更新

6日後の8月15日、福井県営陸上競技場でのAthlete Night Games in FUKUI 2026。女子100mH決勝は追い風0.7m。表の備考のRTは公式リザルトに載る反応時間(リアクションタイム)です。

TRACK HUB RESULTS

Athlete Night Games in FUKUI 2026 女子100mH

2026-08-15 福井県営陸上競技場

女子100mH 決勝風: +0.7

順位選手所属記録備考
1中島 ひとみ長谷川体育施設12.60日本新記録・大会新記録・自己新/RT 0.137
2福部 真子日本建設工業12.80RT 0.159
3村岡 柊有NSD13.01RT 0.186
4島野 真生渡辺パイプ13.09RT 0.163
5本田 怜水戸信用金庫13.12RT 0.143
6大松 由季CDL13.13RT 0.169
7芝田 愛花エディオン13.17RT 0.146
8中尾 あゆみいちご13.50RT 0.152

中島の12秒60には、公式リザルトで日本新記録(NNR)・大会新記録(NGR)・自己新(PB)の表記がついています。日本陸連の公式Xも当日のうちに写真つきで速報を出しました。

日本陸上競技連盟@jaaf_official

━━✨━━━✨━━━✨━━  🇯🇵 日本新記録 速報 🇯🇵   女子100mハードル#中島ひとみ 日本記録再び更新🎉 ━━✨━━━✨━━━✨━━#ANG福井 女子100mハードル決勝で#中島ひとみ 選手(長谷川体育施設)が 12秒60(風:+0.7m/s)‼️ 先週の #富士北麓ワールドトライアル で…

2026年8月15日Xで投稿を見る →

日本陸連の日本記録一覧の女子100mHも12秒60・中島ひとみ/2026年8月15日・福井(2026年8月27日現在)です。

中島本人も3日後の8月18日、富士北麓の「12.62」とANG福井の「12.60」、2枚の掲示板の写真をXに投稿しています。

中島ひとみ@g713__8

Athlete Night Games in FUKUI 2026 12.60←12.62 NEW NATIONAL RECORD 🇯🇵 少しずつの積み重ねを信じられたのは、 その時間支えてくれた沢山の人たちがいたから。 ここからの挑戦もまた一緒に走ってください☝🏻 📷 月刊陸上競技

2026年8月18日Xで投稿を見る →

このANG福井決勝の8人のうち6人が今季ランキングの10位以内に入っています。

今季の100mハードル日本ランキング、ここが動いた5つのポイント

日本選手権は中島が12秒77。5人が派遣設定記録13秒08をクリア

第110回日本選手権は、6月13日の決勝を中島ひとみが12秒77(+0.6)で制しました。

TRACK HUB RESULTS

第110回日本陸上競技選手権大会 女子100mH

2026-06-13 パロマ瑞穂スタジアム(愛知)

女子100mH 決勝風: +0.6

順位選手所属記録備考
1中島 ひとみ長谷川体育施設12.77AJS/RT 0.145
2福部 真子日本建設工業12.83AJS/RT 0.161
3青木 益未七十七銀行12.86AJS/RT 0.155
4田中 佑美富士通12.91AJS/RT 0.151
5大松 由季CDL13.08AJS/RT 0.150
6村岡 柊有NSD13.14RT 0.165
7清山 ちさといちご13.21RT 0.150
8島野 真生渡辺パイプ13.25RT 0.164

「AJS」はアジア大会派遣設定記録を満たしたことを示す表記です。日本陸連の愛知・名古屋2026アジア競技大会 派遣設定記録によると女子100mHの基準は13秒08(男子110mHは13秒53)で、「世界選手権派遣水準を基に設定した」と注記されています。

この決勝では1位から5位の5人が13秒08以内(5位・大松は13秒08ちょうど)でこの表記を得ました。

ただし個人種目の代表枠はもっと狭いものでした。日本陸連が公表した愛知・名古屋2026アジア競技大会の日本代表選手一覧(2026年8月31日現在)によると、女子100mHの代表は中島ひとみと福部真子の2人。日本選手権3位の青木益未は4×100mリレーと混合リレーでの選出です。

アジア大会2026の陸上競技は9月23〜29日、日本選手権と同じパロマ瑞穂スタジアム(愛知)が舞台。今季12秒60の中島と12秒72の福部が地元開催の大会に臨みます。

なお3位・福部真子の今季ベスト12秒72は、この決勝(2位・12秒83)ではなく前日6月12日の準決勝1組の記録。大会新記録(CR)とAJSの表記があります。7位タイの本田怜の13秒01も6月12日の予選4組の記録で、準決勝で敗退して決勝には進んでいません。ランキングを決勝だけで読むと取りこぼす典型例です。

リアクションタイムから見えること|3レースと中島の5本

上の日本選手権決勝8人のリアクションタイム(RT)を見ると、優勝した中島の0.145秒が最速でした。ただし2位・福部の0.161秒は8人中6番目、5位・大松と7位・清山の0.150秒が2番目タイです。RTの速い順と着順が一致しているのは1位・中島と4位・田中佑美だけで、あとはほとんど対応していません。

前日6月12日の準決勝1組では、本田怜のRT 0.127秒が8人中最速でしたが、着順は5位・13秒23で決勝に進めませんでした。逆に8月15日のANG福井決勝では、3位・13秒01の村岡柊有のRTが8人中もっとも遅い0.186秒。最速だった中島(0.137秒)との差0.049秒は、2人のフィニッシュ差0.41秒の1割強にすぎません。

号砲への反応で生まれる差は大きくても0.05秒前後で、着順を分けた差の大半は反応以外でついています。それがハードル区間なのか加速局面なのかまでは、リザルトからは分かりません。

中島本人がXに書いた「少しずつの積み重ね」は、リザルトにも表れています。

日本選手権の予選0.129秒・準決勝0.134秒・決勝0.145秒、ANG福井の予選0.132秒・決勝0.137秒と、5レースすべてで自分の組の最速でした(日本陸連の公式リザルトの値)。日本記録を出した選手が5レースとも0.129〜0.145秒に収めていた事実は、スタート練習の目安になります。0.15秒を切る反応を毎レース再現できるかどうかが一つの帯です。

記録が出た大会を分解する|日本選手権が6人

30人がどの大会で今季最高記録を出したかを集計しました。

大会記録が出た日TOP30入りした人数
第110回日本選手権6/126人
第68回東日本実業団選手権5/164人
Athlete Night Games in FUKUI 20268/153人
セイコーゴールデングランプリ陸上2026東京5/172人
第81回九州選手権8/232人
令和8年度北信越高等学校総合体育大会6/192人
第70回兵庫県高等学校総合体育大会5/292人
令和8年度関東高等学校陸上競技大会6/152人
第8回富士北麓ワールドトライアル8/91人
2026 ATX Sprint Classic6/201人
第103回関西学生対校選手権5/151人
国民スポーツ大会 石川県予選会7/191人
オルドス2026 U23アジア選手権7/111人
第110回日本選手権・混成競技(七種競技)6/61人
全国高校総体 北九州地区予選6/221人

もっとも多かったのは日本選手権の6人。ただしこの6人は全員が6月12日=予選・準決勝の日の記録で、決勝の6月13日から生まれた今季ベストはゼロです。

男子110mHランキング2026を同じ方法で集計すると最多はANG福井の7人。女子は6月の日本選手権に記録が集中しています。

15大会のうち7大会はTOP30入りが1人ずつです。さらに県・地区レベルの高校大会(兵庫県高校総体・関東高校陸上・北信越高校総体・北九州地区予選)だけで7人。全国のトップが集まる場に出なくても、TOP30入りの記録は生まれています。

20位タイの梶木菜々香(ノジマT&FC)の13秒32は、6月6〜7日の第110回日本選手権・混成競技(岐阜)で七種競技の1種目めとして走った記録です。梶木はアジア大会にも七種競技で代表入りしています。

高校生7人・大学生4人。約4人に1人が高校生

今季のTOP30には高校生が7人(12位・藤田紗季、16位・二階堂咲、17位タイ・福田花奏、22位タイ・吉永優衣、26位・嶋中心優、28位・石原南菜、29位タイ・阪真琴)、大学生が4人。残る19人のうち18人は実業団・クラブ・陸協などの社会人、1人(9位タイ・小林歩未)が未確認です。

最上位の高校生は藤田紗季(敦賀高)の13秒20で全体12位。6月19日の北信越高等学校総合体育大会(インターハイの北信越地区予選・石川)で追い風1.8mでした。

この13秒20は日本高校記録です。インターハイ2026(滋賀)の公式リザルトの記録欄に「日本高校記録(NHR) 13.20 藤田紗季(福井・敦賀)2026/6/19」とあります。

従来の記録は13秒29・石原南菜(白鴎大足利高)/2025年。石原は2025年のインターハイ決勝を13秒30の高校新で制し、同年のうちに13秒29まで縮めていました。その13秒29に2026年5月29日、二階堂咲(神戸山手グローバル高)が並びます。ここまでは兵庫県高体連の県高校総体 公式リザルトの記録欄と、日本高校タイ記録を示す備考「=HR」によります。

日本陸連の世界U20選手権 日本代表選手団一覧によれば藤田は2010年2月20日生まれ、6月19日時点で16歳。同じ大会・同じ追い風1.8mで13秒41の阪真琴(佐久長聖高)も29位タイです。

二階堂は今季の高校2番手。同じレースの2着13秒30の福田花奏(滝川第二高)が17位タイで続きます。福田は後述するU18日本記録13秒09の保持者。二階堂は8月の世界U20陸上競技選手権にも出場し、予選を13秒39で走りました(U20世界陸上2026の日本代表の全成績まとめ)。

6月15日の関東高等学校陸上競技大会(水戸信用金庫スタジアム)も2人。南関東決勝を大会新13秒37で制した嶋中心優(相洋高)が26位、北関東決勝13秒40の石原南菜が28位です。

8月5日のインターハイ2026決勝(彦根)で優勝したのは今季22位タイの吉永優衣(長崎日大高)。石原は3位、高校記録を持つ藤田は予選を欠場しています(公式リザルトにDNS表記)。藤田は前掲の世界U20選手権 日本代表にも名を連ねました。

大学生では髙橋亜珠(筑波大)が7月11日、中国・オルドスのU23アジア選手権決勝で13秒31(+0.1)の銀メダル。福井有香(立命館大)は5月15日の関西学生対校選手権を13秒23(+0.4)で制しています。

日本陸連の女子U20日本記録一覧によると、100mHのU20日本記録は13秒05・寺田明日香(北海道ハイテクAC)。2009年の記録で17年間破られていません(2026年8月27日現在)。藤田の13秒20はここまで0.15秒差です。

2025年と比べる|1位は0秒11速く、12秒台は9人から6人に

同じWorld Athleticsの2025年 女子100mH 日本トップリスト(1人1記録)と並べてみます。

指標(いずれもWorld Athleticsリストで比較)2025年(通年)2026年(9月6日時点)
1位の記録12.71(中島ひとみ)12.60(中島ひとみ)
12秒台の人数9人6人
リスト30位の記録13.4613.43

高校大会の補完前どうしで比べると、先頭は0秒11、30位のラインも0秒03速くなりました。一方で12秒台に乗せた人数は9人から6人に減っています。2025年に12秒台だった9人のうち今季も12秒台を出したのは中島・青木・福部・田中佑美・大松の5人。新たに加わったのは村岡柊有ただ1人で、2025年の13秒12(山口)から0秒18縮めました。

12秒台から外れた4人のうち清山ちさと13秒01・本田怜13秒01・島野真生13秒09の3人は、12秒台まであと0.02〜0.10秒。トップは上がり、次の層がわずかに薄くなった形です。ただし2026年は9月6日時点の数字で、アジア大会(9月23〜29日)はまだ先です。

100mハードルの日本歴代10傑と、世界との比較

World Athleticsの日本人オールタイムリストの上位10人です。こちらも1人1記録で、中島の12秒62のような同じ選手の他の記録は表に現れません。

順位記録風速選手名場所年月日
112.60+0.7中島 ひとみ福井2026.8.15
212.68+2.0青木 益未富士山GX(山梨)2026.8.9
312.69+1.2福部 真子平塚2024.7.20
412.77-0.1清山 ちさと横浜2025.8.20
512.80-0.1田中 佑美東京2025.7.5
612.86+0.7寺田 明日香大阪2023.5.7
712.91+1.4本田 怜福井2025.8.16
812.940.0大松 由季多治見2024.10.5
812.94+1.9村岡 柊有山形2026.5.16
1012.97+1.4島野 真生福井2025.8.16

歴代10人のうち3人(中島・青木・村岡)が2026年の記録、4人が2025年、2人が2024年。10人中9人が直近3シーズンの記録で、2023年の寺田明日香を除く9人が今季のTOP30にも入っています。

2026年の世界トップリストで日本はどこにいるか

World Athleticsの2026年 女子100mH 世界トップリスト(1人1記録)の上位は次のとおりです。

順位記録風速選手名(国)場所日付
112.090.0マサイ・ラッセル(アメリカ)チューリヒ(スイス)8/27
212.230.0トビ・アムサン(ナイジェリア)チューリヒ(スイス)8/27
312.33+1.0デビン・チャールトン(バハマ)ブリュッセル(ベルギー)9/5
412.340.0ナディーン・フィッサー(オランダ)チューリヒ(スイス)8/27
512.38+0.7グレース・スターク(アメリカ)パリ(フランス)6/28
512.38-0.4アリーシャ・ジョンソン(アメリカ)モナコ7/10
512.380.0アリア・アームストロング(アメリカ)ニューヨーク(アメリカ)7/25

世界最高の12秒09は8月27日のチューリヒでマサイ・ラッセルが出した記録です。ただしWorld Athleticsの種目ページの世界記録は2026年9月6日時点でもトビ・アムサンの12秒12(2022年)のままで、リストの1位=公認の世界記録ではありません。

このリストで中島ひとみの12秒60は24位タイ(12秒60が3人並ぶ位置)、世界最高との差は0.51秒です。World Athleticsの2026年 男子110mH 世界リストでは泉谷駿介の13秒00が世界5位タイで、同じハードル種目でも男女で日本の立ち位置はかなり違います。スプリント側と見比べたいときは女子100mランキング2026もどうぞ。

100mハードルの記録の読み方|風速の壁と、中学・高校の目安タイム

ランキングで気をつけたいのが風速です。集計ルールのとおり**追い風が毎秒2.0mを超えた記録は「追い風参考記録」**となり、公認記録にもランキングにも載りません。

今季のTOP30で最も追い風が強かったのは、2位・青木益未の**+2.0**。規定ぎりぎりで、あと0.1m強く吹いていれば日本歴代2位の12秒68は参考記録でした。

風速は前述の競技規則により、100mHでは号砲から13秒間の平均を測ります。「レース中ずっと追い風2.0mだった」という意味ではありません。

100mHのハードルは、カテゴリーによって高さが変わる

ハードル種目に固有の注意点がカテゴリーで高さが違うことです。同じ競技規則が定める女子100mHの規格は、一般・U20が0.838m(83.8cm)・1台目まで13.00m・インターバル8.50m。このランキングはすべてこの規格です。

一方、日本陸連のU18日本記録一覧では、女子100mHの種目名が「100mハードル(76.2cm/8.5m)」で、掲載されている13秒09(福田花奏/神河中、2024年10月20日・伊勢)には「(84.0cm)」の注記がついています。

つまりこの13秒09は、種目欄の76.2cmではなく84.0cm(一般規格83.8cmとほぼ同じ高さ)のハードルで出た記録です。ハードル間の距離は一覧からは判別できません。

U18記録13秒09が日本高校記録13秒20より速いのは、区切り方が違うからです。U20・U18は年齢、高校記録は高校生が出した記録という在籍での区切り。福田の13秒09は所属が「神河中」=中学在籍時の記録として載っています。枠組みが別なので、逆転していても矛盾ではありません。

ハードル間の3歩の作り方や歩数が合わないときの直し方は、ハードル走のコツを3歩リズムの作り方から解説した記事で扱っています。

13秒台という記録の目盛り

自分のタイムの位置を考える目印になる公式の数字です。高校・中学の行はインターハイ2026と全日本中学校選手権2026(山口)の公式リザルトの記録欄・決勝結果から採りました。

目安記録規格出典・条件
日本記録12.600.838m/8.50m中島ひとみ、2026年8月15日・福井
U20日本記録13.050.838m/8.50m寺田明日香、2009年
アジア大会派遣設定記録13.080.838m/8.50m日本陸連「愛知・名古屋2026アジア競技大会 派遣設定記録」
日本高校記録13.200.838m/8.50m藤田紗季(敦賀高)、2026年6月19日・石川。インターハイ2026公式リザルトの記録欄(NHR)
日本中学記録13.230.762m/8.00m今村好花(太宰府東中)、2025年。全中2026公式リザルトの記録欄(JH)
今季の日本TOP30ライン13.410.838m/8.50m本記事の30人目の記録

規格の列は「高さ/ハードル間の距離」。中学の女子100mHは高校以上より高さが7.6cm低く、間隔も50cm短いので、日本中学記録13秒23と日本高校記録13秒20は数字が近くても同じ土俵ではありません。

次は、2026年の全国大会でどのタイムなら決勝・入賞に届いたかです。

大会(2026年)優勝決勝進出ライン8位(入賞ライン)
インターハイ(8月5日・彦根、0.838m/8.50m)13.44(吉永優衣・長崎日大高、-2.1)13.92(準決勝からの最終通過タイム、-3.0)14.02(-2.1)
全日本中学校選手権(8月23日・山口、0.762m/8.00m)13.52(上宮光陽・京都光華中、+0.4)14.17(予選からの最終通過タイム、-0.3)14.27(+0.4)

インターハイ決勝は向かい風2.1m、準決勝も3組とも向かい風1.9〜3.0m。高校生のタイムは追い風条件の大会より厳しめに出た数字です。

今季のランキングで13秒08以内は上位8人(7位タイまで)。一方で16人目から30人目までの15人が13秒29〜13秒41の0秒12に密集しており、30人目の選手が0.1秒縮めれば10人を抜いて19位タイまで上がります。高校生なら、インターハイの入賞ライン14秒02から日本のTOP30ライン13秒41までの約0.6秒が次の目標の幅です。

よくある質問

公式リザルトに出てくる「AJS」「NHR」などの記号は何ですか?

本記事が引用した公式リザルトの略号です。読み解けると順位表だけでは分からない情報が拾えます。

記号意味
NR/NNR日本記録/日本新記録
CR/NGR大会記録/大会新記録(表記は大会によって異なる)
NHR日本高校記録
JH日本中学記録
AJSアジア大会派遣設定記録を満たした記録
PB自己新記録
DNS出場取消(欠場)

日本新記録は、レースが終わった時点で正式な日本記録になるのですか?

なりません。日本陸連の「日本記録の公認について」によると、加盟団体から日本陸連へ申請書類が提出され、審査を経て公認されます。日本記録を出した競技者はドーピング検査を受ける必要があり、未実施や違反があれば公認されません。中島ひとみの12秒60は日本記録一覧(2026年8月27日現在)に掲載されています。

このランキングはいつ更新されますか?

同じURLを、編集部が判断した時期に更新します。次回の更新時期は未定です。更新時に集計基準日を記事冒頭に記載します。

まとめ

2026年の女子100mH日本ランキングは、次の4点に集約できます。

  • 今季日本最高=日本記録は中島ひとみの12秒60。8月9日と15日、6日間隔で日本記録が2度動いた夏だった
  • 日本選手権決勝は5人が13秒08以内。それでも個人種目のアジア大会代表は中島・福部の2人
  • TOP30の6人が日本選手権発だが、全員が6月12日(予選・準決勝)の記録
  • 高校生7人・大学生4人が30人の中に。最上位は藤田紗季(敦賀高)の13秒20=日本高校記録で12位

前年より1位は0秒11速く、12秒台は3人減った今季。日本インカレは次回更新で反映し、9月はこのあと全日本実業団と地元開催のアジア大会。16〜30人目の15人が0.12秒に密集するこの帯は、次の更新で大きく入れ替わるはずです。

自分のタイムがどの位置か気になったら、まずは記録を残すところから。陸上練習ノートアプリ「TRACK HUB」なら、レースごとの記録と風速、ハードル間の歩数を残して、シーズンのタイムの推移をグラフで見返せます。